アドバンスディレクティブを理解しよう
看護師国家試験 第103回 午前 第59問 / 老年看護学 / 老年看護の基本
国試問題にチャレンジ
高齢者が自身の終末期における生き方や死の迎え方の意向を表示する方法としてのアドバンスディレクティブ〈事前指示〉について正しいのはどれか。
- 1.法的な拘束力がある。
- 2.代理人を指名できない。
- 3.口頭や文書で意思表示できる。
- 4.財産の管理者の指定ができる。
対話形式の解説
博士
今日はアドバンスディレクティブについて学ぶぞ。
サクラ
どんな概念ですか?
博士
将来判断能力を失った際に行われる医療行為について、本人があらかじめ意思表示しておく事前指示じゃ。
サクラ
どの選択肢が正解ですか?
博士
3の口頭や文書で意思表示できるが正解じゃ。文書化が推奨されるが口頭表明も含まれる。
サクラ
1の法的拘束力はありますか?
博士
日本では法的拘束力はなく、本人の意思を尊重する指針じゃ。
サクラ
2の代理人を指名できないは?
博士
代理人指示として医療判断代理人を指名できるから誤りじゃ。
サクラ
4の財産管理者の指定は?
博士
アドバンスディレクティブは医療行為のみが対象で、財産管理は成年後見制度の領域じゃ。
サクラ
リビングウィルとの違いは?
博士
リビングウィルは治療内容に関する事前指示で、アドバンスディレクティブはそれに代理人指示を加えた広い概念じゃ。
サクラ
ACPとは何ですか?
博士
アドバンス・ケア・プランニング、人生会議じゃ。本人・家族・医療者が継続的に話し合うプロセスじゃ。
サクラ
2018年の厚労省ガイドラインで強調されましたね。
博士
そう、人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスのガイドラインで明示された。
サクラ
看護師の役割は?
博士
本人の価値観を引き出し、家族と医療者の橋渡しをすることじゃ。
サクラ
早期からの対話が大切ですね。
博士
元気なうちから繰り返し話し合うのがACPの本質じゃ。
POINT
アドバンスディレクティブは判断能力喪失時の医療意向を口頭または文書で示す事前指示で、リビングウィルと代理人指示を含みます。日本では法的拘束力はなく財産管理も対象外です。ACPの考え方とともに、看護師は本人の価値観を引き出し医療者・家族間の橋渡しを担います。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:高齢者が自身の終末期における生き方や死の迎え方の意向を表示する方法としてのアドバンスディレクティブ〈事前指示〉について正しいのはどれか。
解説:正解は3です。アドバンスディレクティブは将来判断能力を失った際に行われる医療行為に関して、本人があらかじめ意思表示しておく事前指示で、口頭でも文書でも表示が可能です。具体的には延命治療の選択(リビングウィル)と医療判断代理人の指名(代理人指示)の2つの内容を含みます。
選択肢考察
-
× 1. 法的な拘束力がある。
日本ではアドバンスディレクティブに法的拘束力はなく、本人の希望を尊重するための指針として位置づけられています。
-
× 2. 代理人を指名できない。
アドバンスディレクティブには代理人指示が含まれており、本人が判断不能になった際に医療判断を委ねる代理人を指名できます。
-
○ 3. 口頭や文書で意思表示できる。
意思表示の手段は口頭でも文書でも可能ですが、確実性のため文書化が推奨されます。エンディングノートやリビングウィル文書、医療判断代理委任状が代表例です。
-
× 4. 財産の管理者の指定ができる。
アドバンスディレクティブは医療行為に関する事前指示であり、財産管理は対象外です。財産管理は成年後見制度や任意後見制度で扱われます。
アドバンスディレクティブにはリビングウィル(治療内容に関する事前指示)と代理人指示(医療判断代理人の指名)の2種類があります。さらに発展した概念がアドバンス・ケア・プランニング(ACP、人生会議)で、本人・家族・医療者が継続的に話し合いながら意向を共有していくプロセスです。日本では2018年に厚生労働省が「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」を改訂し、ACPの重要性を明記しました。
アドバンスディレクティブの定義と内容、法的位置づけを理解しているかを問う問題です。
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