ホルター心電図のミソ ―普段通り生活しつつ電磁波を避ける
看護師国家試験 第114回 午後 第39問 / 基礎看護学 / 診療に伴う看護技術
国試問題にチャレンジ
Holter<ホルター>心電図検査の説明で正しいのはどれか。
- 1.就寝時は電極を外す。
- 2.電極は四肢に装着する。
- 3.検査中は電気カーペットを使用しない。
- 4.検査中は普段の生活よりも活動量を減らす。
対話形式の解説
博士
今日はホルター心電図検査について学ぶぞ。普通の心電図と何が違うか分かるかな?
サクラ
普通の心電図は数十秒だけ寝て撮る検査ですよね。ホルターは何が違うんですか?
博士
ホルターは24時間装着して日常生活を記録するのじゃ。安静時心電図では捉えられない、時々出る不整脈や夜間の狭心症発作を見逃さないための検査じゃよ。
サクラ
だから就寝中も電極を外さないんですね。
博士
その通り。むしろ夜間の徐脈や睡眠時無呼吸関連の不整脈は重要な情報じゃから、外したら検査の意味が薄れる。
サクラ
電極はどこに貼るんですか?
博士
胸部に貼る。NASA誘導やCM5誘導という胸部誘導を使う。四肢誘導は標準12誘導で使う方式じゃから、ホルターでは使わぬ。
サクラ
電気カーペットを避けるのはなぜですか?
博士
電気カーペット、電気毛布、IH調理器、低周波治療器などは強い電磁場を発する。これが心電図にノイズとして混入すると、不整脈を誤検出したり記録不良の原因になる。
サクラ
MRIも避けますか?
博士
もちろんじゃ。装置を壊す可能性があるから絶対禁忌。検査中は外す必要があり、その時間は記録が途切れることを患者に説明しておく必要があるぞ。
サクラ
活動量を減らした方が安全な気がしますが…?
博士
逆じゃ。普段通りに生活してもらうことで、日常で出る不整脈や狭心症発作を捕まえる。むしろ運動・食事・入浴・症状の有無を行動記録票に書いてもらうのが大切じゃ。
サクラ
入浴はしていいんですか?
博士
機種による。標準型は防水ではないので原則不可、シャワーも控える。最近は防水機種もあり、その場合は入浴可じゃ。
サクラ
他に気をつけることは?
博士
電極が剥がれないよう汗をかきすぎない、衣服でこすらない、強い運動は機種に応じて確認、症状があれば必ず時刻を記録、などじゃ。
サクラ
ホルター以外の心電図検査もあるんですか?
博士
パッチ型なら7〜14日装着できる。植込み型ループレコーダーは数年単位で記録できるので、原因不明の失神精査などに使われるぞ。
サクラ
目的に応じて装着期間が変わるんですね。
博士
そう、検査の選択は症状の頻度と疑う病態で決まる。看護師は装着方法と注意点を分かりやすく説明し、行動記録票の書き方を指導するのが大事な役割じゃ。
サクラ
検査の意味と注意点が一気に整理できました。
POINT
ホルター心電図検査は携帯型心電計を24時間装着し、日常生活下の心電図を連続記録して一過性の不整脈や狭心症発作を検出する検査です。電極は胸部誘導(NASA誘導やCM5誘導など)に貼付し、就寝中も外さず、電気カーペット・電気毛布・IH調理器・MRIなどの強い電磁場は波形ノイズの原因になるため使用を避けます。普段通りに生活し、起床・食事・入浴・運動・服薬・症状などを行動記録票に記入することで、後日波形と症状の対応を解析できます。看護師は装着部位の皮膚清潔保持、入浴可否(機種による)、汗・衣服での電極剥がれ予防、行動記録の書き方を具体的に指導することで、正確な検査結果と患者の安心を支えます。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:Holter<ホルター>心電図検査の説明で正しいのはどれか。
解説:正解は 3 です。ホルター心電図検査は携帯型小型心電計を約24時間装着し、日常生活における心電図を連続記録して、安静時には捉えにくい一過性の不整脈や狭心症(特に夜間や活動時)を検出するための検査である。電気カーペット・電気毛布・IH調理器・低周波治療器・MRIなどの強い電磁場は記録波形にノイズを混入させたり機器を誤作動させたりするため、検査中の使用は避ける必要がある。
選択肢考察
-
× 1. 就寝時は電極を外す。
夜間に出現する不整脈や睡眠時無呼吸関連の徐脈などを検出するため、24時間連続装着が原則で就寝時も電極は外さない。
-
× 2. 電極は四肢に装着する。
ホルター心電図はNASA誘導やCM5誘導など胸部誘導を用い、電極は前胸部の特定部位に貼付する。四肢誘導は標準12誘導心電図で用いる方式。
-
○ 3. 検査中は電気カーペットを使用しない。
電気カーペット・電気毛布・IH調理器などの電磁波は心電図波形にノイズを混入させ、不整脈の誤検出や記録不良を招くため使用を避ける。
-
× 4. 検査中は普段の生活よりも活動量を減らす。
日常生活で起きる不整脈や狭心症発作を捉えることが目的のため、いつも通りの生活を続けることが推奨される。活動内容と症状を行動記録票に書き留めることが重要。
ホルター心電図検査の手順としては、皮膚を清拭・脱毛して電極を貼付し、24時間装着する。患者には行動記録票を渡し、起床・食事・入浴・運動・服薬・症状(動悸・胸痛・めまいなど)の時刻を記録してもらうことで、後日波形と症状の対応を解析できる。注意点は、入浴・シャワーは原則不可(防水機種は可)、強い電磁場(電気毛布・IH・MRI)の回避、電極が剥がれないよう汗をかきすぎない、衣服でこすらない、強い運動は機種に応じて確認、などが挙げられる。検出対象は心室期外収縮、心房細動、洞不全症候群、房室ブロック、ST変化(労作性・冠攣縮性狭心症)、QT延長など。最近は7日間〜2週間装着できるパッチ型や、植込み型ループレコーダーなど長期記録機器も普及している。
ホルター心電図は「日常生活下での24時間連続記録」が目的であることを軸に、電極装着部位・装着時間・電磁干渉の回避・行動記録の必要性を整理しておくことがポイント。
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