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喀血と吐血の違いを理解する 結核が呼吸器疾患である意味

看護師国家試験 第114回 午後 第15問 / 必修問題 / 徴候と疾患

国試問題にチャレンジ

114回 午後 第15問

喀血を症状とする疾患はどれか。

  1. 1.結核(tuberculosis)
  2. 2.胃潰瘍(gastric ulcer)
  3. 3.大腸癌(colon cancer)
  4. 4.敗血症(sepsis)

対話形式の解説

博士 博士

今回は喀血について学ぶぞ。喀血と吐血の違い、説明できるかな?

サクラ サクラ

どっちも口から血を吐くイメージですが…違いがいまいちよくわかりません。

博士 博士

これが大事なポイントじゃ。喀血は呼吸器、つまり気管支や肺からの出血を咳とともに口から喀出すること。吐血は消化管からの出血を嘔吐とともに口から出すことじゃ。

サクラ サクラ

見た目で区別できるんですか?

博士 博士

できるぞ。喀血は鮮紅色で空気を含んで泡立っており、アルカリ性じゃ。吐血は胃酸の影響でコーヒー残渣様または暗赤色になることが多く、酸性じゃ。

サクラ サクラ

選択肢を見ると、結核以外は消化器系や全身性疾患ですね。

博士 博士

その通り!この問題は「呼吸器疾患はどれか」を問うているのと同じことになるな。

サクラ サクラ

結核はどうして喀血が起こるんですか?

博士 博士

結核菌は肺で慢性的な炎症を起こし、肉芽腫を形成する。これが進行すると肺に空洞を作り、その壁にある血管を侵食すると出血が起こるのじゃ。

サクラ サクラ

結核の他の症状ってどんなものですか?

博士 博士

2週間以上続く咳、喀痰、微熱、盗汗(寝汗)、体重減少が代表的じゃ。これらに血痰や喀血が加わったら結核を強く疑う。

サクラ サクラ

胃潰瘍ではどんな血の出方をするんですか?

博士 博士

胃酸の影響を受けてコーヒー残渣様の吐血になる。便も黒いタール便になるぞ。胃酸でヘモグロビンが酸化されてヘマチンに変わるからじゃな。

サクラ サクラ

大腸癌は下血ですよね?

博士 博士

そうじゃ。下部消化管からの出血じゃから血便や下血になる。直腸や下行結腸の癌では鮮血便、右側結腸では便と混じった暗赤色便になる。

サクラ サクラ

敗血症で喀血ってあるんですか?

博士 博士

敗血症は感染に対する宿主反応の異常で、発熱・頻脈・頻呼吸・低血圧・意識障害が中心で、喀血は典型症状ではない。

サクラ サクラ

結核の看護で気をつけることはありますか?

博士 博士

結核は空気感染するから、N95マスクの着用と陰圧個室での管理が必要じゃ。患者にも咳エチケットを指導する。

サクラ サクラ

感染症法上の届出は必要なんですか?

博士 博士

もちろんじゃ。結核は2類感染症に分類されており、診断したら直ちに保健所に届け出る義務がある。看護師は感染対策と公衆衛生の橋渡しを担うのじゃ。

POINT

喀血は気管支や肺など呼吸器系からの出血が咳とともに口から出る症状で、鮮紅色で泡沫状を呈し、消化管から出る吐血(暗赤色〜コーヒー残渣様)とは区別されます。本問の選択肢では結核のみが呼吸器疾患で、肺の空洞形成と血管侵食により喀血が起こり得ます。胃潰瘍では吐血、大腸癌では下血、敗血症では発熱や循環障害が中心であり、いずれも喀血を主症状としません。看護師は喀血患者に対しては側臥位で患側を下にする体位、気道確保、バイタル監視に加え、結核の場合は空気感染対策と感染症法上の届出を確実に行う必要があります。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:喀血を症状とする疾患はどれか。

解説:正解は 1 の結核(tuberculosis)です。喀血とは気管・気管支・肺などの呼吸器系から出血した血液を咳とともに口から喀出することをいい、鮮紅色で泡沫状(空気を含む)であることが特徴です。これに対し消化管からの出血が口から出た場合は吐血と呼び、胃酸の影響でコーヒー残渣様または暗赤色を呈します。結核は結核菌の感染による慢性肉芽腫性炎症で、肺の空洞形成や血管侵食により喀血を起こすことがあります。咳嗽・喀痰・微熱・盗汗・体重減少など2週間以上続く呼吸器症状の中に血痰や喀血が混じる場合は結核を疑います。

選択肢考察

  1. 1.  結核(tuberculosis)

    結核は肺の慢性肉芽腫性炎症であり、空洞形成時に血管壁が侵食されて喀血を生じることがある。咳・痰・血痰・発熱・体重減少が代表的な症状。

  2. × 2.  胃潰瘍(gastric ulcer)

    胃潰瘍では胃粘膜の血管が破綻して上部消化管出血を起こし、吐血(コーヒー残渣様)やタール便を生じる。呼吸器系からの喀血ではない。

  3. × 3.  大腸癌(colon cancer)

    大腸癌では下部消化管からの出血により下血や血便がみられる。腫瘍部位によっては鮮血便や粘血便となるが、口から血を出す喀血や吐血の典型疾患ではない。

  4. × 4.  敗血症(sepsis)

    敗血症は感染に対する制御不能な宿主反応により臓器障害を起こす病態で、発熱・頻脈・頻呼吸・意識障害・血圧低下が主症状。喀血は典型症状ではない。

喀血と吐血の鑑別は臨床上重要である。喀血は鮮紅色・泡沫状・アルカリ性で咳とともに出現し、肺結核・気管支拡張症・肺癌・肺アスペルギルス症などが原因となる。吐血は暗赤色〜コーヒー残渣様・酸性・嘔吐とともに出現し、胃・十二指腸潰瘍、食道静脈瘤破裂、Mallory-Weiss症候群などが原因となる。結核は2類感染症(結核予防法廃止後は感染症法で規定)であり、診断後は直ちに保健所に届け出る。看護師は標準予防策に加えて空気感染対策(N95マスク、陰圧個室)を徹底する必要がある。

「喀血=呼吸器からの出血」と「吐血=消化管からの出血」を区別できるかが核心。選択肢のうち呼吸器疾患は結核のみであり、ここで判別がつく。