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胃カメラ前後の看護、押さえるべきポイント

看護師国家試験 第114回 午前 第42問 / 基礎看護学 / 診療に伴う看護技術

国試問題にチャレンジ

114回 午前 第42問

上部消化管内視鏡検査で適切なのはどれか。

  1. 1.検査前日の就寝前に緩下薬を内服する。
  2. 2.検査の12時間前から禁食とする。
  3. 3.検査時の体位は右側臥位とする。
  4. 4.終了直後から飲食は可能である。

対話形式の解説

博士 博士

今日は上部消化管内視鏡、いわゆる胃カメラのケアじゃ。患者役の学生君、検査の前日、何時から食事を止めたらいいと思う?

アユム アユム

えっと、当日の朝から抜けばいいんですか?

博士 博士

惜しい。実は前日21時以降が標準じゃ。検査の6〜12時間前からの絶食が原則じゃな。

アユム アユム

どうしてそんなに長く絶食するんですか?

博士 博士

胃の中に食べ物が残っておると、内視鏡の視野が妨げられて病変を見落とす危険がある。さらに検査中に嘔吐すれば誤嚥性肺炎を起こしかねん。

アユム アユム

水も飲めないんですか?

博士 博士

施設や医師の指示によるが、検査2〜3時間前までは少量の水やお茶ならOKという場合が多い。常用薬は朝、少量の水で内服可能か必ず確認じゃ。

アユム アユム

緩下薬は飲まなくていいんですよね?

博士 博士

上部消化管検査では不要じゃ。緩下薬は大腸を見る下部消化管検査の前処置。混同しないようにな。

アユム アユム

検査中の体位はどうですか?

博士 博士

左側臥位が標準じゃ。胃の解剖から、左を下にすると胃液や唾液が大彎側にたまり、咽頭側へ逆流しにくく誤嚥を防げる。

アユム アユム

右側臥位だとダメなんですね。検査後はすぐご飯を食べられますか?

博士 博士

それも要注意。咽頭にキシロカインなどの局所麻酔を使うから、麻酔が切れるまで飲食禁止。およそ1〜2時間後に少量の水を飲んでむせなければ食事再開じゃ。

アユム アユム

生検したときは何か追加の指導がありますか?

博士 博士

当日のアルコールや辛いもの、激しい運動を控えてもらう。出血のリスクを下げるためじゃな。鎮静薬を使った場合は判断力が低下しておるから、車の運転は禁止じゃ。

アユム アユム

経鼻内視鏡という方法もあると聞きました。

博士 博士

鼻から細いスコープを挿入する方法で、咽頭反射が少なく鎮静薬を使わなくて済むことが多い。ただし鼻出血のリスクがあるので、検査後の鼻汁の色は観察ポイントじゃ。

アユム アユム

絶食、左側臥位、検査後の禁飲食…前処置から検査後まで看護のチェックポイントが多いんですね。

POINT

上部消化管内視鏡検査では、視野確保と誤嚥防止のため、検査の6〜12時間前から絶食を行い、前日21時以降の食事を控えるのが標準的です。検査時は左側臥位とし、唾液や胃液による誤嚥や逆流を防ぎながらスコープを挿入します。咽頭麻酔を使用するため、検査後は麻酔が切れる1〜2時間後まで飲食を禁止し、少量の水から再開して嚥下機能を確認します。生検や鎮静薬使用時には追加の生活制限があるため、看護師は検査前のオリエンテーションから検査後の観察まで、根拠を踏まえた一貫した支援を提供する必要があります。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:上部消化管内視鏡検査で適切なのはどれか。

解説:正解は 2 です。上部消化管内視鏡検査(食道・胃・十二指腸を観察する検査)では、視野確保と誤嚥予防の観点から、検査前に胃を空にしておく必要があります。一般的には検査の6〜12時間前から絶食とし、前日21時以降は食事を控える指示が出されることが多いです。胃内に食物残渣が残っていると、病変を見落とす原因となるほか、検査中に嘔吐した際の誤嚥性肺炎のリスクも高まるため、確実な禁食指導が重要です。

選択肢考察

  1. × 1.  検査前日の就寝前に緩下薬を内服する。

    緩下薬による腸管前処置を行うのは、大腸を観察する下部消化管内視鏡検査(大腸内視鏡)である。上部内視鏡では大腸内容物の有無は視野に影響せず、緩下薬の内服は不要。

  2. 2.  検査の12時間前から禁食とする。

    胃内容物が残っていると視野が妨げられ、病変の見落としや誤嚥のリスクが生じる。一般に6〜12時間の絶食が推奨され、前日21時以降の食事制限が標準的である。

  3. × 3.  検査時の体位は右側臥位とする。

    検査体位は左側臥位が標準。胃の解剖学的位置から、左側臥位は胃の大彎側に唾液や胃液がたまりやすく、誤嚥リスクと胃酸逆流を抑え、内視鏡操作もスムーズに行える。

  4. × 4.  終了直後から飲食は可能である。

    咽頭・鼻腔への局所麻酔を使用するため、麻酔が切れるまで飲食は不可。一般に検査後1〜2時間は禁飲食とし、嚥下機能を確認した後に少量の水から再開する。

前処置では消泡薬(ジメチコン)や粘液除去薬(プロナーゼ)を含む水剤を内服し、観察視野をクリアにする。生検(組織採取)を行った場合は、出血リスクを避けるため当日のアルコールや刺激物、激しい運動を控える指示が追加される。鎮静薬(ミダゾラムなど)を使用した場合は覚醒後も判断力低下が続くため、当日の自動車運転は禁止である。経鼻内視鏡では咽頭反射が少なく鎮静薬を要さない場合が多いが、鼻出血の有無は要観察である。

上部消化管内視鏡検査における前処置(絶食)、検査中体位、検査後の飲食制限など、看護師が把握しておくべき検査管理のポイントを問う問題。