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特養と老健、何が違う?——介護保険3施設の役割を整理する

看護師国家試験 第106回 午前 第59問 / 老年看護学 / 多様な場で生活する高齢者の看護

国試問題にチャレンジ

106回 午前 第59問

介護保険法で「入所する要介護者に対し、施設サービス計画に基づいて、入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話を行うことを目的とする施設」と規定されているのはどれか。

  1. 1.介護老人保健施設
  2. 2.介護老人福祉施設
  3. 3.介護療養型医療施設
  4. 4.介護療養型老人保健施設

対話形式の解説

博士 博士

今日は介護保険法の施設サービスを整理するぞ。国試定番のテーマじゃ。

サクラ サクラ

介護保険の施設って何種類あるんですか?

博士 博士

現在は3つじゃ。①介護老人福祉施設(特養)、②介護老人保健施設(老健)、③介護医療院。かつては④介護療養型医療施設もあったが2024年3月に廃止された。

サクラ サクラ

特養と老健、名前は似ていますがどう違うんですか?

博士 博士

目的が根本的に違うんじゃ。特養は『生活の場』、老健は『在宅復帰のための中間施設』じゃ。

サクラ サクラ

特養の定義、問題文に書かれていましたね。

博士 博士

そうじゃ。『入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話を行う』——これが介護保険法第8条第27項の特養の定義じゃ。

サクラ サクラ

つまり日常生活の支援がメインですね。

博士 博士

その通り。要介護3以上が原則で、終のすみかとして長期入所できる。

サクラ サクラ

老健はどう違うんですか?

博士 博士

老健は『看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話』が目的じゃ。リハビリと医療管理が中核で、在宅復帰を目指す。

サクラ サクラ

入所期間は限定されるんですか?

博士 博士

おおむね3〜6か月が想定されておる。在宅復帰率が評価指標に含まれておるから、ずっと入所する場所ではないんじゃ。

サクラ サクラ

介護医療院というのは新しい施設ですか?

博士 博士

2018年に創設された。長期療養が必要な要介護者に『医療』と『生活施設』の機能を一体的に提供する。廃止された介護療養型医療施設の後継じゃな。

サクラ サクラ

医療ニーズが高い方のための施設なんですね。

博士 博士

うむ。I型は医療ニーズ高、II型は中程度という区分がある。

サクラ サクラ

2024年に廃止された介護療養型医療施設はどんな施設だったんですか?

博士 博士

療養病床を持つ病院・診療所で、医療と介護を一体提供しておった。医療保険と介護保険のはざまで位置づけが曖昧だったため、介護医療院へ一本化されたんじゃ。

サクラ サクラ

『介護療養型老人保健施設』という選択肢もありましたね。

博士 博士

あれは介護療養型医療施設廃止への経過措置として創設された老健の一類型じゃ。医療・看護に重点を置いているが、今日の問題定義には合致せん。

サクラ サクラ

特養の入所要件が要介護3以上になったのはいつからですか?

博士 博士

2015年からじゃ。それまで要介護1以上だったが、特養の待機者問題を背景に重度者優先の方針になった。ただし特例で要介護1・2の入所も認められるケースがある。

サクラ サクラ

3施設の違いを『生活・リハビリ・医療』でざっくり分けると覚えやすいですね。

POINT

介護保険法の施設サービスは介護老人福祉施設(特養、生活の場)、介護老人保健施設(老健、在宅復帰のためのリハビリの場)、介護医療院(長期療養・生活施設)の3種類があります。本問の定義『入浴・排せつ・食事等の介護、機能訓練、健康管理、療養上の世話』は介護老人福祉施設のもので、介護保険法第8条第27項に規定されています。特養は2015年以降原則要介護3以上、老健は3〜6か月程度の中間施設として在宅復帰を目指します。介護療養型医療施設は2024年3月に廃止され介護医療院へ移行したことも覚えておきたい重要な改正点です。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:介護保険法で「入所する要介護者に対し、施設サービス計画に基づいて、入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話を行うことを目的とする施設」と規定されているのはどれか。

解説:正解は 2 です。介護保険法第8条第27項に定められる介護老人福祉施設(いわゆる特別養護老人ホーム、特養)の定義そのものである。2015年の法改正以降、原則として要介護3以上の高齢者を対象とし、日常生活支援と療養上の世話を中心に提供する生活施設である。

選択肢考察

  1. × 1.  介護老人保健施設

    介護老人保健施設(老健)は介護保険法第8条第28項に定められ、『看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療』を行う在宅復帰・在宅療養支援を目的とする施設である。リハビリテーション機能が中核である点が特養と異なる。

  2. 2.  介護老人福祉施設

    介護保険法第8条第27項の定義『入所する要介護者に対し、施設サービス計画に基づいて、入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話を行うことを目的とする施設』に合致する。いわゆる特養で、生活の場としての機能を持つ。

  3. × 3.  介護療養型医療施設

    療養病床を有する病院又は診療所として、医学的管理下の介護・療養を提供する施設であった。医療ニーズの高い要介護者が対象だったが、2024年3月末で完全廃止され、介護医療院へ移行した。

  4. × 4.  介護療養型老人保健施設

    介護療養型医療施設の廃止に伴って創設された経過的類型で、老健の中でも医療・看護に重点を置いたもの。本問の定義文には合致しない。

介護保険法の施設サービスは3つ(旧4つ)に整理される。①介護老人福祉施設(特養、要介護3以上、生活の場)、②介護老人保健施設(老健、要介護1以上、在宅復帰を目指すリハビリの場)、③介護医療院(2018年創設、長期療養と生活施設の機能を併せ持つ、介護療養型医療施設の後継)、(旧:介護療養型医療施設、2024年3月廃止)。特養は待機者が多く、原則要介護3以上に入所制限された経緯がある。老健は在宅復帰率が評価指標の一つで3〜6か月程度の入所が想定される。介護医療院はI型(医療ニーズ高)、II型(医療ニーズ中)に分かれる。

介護保険法に定める施設サービスの種類と、それぞれの目的・機能の違いを識別する問題。特養(生活の場)と老健(リハビリ・在宅復帰)の区別がポイント。