パルスオキシメータの装着部位
看護師国家試験 第105回 午前 第84問 / 基礎看護学 / 診療に伴う看護技術
国試問題にチャレンジ
パルスオキシメータによる経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉の測定に適した部位はどれか。2つ選べ。
- 1.背部
- 2.上腕
- 3.指先
- 4.耳たぶ
- 5.大腿部
対話形式の解説
博士
今日はパルスオキシメータの装着部位じゃ。原理を理解すれば答えは自然にわかるぞ。
アユム
原理って2種類の光を使うんでしたっけ?
博士
その通り。赤色光の660nmと赤外光の940nmを組織に当て、酸素化ヘモグロビンと脱酸素化ヘモグロビンの光吸収差、さらに動脈拍動による吸光変化から酸素飽和度を算出するんじゃ。
アユム
だから光が透過する薄い部位じゃないといけないんですね。
博士
そう。一般的には厚さ6〜18mm程度の部位が推奨される。指先と耳たぶが標準じゃ。
アユム
背部や上腕、大腿は厚すぎて透過しないんですね。
博士
その通り。骨や筋肉が多すぎて光が届かず、拍動成分も検知できん。
アユム
指先が測定できないときはどうしますか?
博士
足趾や耳たぶに変更する。末梢循環が悪いときは耳たぶのほうがよく拾えることもあるぞ。
アユム
測定誤差の原因には何がありますか?
博士
マニキュア、特に黒・青・緑は誤差の原因になる。体動、末梢循環不全、低体温、強い外光もじゃな。
アユム
一酸化炭素中毒のときはどうなりますか?
博士
COとヘモグロビンの結合体COHbを酸素化Hbと区別できないため、実際は低酸素でもSpO₂が偽高値になる。油断禁物じゃ。
アユム
正常値は96〜99%でしたよね?
博士
そう。90%以下は低酸素血症、PaO₂でいうと60Torr以下に相当する。
アユム
COPDの人では注意が必要ですか?
博士
CO₂ナルコーシスを起こしやすいから、高濃度酸素を漫然と投与せず、SpO₂90%前後を目標にすることがある。
アユム
長時間装着の注意点は?
博士
プローブによる皮膚障害や低温熱傷に注意し、定期的に装着部位を変えるんじゃ。
POINT
パルスオキシメータは2波長光と拍動検知で酸素飽和度を測る。測定には薄く拍動のある部位が必要で、指先と耳たぶが適する。マニキュアや末梢循環不全、CO中毒などは誤差の原因となるため、測定値だけでなく患者の全身状態と併せて評価する。
解答・解説
正解は 3 ・ 4 です
問題文:パルスオキシメータによる経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉の測定に適した部位はどれか。2つ選べ。
解説:正解は 3 と 4 です。パルスオキシメータは赤色光(660nm)と赤外光(940nm)の2波長を組織に当て、酸素化ヘモグロビンと脱酸素化ヘモグロビンの光吸収差および拍動成分から動脈血酸素飽和度を非侵襲的に算出する装置です。測定には光が組織を透過する必要があるため、厚さがおよそ6〜18mmで動脈拍動を検知できる部位が適しています。具体的には手足の指先と耳たぶが標準的な装着部位です。
選択肢考察
-
× 1. 背部
背部は厚みがありすぎて光が透過せず、骨や筋肉の影響で拍動成分を検知できません。
-
× 2. 上腕
上腕は太すぎて光が透過できないため、標準的なプローブでは測定できません。
-
○ 3. 指先
指先は厚みが適切で末梢動脈の拍動が明瞭に検知でき、最も一般的な装着部位です。
-
○ 4. 耳たぶ
耳たぶも薄く光が透過しやすく、専用プローブで測定可能です。四肢の血流が悪いときにも使えます。
-
× 5. 大腿部
大腿部は厚みがありすぎて光が透過せず測定不能です。
測定誤差の原因として、マニキュア(特に黒・青・緑)、体動、末梢循環不全、低体温、強い外光、一酸化炭素中毒(COHb上昇でSpO₂が偽高値)、メトヘモグロビン血症などがあります。爪白癬でも誤差が出ることがあります。SpO₂の正常値は96〜99%で、90%以下は低酸素血症を示唆します。COPDなどCO₂ナルコーシスを起こしやすい患者では90%前後を目標とする場合があり、漫然とした高濃度酸素投与は避けます。装着時はプローブ位置を定期的に変え、皮膚障害や熱傷を予防します。
パルスオキシメータの測定原理(2波長の光吸収差と拍動成分検知)から、光が透過できる末梢部位を選べるかが問われている。
「診療に伴う看護技術」の関連記事
-
改訂水飲みテストの正解は「呼吸を見る」 ―誤嚥スクリーニングを使い分ける
改訂水飲みテストの実施方法(冷水3mL・口腔底注入・5段階評価)と評価項目(嚥下、呼吸状態、湿性嗄声、反復嚥下)…
114回
-
ホルター心電図のミソ ―普段通り生活しつつ電磁波を避ける
ホルター心電図は「日常生活下での24時間連続記録」が目的であることを軸に、電極装着部位・装着時間・電磁干渉の回…
114回
-
新鮮凍結血漿の温度管理―凝固因子を守る30〜37℃のルール
新鮮凍結血漿の取り扱い(融解温度・使用期限・保管条件・輸血セット)を問う問題。30〜37℃で融解し速やかに使用する…
114回
-
胃カメラ前後の看護、押さえるべきポイント
上部消化管内視鏡検査における前処置(絶食)、検査中体位、検査後の飲食制限など、看護師が把握しておくべき検査管…
114回
-
成人の骨髄穿刺はどこを刺す? 〜後腸骨稜が第一選択になる理由〜
成人骨髄穿刺の第一選択部位(後腸骨稜)と、混同されやすい腰椎穿刺・胸骨穿刺の部位の違いを問う問題。
114回