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改訂水飲みテストの正解は「呼吸を見る」 ―誤嚥スクリーニングを使い分ける

看護師国家試験 第114回 午後 第35問 / 基礎看護学 / 診療に伴う看護技術

国試問題にチャレンジ

114回 午後 第35問

嚥下障害を評価する改訂水飲みテストで正しいのはどれか。

  1. 1.嚥下後10秒間で評価する。
  2. 2.嚥下後の呼吸状態を評価する。
  3. 3.嚥下動作の準備期を評価する。
  4. 4.80mLの水で嚥下状態を評価する。

対話形式の解説

博士 博士

今日は嚥下評価の代表「改訂水飲みテスト」、略してMWSTを学ぶぞ。冷水を使った簡便なスクリーニング検査じゃ。

サクラ サクラ

水を飲んでもらうだけなんですか?

博士 博士

ポイントは「冷水3mLを注射器で口腔底に注ぐ」こと。少量で安全に評価できるよう工夫されておる。

サクラ サクラ

なんで口腔底に入れるんですか?

博士 博士

舌の下じゃ。直接咽頭に流れ込みにくく、誤嚥リスクを抑えながら嚥下反射を引き出せるからじゃ。

サクラ サクラ

評価する項目は何ですか?

博士 博士

嚥下の有無、むせ、呼吸状態、湿性嗄声、追加の空嚥下が2回できるか。これらを総合して5段階で点数化する。3点以下なら精密検査が必要じゃ。

サクラ サクラ

だから選択肢の「嚥下後の呼吸状態を評価する」が正解なんですね。

博士 博士

その通り。むせなくても声がガラガラする「湿性嗄声」が出れば、不顕性誤嚥を疑う重要サインじゃ。

サクラ サクラ

他のスクリーニング検査も知りたいです。

博士 博士

反復唾液嚥下テスト(RSST)は30秒で何回唾液を嚥下できるかを見て、3回未満が異常。30mL水飲みテストはより多めの水で評価する。MWSTの3mLとは別物じゃから混同せぬように。

サクラ サクラ

嚥下って5期に分かれるんですよね?

博士 博士

先行期・準備期・口腔期・咽頭期・食道期の5期じゃ。MWSTで主に見えるのは口腔期と咽頭期。準備期は咀嚼が要るからフードテストの方が向いておる。

サクラ サクラ

誤嚥した場合、どう対応すればいいですか?

博士 博士

強い咳嗽を促し、口腔内吸引、SpO2モニタリング、頸部聴診で残留や誤嚥音を評価する。発熱や呼吸状態悪化があれば誤嚥性肺炎を疑って医師に報告じゃ。

サクラ サクラ

食事姿勢で気をつけることは?

博士 博士

30度仰臥位+頸部前屈が基本姿勢じゃ。気管が前、食道が後ろにあるため、顎を引くと食塊が食道へ流れやすくなる。

サクラ サクラ

一口量や食事形態も大事ですよね。

博士 博士

とろみ調整、一口量を小さく、嚥下後に空嚥下を促す、食後30分は座位を保つ。これらをセットで覚えておくと臨床で役立つぞ。

サクラ サクラ

スクリーニングから生活援助まで、嚥下看護は奥が深いですね。

POINT

改訂水飲みテスト(MWST)は冷水3mLを口腔底に注いで嚥下させ、嚥下の有無・むせ・呼吸状態・湿性嗄声・反復嚥下の可否を5段階で評価する嚥下スクリーニングです。3点以下は誤嚥リスクが高く嚥下造影などの精密検査が必要となり、評価項目に呼吸状態が含まれる点が本問の正解の根拠です。RSSTや30mL水飲みテスト、フードテストといった他のスクリーニングと役割を分けて理解することが大切で、嚥下5期のうちMWSTで評価できるのは主に口腔期と咽頭期です。誤嚥性肺炎は高齢者の主要死因であり、看護師は姿勢調整・とろみ・一口量・口腔ケア・空嚥下指導といった日常ケアで予防に関与します。スクリーニングから個別の食事支援までを連動させて学ぶことで、安全な食支援を実践できます。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:嚥下障害を評価する改訂水飲みテストで正しいのはどれか。

解説:正解は 2 です。改訂水飲みテスト(Modified Water Swallow Test:MWST)は、冷水3mLを注射器で口腔底(舌下)に注ぎ、嚥下を促してから空嚥下を含めて2回反復させ、嚥下の有無、むせ、呼吸状態、湿性嗄声などを5段階で評価するスクリーニング検査である。評価点は1点(嚥下なし、むせる、呼吸切迫)から5点(むせなし、呼吸良好、追加嚥下可能)までで、3点以下は誤嚥のリスクが高く嚥下造影や嚥下内視鏡など精密検査の対象となる。呼吸状態を評価項目に含む点が選択肢2の「嚥下後の呼吸状態を評価する」と合致する。

選択肢考察

  1. × 1.  嚥下後10秒間で評価する。

    MWSTには「嚥下後10秒」という時間規定はない。30秒以内に何回唾液を嚥下できるかを評価するのは別検査の反復唾液嚥下テスト(RSST)で、3回未満が異常とされる。

  2. 2.  嚥下後の呼吸状態を評価する。

    嚥下後にむせ・湿性嗄声・呼吸切迫などの呼吸状態を観察することは、不顕性誤嚥を含む誤嚥リスクを判定する重要なポイントで、MWSTの5段階評価項目に含まれる。

  3. × 3.  嚥下動作の準備期を評価する。

    嚥下5期(先行期・準備期・口腔期・咽頭期・食道期)のうち、MWSTで主に評価できるのは口腔期と咽頭期である。準備期(食塊形成)の評価には咀嚼を伴うフードテストなどが用いられる。

  4. × 4.  80mLの水で嚥下状態を評価する。

    MWSTの水量は冷水3mLである。30mL水飲みテスト(窪田の水飲みテスト)と混同しやすいが、80mLという基準は存在しない。

嚥下スクリーニングには複数の検査があり、①反復唾液嚥下テスト(RSST:30秒で3回未満が異常)、②改訂水飲みテスト(MWST:冷水3mL)、③水飲みテスト(30mL)、④フードテスト(プリン状の食物4g)などを組み合わせて評価する。MWSTの手順は患者を座位またはファーラー位にし、注射器で冷水3mLを口腔底に注ぐ→嚥下を指示→空嚥下を2回追加→声を出してもらい湿性嗄声をチェック、という流れ。誤嚥のうち咳やむせを伴わない不顕性誤嚥は高齢者に多く、肺炎の主因となるため、SpO2モニタリングや頸部聴診を併用して総合的に評価する。看護師は食事形態の調整、姿勢調整(30度仰臥位+頸部前屈)、一口量の調整、嚥下訓練の支援などで誤嚥性肺炎予防に関わる。

改訂水飲みテストの実施方法(冷水3mL・口腔底注入・5段階評価)と評価項目(嚥下、呼吸状態、湿性嗄声、反復嚥下)を正確に理解しているかを問う問題。