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国民医療費の中身を見抜こう

看護師国家試験 第103回 午前 第4問 / 必修問題 / 看護で活用する社会保障

国試問題にチャレンジ

103回 午前 第4問

国民医療費に含まれる費用はどれか。

  1. 1.予防接種
  2. 2.正常な分娩
  3. 3.人間ドック
  4. 4.入院時の食事

対話形式の解説

博士 博士

今日は国民医療費の問題じゃ。何が含まれて何が含まれないかを整理するのが国試対策のポイントじゃぞ。

アユム アユム

博士、そもそも国民医療費って何ですか?

博士 博士

ある年度に医療機関等で「保険診療の対象となる傷病の治療」に要した費用を推計したものじゃ。厚生労働省が毎年公表しておる重要統計じゃな。

アユム アユム

じゃあ保険診療以外の医療費は含まれないんですね。

博士 博士

そのとおり。ここがポイントじゃ。具体的に「含まれないもの」を整理しよう。①正常な妊娠・分娩、②健康診断・人間ドック、③予防接種、④義眼や義肢など、⑤差額ベッド代、⑥市販薬代、などじゃ。

アユム アユム

選択肢を見ると、1の予防接種、2の正常な分娩、3の人間ドックは全部「含まれないもの」ですね。

博士 博士

そうじゃ。残るは4の「入院時の食事」じゃが、これは保険診療の枠組みの中で「入院時食事療養費」として算入されるんじゃ。だから正解は4となる。

アユム アユム

入院時の食事って自費じゃなかったんですか?

博士 博士

標準負担額として1食あたり490円などを患者が負担するが、残りは医療保険から給付される。所得が低い人や難病の方は負担額が軽減される仕組みもあるぞ。

アユム アユム

正常分娩はなぜ含まれないんですか?

博士 博士

正常な妊娠・分娩は「疾病」ではないからじゃ。保険診療の対象外で、代わりに健康保険から「出産育児一時金」(現在50万円)が支給される仕組みになっておる。逆に異常分娩や合併症の治療は保険適用で、国民医療費に含まれるんじゃ。

アユム アユム

日本の国民医療費って今どれくらいなんですか?

博士 博士

令和3年度で約45兆円じゃ。対GDP比約8.18%、国民1人あたり約35万8千円という大きな数字じゃな。

アユム アユム

すごい金額ですね…なぜそんなに増えているんでしょう?

博士 博士

最大の要因は高齢化じゃ。65歳以上の医療費が全体の約60%、75歳以上で約40%を占めておる。慢性疾患を複数持つ高齢者が増えているから、医療費は今後も増加する見通しじゃ。

アユム アユム

財源はどうなっているんですか?

博士 博士

保険料が約50%、公費(税金)が約38%、患者負担が約12%という構成じゃな。世代間・社会全体で支え合う仕組みになっておる。

アユム アユム

診療種類別ではどうですか?

博士 博士

医科診療医療費が約7割と最大で、続いて薬局調剤医療費、歯科診療医療費の順じゃ。看護に関連する訪問看護医療費も国民医療費に算入されるぞ。

アユム アユム

国民医療費の中身、すっきり整理できました。看護師として医療経済も意識しないとですね!

POINT

国民医療費は保険診療の対象となる傷病治療費の年度推計であり、医科・歯科・調剤・入院時食事療養費・訪問看護医療費などが含まれます。一方、予防接種、正常分娩、人間ドック、健康診断、義眼・義肢、差額ベッド代などは含まれません。本問の正解は4の「入院時の食事」で、入院時食事療養費として保険診療枠に算入されます。令和3年度の国民医療費は約45兆円、65歳以上が約6割を占めるなど高齢化が大きな要因です。看護師国家試験では「含まれる/含まれない」の区別が頻出のため、しっかり整理しましょう。

解答・解説

正解は 4 です

問題文:国民医療費に含まれる費用はどれか。

解説:正解は 4 です。国民医療費とは、ある年度における医療機関等で保険診療の対象となる傷病の治療に要した費用を推計したものです。具体的には、医科診療医療費、歯科診療医療費、薬局調剤医療費、入院時食事・生活医療費、訪問看護医療費、療養費(移送費を含む)などが含まれます。一方、保険診療の対象外となる費用、すなわち①正常な妊娠・分娩に関する費用、②健康診断・人間ドックなどの予防的医療費、③予防接種費用、④固定した身体障害のための義眼・義肢費用、⑤差額ベッド代、⑥市販薬の購入費などは国民医療費には含まれません。したがって、選択肢4の「入院時の食事」は入院時食事療養費として保険診療の枠組みに含まれるため、国民医療費に算入されます。日本の国民医療費は年々増加しており、令和3年度(2021年度)には約45兆359億円、対GDP比約8.18%、国民1人あたり約35万8千円となりました。65歳以上の医療費が全体の約60%を占めるなど、高齢化の進展が医療費増大の主因です。看護師国家試験では「国民医療費に含まれるもの/含まれないもの」の整理が頻出ポイントです。

選択肢考察

  1. × 1.  予防接種

    誤りです。予防接種は感染症の予防を目的とする保健事業であり、傷病の治療ではないため国民医療費には含まれません。費用は予防接種法に基づき市町村等が負担する仕組みになっています。

  2. × 2.  正常な分娩

    誤りです。正常な妊娠・分娩は疾病ではないため、保険診療の対象外で国民医療費には含まれません(出産育児一時金が支給される仕組みになっています)。なお異常分娩や合併症による医療行為は保険適用となり、国民医療費に算入されます。

  3. × 3.  人間ドック

    誤りです。人間ドックは疾病の早期発見を目的とした健康診断であり、傷病の治療ではないため保険診療の対象外で、国民医療費には含まれません。

  4. 4.  入院時の食事

    正しい選択肢です。入院時の食事は「入院時食事療養費」として保険診療の枠組みに含まれ、国民医療費に算入されます。患者は標準負担額(1食あたり490円など、所得や難病等で異なる)を負担し、残りが医療保険から給付される仕組みです。

国民医療費は厚生労働省が毎年公表する重要統計で、医療政策の基礎資料となります。財源構成は保険料(約50%)、公費(約38%)、患者負担(約12%)です。診療種類別では医科診療医療費が最大(約7割)で、続いて薬局調剤医療費、歯科診療医療費の順となっています。65歳以上の医療費は全体の約60%、75歳以上で約40%を占め、高齢者医療制度(後期高齢者医療制度など)を通じて世代間で支え合う仕組みになっています。年代別の数値とともに「含まれる/含まれない」の区別を整理して覚えましょう。

国民医療費は保険診療の対象となる傷病治療費の推計で、入院時食事療養費は含まれる。