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養護者による高齢者虐待の実態

看護師国家試験 第111回 午後 第54問 / 老年看護学 / 多様な場で生活する高齢者の看護

国試問題にチャレンジ

111回 午後 第54問

令和元年度(2019年度)「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査」の結果において、養護者による高齢者虐待に関する説明で正しいのはどれか。

  1. 1.夫による虐待が最も多い。
  2. 2.被虐待者の9割が女性である。
  3. 3.心理的虐待が全体の6割を占めている。
  4. 4.被虐待者の認知症高齢者の日常生活自立度判定基準はランクⅡが最も多い。

対話形式の解説

博士 博士

今日は令和元年度の高齢者虐待調査について確認しよう。

アユム アユム

高齢者虐待って身近に起こるんですね。

博士 博士

そうなんだ。特に同居家族による虐待が問題になっている。

アユム アユム

この問題の正解は?

博士 博士

正解は4、認知症高齢者の日常生活自立度判定基準はランクⅡが最多という選択肢だよ。

アユム アユム

具体的にはどんな割合ですか?

博士 博士

ランクⅡが約35%、Ⅲが約25%、Ⅰが約18%で、ランクⅡ以上が7割を超えているんだ。

アユム アユム

選択肢1の夫による虐待は?

博士 博士

虐待者で一番多いのは息子で約40%。夫は約21%で2位だよ。

アユム アユム

息子が最多というのは意外です。

博士 博士

独身や無職の息子が介護者となりストレスを抱えやすいことが背景にある。

アユム アユム

選択肢2の被虐待者9割女性は?

博士 博士

女性は約75%で、9割には達しない。多いけれど9割という数字は行き過ぎだね。

アユム アユム

選択肢3の心理的虐待6割は?

博士 博士

最多は身体的虐待で約67%、心理的虐待は約39%。割合が逆転しているね。

アユム アユム

虐待の種類は5つありましたね。

博士 博士

身体的、心理的、性的、経済的、そしてネグレクトの5種類。重複して計上されるので合計は100%を超えるんだよ。

アユム アユム

看護師としてできることは?

博士 博士

早期発見と市町村への通報、介護負担の軽減支援、認知症ケアの充実が大事なんだ。

POINT

令和元年度の調査では養護者虐待の虐待者は息子が最多、被虐待者は女性が約75%、虐待種別は身体的虐待が最多、被虐待者の認知症日常生活自立度はランクⅡが最多でした。認知症の進行と介護者の負担感が虐待発生と関連しており、早期発見と通報、介護負担軽減の支援が求められます。

解答・解説

正解は 4 です

問題文:令和元年度(2019年度)「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査」の結果において、養護者による高齢者虐待に関する説明で正しいのはどれか。

解説:正解は 4 です。令和元年度調査では、被虐待高齢者の認知症高齢者の日常生活自立度判定基準はランクⅡ以上が7割超を占め、その中で最多はランクⅡ(約35%)です。認知機能の低下が介護負担の増加と虐待発生に関連することを示しています。

選択肢考察

  1. × 1.  夫による虐待が最も多い。

    虐待者の続柄では息子が約40%と最多で、次いで夫が約21%です。同居する息子からの虐待が最多である点が特徴です。

  2. × 2.  被虐待者の9割が女性である。

    被虐待者のうち女性は約75%で、9割には達しません。女性が多いのは事実ですが、割合の数値に注意が必要です。

  3. × 3.  心理的虐待が全体の6割を占めている。

    虐待種別で最多は身体的虐待(約67%)で、心理的虐待は約39%にとどまります。複数種別の重複があるため合計は100%を超えます。

  4. 4.  被虐待者の認知症高齢者の日常生活自立度判定基準はランクⅡが最も多い。

    ランクⅡが約35%で最多、次いでランクⅢ約25%、ランクⅠ約18%です。認知症進行による介護困難感と虐待発生の関連が示唆されます。

高齢者虐待防止法(2006年施行)では、身体的・心理的・性的・経済的虐待とネグレクトの5種類を規定しています。発見者には市町村への通報努力義務(生命・身体に重大な危険があるときは通報義務)があります。認知症高齢者の日常生活自立度ランクⅡは「日常生活に多少の支障があり誰かの注意があれば自立できる」段階です。

高齢者虐待の実態調査における虐待者・被虐待者・虐待種別・認知症自立度の統計を正しく理解しているかを問う問題です。