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共同意思決定(SDM)を整理しよう

看護師国家試験 第113回 午前 第64問 / 基礎看護学 / 看護の基本となる概念

国試問題にチャレンジ

113回 午前 第64問

患者とその家族や医療者が患者にとって望ましい治療を探り、お互いが納得する治療を選択できるようにしていくのはどれか。

  1. 1.心理教育
  2. 2.共同意思決定
  3. 3.ストレングス
  4. 4.アドヒアランス

対話形式の解説

博士 博士

今回は意思決定支援の用語に関する問題じゃ。選択肢を見てどれが正解か分かるかのう?

アユム アユム

設問の「お互いが納得する治療を選択」というところから、共同意思決定だと思います。

博士 博士

その通りじゃ。SDMはShared Decision Makingの略で、医療者と患者・家族が一緒に治療を選ぶプロセスじゃな。

アユム アユム

インフォームド・コンセントとは違うのですか?

博士 博士

良い質問じゃ。ICは医療者が情報を提供し患者が同意するのが中心じゃが、SDMは患者の価値観も積極的に取り込む双方向性が強いのが特徴じゃ。

アユム アユム

では心理教育はどう違うのでしょう?

博士 博士

心理教育は疾病や対処法の知識を提供して適応を助ける教育的支援じゃ。治療選択の合意形成そのものとは目的が異なるのう。

アユム アユム

ストレングスとアドヒアランスもまぎらわしいです。

博士 博士

ストレングスは強みに着目する視点、アドヒアランスは決まった治療に主体的に取り組む行動じゃ。選択の「過程」を問うているのはSDMだけじゃな。

アユム アユム

エクイポイズという言葉も出てきましたが、これは?

博士 博士

複数の選択肢に科学的な優劣がつきにくい状況のことじゃ。そのような場合こそ患者の価値観を踏まえるSDMが活きるのじゃよ。

アユム アユム

なるほど、概念同士を区別して覚えるのが大切ですね。

POINT

本問はSDMの定義そのものを問う基本問題です。SDMは医療者と患者・家族が情報と価値観を共有し合意形成を行うプロセスを指します。類似概念の心理教育・ストレングス・アドヒアランスはそれぞれ教育的支援・強みの活用・治療継続行動を示し、意思決定の過程を表す用語ではありません。SDMとICの違いや、エクイポイズ下で特に意義が増す点も押さえておきましょう。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:患者とその家族や医療者が患者にとって望ましい治療を探り、お互いが納得する治療を選択できるようにしていくのはどれか。

解説:正解は2の共同意思決定です。共同意思決定(Shared Decision Making:SDM)は、医療者が専門的情報を提示し、患者本人や家族が価値観・生活背景を持ち寄り、双方が協議しながら最適な治療方針を導き出すプロセスを指します。治療の選択場面で患者の主体性と医療の質の両立を図る概念であり、設問文の定義とそのまま一致します。

選択肢考察

  1. × 1.  心理教育

    心理教育とは、疾患や障害をもつ本人や家族に病気の知識や対処技法を提供し、生活への適応を支援する教育的アプローチです。治療方針を協議して選ぶ行為そのものではないため適切ではありません。

  2. 2.  共同意思決定

    共同意思決定(SDM)は、患者・家族・医療者が情報と価値観を共有し、合意形成のうえで治療方針を決めるプロセスです。設問の「お互いが納得する治療を選択できるようにしていく」という記述と合致するため正解です。

  3. × 3.  ストレングス

    ストレングスは患者本人や周囲環境が持つ強み・長所・資源に着目し、それを支援に活用する視点のことです。治療選択のプロセスそのものを指す用語ではありません。

  4. × 4.  アドヒアランス

    アドヒアランスは、患者が納得のうえで主体的に治療計画を継続することを表す概念です。治療が決定したあとの実行段階を指す用語であり、意思決定の過程そのものを示すものではありません。

SDMは選択肢が複数あり科学的に優劣が明確でない「エクイポイズ」の状況で特に有用とされます。インフォームド・コンセントが医療者からの情報提供を軸とするのに対し、SDMは患者側の価値観の共有まで含めて双方向性を重視する点が大きな違いです。

SDM(共同意思決定)の定義を、類似概念である心理教育・ストレングス・アドヒアランスと鑑別できるかを問う設問です。