無菌室の物品と滅菌方法の正しい組合せ
看護師国家試験 第103回 午前 第41問 / 基礎看護学 / 診療に伴う看護技術
国試問題にチャレンジ
無菌室で使用する物品とその滅菌方法の組合せで適切なのはどれか。
- 1.ビニール袋に入った菓子 ―――― 酸化エチレンガス滅菌
- 2.ステンレス製のスプーン ―――― 高圧蒸気滅菌
- 3.プラスチック製の箸 ―――――― 乾熱滅菌
- 4.紙製の絵本 ―――――――――― 低温プラズマ滅菌
対話形式の解説
博士
無菌室で使う物品の滅菌方法について整理しよう。滅菌は物品の素材によって最適な方法が変わるんだ。
サクラ
博士、滅菌方法ってそんなに種類があるんですか?
博士
主に4種類だよ。高圧蒸気滅菌、酸化エチレンガス滅菌、乾熱滅菌、低温プラズマ滅菌だね。それぞれ得意な物品が違うんだ。
サクラ
今回の問題で正解はどれですか?
博士
正解は2番のステンレス製のスプーンと高圧蒸気滅菌の組合せだ。オートクレーブとも呼ばれ、約121℃の飽和水蒸気で滅菌するから金属には最適なんだよ。
サクラ
他の選択肢はなぜダメなんですか?
博士
1番はビニール袋入りの菓子にEOGガスだけど、食品にガス滅菌は残留毒性の問題でアウト。そもそも菓子を無菌室に持ち込むこと自体が不適切だね。
サクラ
3番のプラスチックの箸と乾熱滅菌は?
博士
乾熱滅菌は160〜180℃の高温だから、プラスチックは溶けてしまうんだ。耐熱性のないものには使えないよ。
サクラ
4番の紙製の絵本と低温プラズマ滅菌は?
博士
低温プラズマ滅菌は過酸化水素ガスを使うんだけど、紙やセルロースは過酸化水素を吸収してしまうから対象外なんだ。
サクラ
なるほど、素材の特性で選ぶんですね。
博士
そう、覚え方は「金属は蒸気、プラ・ゴムはガス、精密はプラズマ」だよ。耐熱性と耐湿性を意識しよう。
サクラ
臨床での注意点は何ですか?
博士
EOGガスは滅菌後にエアレーションでガス除去が必要、プラズマ滅菌は紙・繊維・液体は禁忌、と素材別の禁忌を覚えておこう。
POINT
無菌室で使用する物品の滅菌方法は素材により選択する。ステンレスは耐熱性があり高圧蒸気滅菌が最適である。EOGガスは耐熱性のないプラスチック・ゴム、低温プラズマは精密機器に用いるが紙には不可。乾熱滅菌は高温のためプラスチックには使えない。
解答・解説
正解は 2 です
問題文:無菌室で使用する物品とその滅菌方法の組合せで適切なのはどれか。
解説:正解は 2 です。滅菌とはすべての微生物を死滅・除去する処理のことで、対象物の耐熱性・耐湿性・素材によって適切な方法を選択する必要があります。代表的な方法には高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)、酸化エチレンガス(EOG)滅菌、乾熱滅菌、低温プラズマ滅菌などがあり、医療現場では物品ごとに使い分けられています。ステンレスのような金属製品は高温高圧に耐えるため、最も汎用的で確実な高圧蒸気滅菌が第一選択となります。
選択肢考察
-
× 1. ビニール袋に入った菓子 ―――― 酸化エチレンガス滅菌
酸化エチレンガス滅菌は耐熱性のないゴムやプラスチック、カテーテル類などに用いられる方法です。食品はガスの残留や毒性の問題があり対象外で、そもそも菓子は滅菌物品ではなく無菌室への持ち込み品としても不適切です。
-
○ 2. ステンレス製のスプーン ―――― 高圧蒸気滅菌
高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)は約121℃・2気圧の飽和水蒸気で行う方法で、金属・ガラス・繊維・耐熱性プラスチックなど高温高湿に耐える物品に適しています。ステンレス製スプーンは耐熱性があり腐食もしないため、この方法が最適です。
-
× 3. プラスチック製の箸 ―――――― 乾熱滅菌
乾熱滅菌は160〜180℃の高温乾燥空気で行う方法で、ガラスや金属など熱に強い物品に用います。プラスチックは高温で変形・溶解するため不適切であり、加熱に弱い素材には低温で行う他の滅菌法を選択します。
-
× 4. 紙製の絵本 ―――――――――― 低温プラズマ滅菌
低温プラズマ滅菌は過酸化水素ガスを用いる方法で、耐熱性のない精密機器や内視鏡、ゴム・プラスチック製品の滅菌に適しています。紙やセルロース系の物質は過酸化水素を吸収するため使用できず、紙製絵本は不適切です。
代表的滅菌法のまとめ:高圧蒸気滅菌=金属・ガラス・繊維(最も汎用)、EOGガス滅菌=耐熱性のないプラスチック・ゴム(残留ガスのエアレーション必要)、乾熱滅菌=ガラス・金属で水分を嫌うもの、低温プラズマ滅菌=精密機器・内視鏡(紙・繊維・液体は不可)。覚え方は「金属は蒸気、プラはガス、紙は蒸気でもプラズマ不可」。
各滅菌方法の原理と適応物品の組合せを理解しているかを問う。素材の耐熱性・耐湿性と滅菌法の特性をマッチングできるかが鍵。
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