老人性難聴の聴こえ方を学ぶ
看護師国家試験 第113回 午後 第49問 / 老年看護学 / 高齢者に特有な症候・疾患・障害と看護
国試問題にチャレンジ
老人性難聴(presbyacusis)の特徴はどれか。
- 1.両側性に生じる。
- 2.混合性難聴である。
- 3.低音域が障害される。
- 4.外耳の障害によって起こる。
対話形式の解説
博士
今日は老人性難聴の特徴を整理するぞ。
サクラ
高齢の方が耳が遠くなるのはよく見かけます。
博士
どの部位の障害かわかるか?
サクラ
内耳の有毛細胞が関係していた気がします。
博士
正解じゃ。蝸牛の基底回転から傷んでいくのじゃ。
サクラ
だから高音から聞こえにくくなるのですね。
博士
その通り。低音は比較的保たれるぞ。
サクラ
片耳だけ進むこともあるのでしょうか。
博士
老人性難聴は基本的に両側対称性じゃ。片側だけ急に進むなら別疾患を疑うのじゃ。
サクラ
混合性難聴になるのですか?
博士
いや、病変は内耳と聴神経中心だから感音難聴に分類されるぞ。
サクラ
リクルートメント現象という言葉も聞きました。
博士
うむ、小さい音は聞こえず大きな音はうるさく響く現象じゃな。
サクラ
大声で話せば通じるわけではないのですね。
博士
そうじゃ。低めのトーンで正面からゆっくり話すのが基本じゃ。
サクラ
補聴器の活用や環境調整も大事ですね。
POINT
老人性難聴は内耳有毛細胞などの加齢性変性による感音難聴で、両側性に高音域から進行します。リクルートメント現象や語音弁別能低下を伴うため、大声でなく落ち着いたトーンで正面から話しかける、静かな環境を整えるなどの工夫が必要です。補聴器導入と併せてコミュニケーション支援を行いましょう。
解答・解説
正解は 1 です
問題文:老人性難聴(presbyacusis)の特徴はどれか。
解説:正解は1の「両側性に生じる」です。老人性難聴は内耳蝸牛の有毛細胞、らせん神経節細胞、血管条などが加齢とともに変性することで起こる感音難聴で、加齢は左右の耳に等しく影響するため両側対称性に進行するのが典型です。高音域から徐々に聴力が低下するため、子音の聞き取りが悪くなり会話理解が困難になります。
選択肢考察
-
○ 1. 両側性に生じる。
加齢変化は左右の内耳に同等に及ぶため、両側対称性にゆっくりと進行する感音難聴となります。片側のみ急速に進行する場合は他疾患を疑います。
-
× 2. 混合性難聴である。
病変は主に内耳と中枢聴覚路にあり、感音難聴に分類されます。伝音障害と感音障害が併存する混合性難聴とは異なります。
-
× 3. 低音域が障害される。
蝸牛基底回転の有毛細胞から先に障害されるため、高音域から聴力低下が始まります。低音域は比較的保たれるのが特徴です。
-
× 4. 外耳の障害によって起こる。
外耳や中耳の加齢変化ではなく、内耳・聴神経の変性が本態です。外耳道閉塞などが合併すると伝音性要素が加わることもあります。
老人性難聴ではリクルートメント現象(小さい音は聞こえず大きい音はうるさく響く)を伴い、語音弁別能も低下します。補聴器装用のほか、正面から少しゆっくり低めのトーンで話す、騒音を減らすなど環境調整が有用です。
感音難聴としての老人性難聴の特徴(両側性・高音域優位)を理解しているかを問う問題です。
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