心電図の肢誘導と胸部誘導を区別する
看護師国家試験 第108回 午前 第85問 / 基礎看護学 / 診療に伴う看護技術
国試問題にチャレンジ
心電図検査における肢誘導はどれか。2つ選べ。
- 1.I
- 2.V 1
- 3.V 2
- 4.V 3R
- 5.a V R
対話形式の解説
博士
12誘導心電図は全部で12種類の誘導があるね。どのように分かれているか覚えているかな?
サクラ
四肢誘導と胸部誘導ですよね。
博士
その通り。肢誘導はI・II・III・aVR・aVL・aVFの6つ、胸部誘導はV1〜V6の6つ、合計12誘導だ。
サクラ
選択肢では1のIと5のaVRが肢誘導ですね。
博士
正解!Iは右手と左手の電位差を記録する双極肢誘導で左室側壁を、aVRは右肩方向から心臓を見る単極肢誘導だよ。
サクラ
V1、V2は胸部誘導ですか?
博士
そう。V1は第4肋間胸骨右縁、V2は第4肋間胸骨左縁。中隔や右室、前壁を観察するんだ。
サクラ
V3Rは聞いたことがありません。
博士
右側胸部誘導で、V3の位置の反対側に装着する。右室梗塞の診断に使う特殊な胸部誘導で、肢誘導ではないよ。
サクラ
肢誘導と胸部誘導で何が違うんですか?
博士
肢誘導は前額面の電気軸、胸部誘導は水平面の電気活動を記録する。つまり心臓を見る角度が違うんだ。
サクラ
各誘導が見る心筋領域も覚えた方がいいですか?
博士
重要だよ。II・III・aVFは下壁、I・aVLは側壁、V1〜V2は中隔、V3〜V4は前壁、V5〜V6は側壁。STEMIの部位診断に直結するからね。
サクラ
aVRに特別な意味はありますか?
博士
近年、aVRでST上昇がみられると左冠動脈主幹部病変や多枝病変を疑うことが知られていて、無視できない誘導になっている。
サクラ
電極装着の色の順番は?
博士
赤(右手)・黄(左手)・緑(左足)・黒(右足・アース)。語呂で「あきみどろ」と覚える人も多いよ。
サクラ
整理するとスッと入ってきました。
POINT
12誘導心電図は肢誘導I・II・III・aVR・aVL・aVFと胸部誘導V1〜V6の計12誘導から構成されます。肢誘導は前額面、胸部誘導は水平面を反映します。V1〜V6や右側誘導V3Rはすべて胸部誘導で肢誘導ではありません。各誘導と心筋領域の対応を覚えておくと梗塞部位の判読に役立ちます。
解答・解説
正解は 1 ・ 5 です
問題文:心電図検査における肢誘導はどれか。2つ選べ。
解説:正解は 1 と 5 です。標準12誘導心電図の肢誘導(四肢誘導)は双極肢誘導I・II・IIIと単極肢誘導aVR・aVL・aVFの計6誘導で、前額面の電気軸を記録します。残る6つは胸部誘導V1〜V6です。
選択肢考察
-
○ 1. I
I誘導は右手(−)と左手(+)の電位差を記録する双極肢誘導で、左室側壁の情報を反映します。肢誘導です。
-
× 2. V 1
V1は第4肋間胸骨右縁に装着する胸部誘導で、右室・心室中隔を観察します。肢誘導ではありません。
-
× 3. V 2
V2は第4肋間胸骨左縁に装着する胸部誘導で、心室中隔・前壁を観察します。肢誘導ではありません。
-
× 4. V 3R
V3Rは右側胸部誘導で、V3の位置の反対側(胸骨右縁と右鎖骨中線の中点)に装着します。右室梗塞の診断に用いる胸部誘導の一種で、肢誘導ではありません。
-
○ 5. a V R
aVRは右手を探査電極とする単極肢誘導(増幅単極肢誘導)で、心臓を右肩方向から観察します。肢誘導に分類されます。
肢誘導は前額面、胸部誘導は水平面の電気活動を記録します。各誘導が反映する心筋領域は、II・III・aVF=下壁、I・aVL=側壁、V1〜V2=中隔、V3〜V4=前壁、V5〜V6=側壁。aVRは通常ST上昇すると左主幹部病変を疑う特殊な誘導として近年重視されています。電極装着は右手:赤、左手:黄、左足:緑、右足(アース):黒の順に覚えます。
12誘導心電図の肢誘導(I・II・III・aVR・aVL・aVF)と胸部誘導(V1〜V6)を区別できるかを問う基礎問題です。
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