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後期高齢者医療制度の根拠法は?老人保健法からの変遷を知ろう

看護師国家試験 第106回 午後 第4問 / 必修問題 / 看護で活用する社会保障

国試問題にチャレンジ

106回 午後 第4問

後期高齢者医療制度が定められているのはどれか。

  1. 1.医療法
  2. 2.健康保険法
  3. 3.高齢社会対策基本法
  4. 4.高齢者の医療の確保に関する法律

対話形式の解説

博士 博士

今日は医療保険制度の中でも、75歳以上の人を対象にする「後期高齢者医療制度」について学ぶぞ。まず、日本の医療保険はどんな構造になっておるか分かるかのう?

アユム アユム

えっと…健康保険と国民健康保険がありますよね。

博士 博士

その通り。大きく分けて①被用者保険(健康保険・共済など)、②国民健康保険、③後期高齢者医療制度の3層構造じゃ。75歳になると皆、後期高齢者医療制度に移るのじゃよ。

アユム アユム

強制的に移るんですか?

博士 博士

うむ、誕生日の翌日から自動的に移行する。それまで入っていた健保や国保から抜けて、都道府県ごとの「後期高齢者医療広域連合」が運営する制度の被保険者になるのじゃ。

アユム アユム

それはどの法律で決まっているんですか?

博士 博士

答えは選択肢4の「高齢者の医療の確保に関する法律」じゃ。平成20年(2008年)に施行された法律で、略して「高齢者医療確保法」と呼ばれておる。

アユム アユム

それまではどうだったんですか?

博士 博士

以前は「老人保健法」という法律があって、70歳以上(後に75歳以上)の医療費を各保険者が共同で負担する仕組みじゃった。だが財政や世代間負担の問題から見直され、独立した保険制度として再編されたのじゃ。

アユム アユム

なるほど、老人保健法の後継なんですね。他の選択肢との違いは?

博士 博士

医療法は病院や診療所の施設基準を定める法律。健康保険法は民間労働者の被用者保険。高齢社会対策基本法は理念を示す法律であり、制度の具体を定める実体法ではない。いずれも後期高齢者医療制度の根拠とは別物じゃ。

アユム アユム

同じ「高齢者」という名前でも、高齢社会対策基本法とは違うんですね。

博士 博士

その通り。「基本法」は基本的な理念と方向性を示す法で、具体的制度は別の個別法で定められることが多いのじゃ。

アユム アユム

窓口の自己負担は何割なんですか?

博士 博士

原則1割、現役並み所得者は3割じゃ。2022年10月からは一定以上の所得者は2割負担となったぞ。改定が頻繁なので、受験前には最新情報を確認するのじゃ。

アユム アユム

保険料はどう払うんですか?

博士 博士

原則として年金から天引きの「特別徴収」じゃ。年額18万円以上の年金を受けている人が対象で、それ以外は普通徴収になる。

アユム アユム

高齢者医療確保法って、制度創設以外にも重要な内容がありますか?

博士 博士

もちろん。40〜74歳を対象とする「特定健康診査・特定保健指導」もこの法律で定められておる。メタボ健診とも呼ばれるものじゃな。

アユム アユム

メタボ健診もこの法律なんですね!知らなかったです。

POINT

後期高齢者医療制度は、平成20年に施行された「高齢者の医療の確保に関する法律」に基づいて創設された、75歳以上を対象とする独立した医療保険制度です。従来の老人保健法を改正・改称した法律で、①医療費適正化、②後期高齢者医療制度の創設、③保険者再編統合に加え、④特定健診・特定保健指導も規定しています。運営主体は都道府県ごとの後期高齢者医療広域連合で、窓口負担は原則1割(現役並み3割、一定以上所得者2割)となっています。看護師は、高齢者の医療アクセスや経済的負担を理解し、退院支援や在宅ケアの現場で制度を活用する視点が求められます。

解答・解説

正解は 4 です

問題文:後期高齢者医療制度が定められているのはどれか。

解説:正解は 4 です。後期高齢者医療制度は、平成20年(2008年)に施行された「高齢者の医療の確保に関する法律」(高齢者医療確保法)に基づき創設された独立した医療保険制度です。75歳以上(65〜74歳で一定の障害認定を受けた人を含む)を被保険者とし、都道府県ごとに設立された後期高齢者医療広域連合が運営します。従来の老人保健法を再編する形で制定され、同法は①医療費適正化の総合的な推進、②後期高齢者医療制度の創設、③保険者の再編統合の3本柱で構成されています。

選択肢考察

  1. × 1.  医療法

    医療法は病院・診療所・助産所などの医療提供施設の開設・管理・人員配置や医療計画について定めた法律。医療保険制度の仕組みは規定していない。

  2. × 2.  健康保険法

    健康保険法は主に民間企業の労働者とその被扶養者を対象とする被用者保険の法律で、後期高齢者医療制度の直接の根拠法ではない。

  3. × 3.  高齢社会対策基本法

    高齢社会対策の基本理念と国・地方公共団体の責務を定めた理念法であり、医療保険制度そのものを定めているわけではない。

  4. 4.  高齢者の医療の確保に関する法律

    平成20年に老人保健法を改正・改称して成立。後期高齢者医療制度の創設、特定健診・特定保健指導、医療費適正化計画などを規定する、後期高齢者医療制度の根拠法そのもの。

高齢者医療確保法では特定健康診査・特定保健指導(40〜74歳対象のメタボ健診)も規定している点を押さえたい。また、公的医療保険は①被用者保険(健康保険・共済組合・船員保険)、②国民健康保険、③後期高齢者医療制度の3層構造になっている。75歳到達で後期高齢者医療制度に自動的に移行し、保険料は原則年金から特別徴収される。窓口負担は原則1割だが、現役並み所得者は3割、一定以上の所得者は2割(2022年10月改定)など負担割合は改定されており、最新の情報もチェックしておこう。

後期高齢者医療制度の根拠法を問う必修問題。「老人保健法の後継=高齢者の医療の確保に関する法律」と覚える。