介護医療院ってなに? 〜医療と生活が同居する施設の正体〜
看護師国家試験 第114回 午前 第60問 / 老年看護学 / 多様な場で生活する高齢者の看護
国試問題にチャレンジ
介護医療院の説明で正しいのはどれか。
- 1.健康保険法に基づき設置される。
- 2.入所対象者は要介護3以上である。
- 3.要介護高齢者の長期療養・生活施設である。
- 4.看護職員数は入所者100人当たり3人である。
対話形式の解説
博士
今日は介護医療院について学ぶぞ。
アユム
介護医療院って2018年にできた新しい施設ですよね。
博士
その通り。長期療養が必要な要介護高齢者に「医療」と「生活」の両方を提供する介護保険施設じゃ。
アユム
どうして新たに作られたんですか?
博士
従来の介護療養型医療施設が、医療と生活の境界が曖昧だったため整理が求められたのじゃ。介護療養病床は2024年3月末で完全廃止された。
アユム
選択肢の「健康保険法に基づき設置される」というのは?
博士
誤りじゃ。介護医療院は介護保険法に基づく施設じゃ。介護保険3施設の一つに位置づけられる。
アユム
介護保険3施設って?
博士
介護老人福祉施設(特養)、介護老人保健施設(老健)、そして介護医療院じゃ。
アユム
それぞれの違いは?
博士
特養は要介護3以上が対象の生活施設、老健は在宅復帰を目指したリハビリ施設、介護医療院は長期療養+生活施設じゃ。
アユム
「入所対象者は要介護3以上」というのは?
博士
誤りじゃ。介護医療院は要介護1〜5が対象。要介護3以上を原則とするのは特養じゃ。
アユム
「要介護高齢者の長期療養・生活施設である」というのは?
博士
正解じゃ。日常的な医学管理、看取り、リハビリ、生活支援を一体的に提供する。
アユム
ターミナルケアもできるんですね。
博士
うむ、医師・看護師が常駐するため、慢性疾患の管理から看取りまで対応できる点が特徴じゃ。
アユム
「看護職員数は入所者100人当たり3人」というのは?
博士
誤りじゃ。看護職員の配置基準は入所者6人につき1人、6:1配置じゃ。100人なら17人程度必要になる。
アユム
I型とII型があるって聞きました。
博士
I型は医療必要度の高い者向けで介護療養病床相当、II型はやや低い者向けで老健相当じゃ。医師の配置数や対象者像が異なる。
アユム
看護師の役割はどうなりますか?
博士
病院のような治療優先ではなく、その人らしい生活と尊厳を支えるケアが中心じゃ。日常的医療管理、看取り、家族支援、多職種連携が重要な役割になる。
アユム
介護保険3施設を比較して覚えるといいんですね。
博士
その通り。目的、対象、人員基準を表で整理すると国試対策にも臨床にも役立つぞ。
POINT
介護医療院は2018年に介護保険法に基づき創設された介護保険施設で、長期療養が必要な要介護1〜5の高齢者に対し、医学管理下での介護、看取り、リハビリ、生活支援を一体的に提供します。要介護3以上を原則とする特別養護老人ホームや、在宅復帰を目指す介護老人保健施設とは異なり、「医療と生活の場の融合」をコンセプトに、住まいとしての機能を重視している点が特徴です。看護職員配置は入所者6人につき1人(6:1)であり、看取りや慢性疾患管理など高度な看護実践が求められます。介護保険3施設の違いを目的・対象・人員基準で整理して理解することが、国試対策と臨床現場の両方で重要です。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:介護医療院の説明で正しいのはどれか。
解説:正解は 3 です。介護医療院は介護保険法に基づき2018年に創設された介護保険施設で、長期療養が必要な要介護高齢者の「医療」と「生活」を一体的に提供する施設である。従来の介護療養型医療施設の機能を引き継ぎつつ、療養病床の代替機能として位置づけられた。日常的な医学管理、看取り・ターミナルケア、生活支援を併せ持つ点が特徴であり、住まいとしての機能を強く意識した施設類型となっている。
選択肢考察
-
× 1. 健康保険法に基づき設置される。
介護医療院は介護保険法に基づいて設置される介護保険施設であり、健康保険法ではない。
-
× 2. 入所対象者は要介護3以上である。
介護医療院の入所対象は要介護1〜5の認定を受けた者である。要介護3以上を原則とするのは介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の入所要件。
-
○ 3. 要介護高齢者の長期療養・生活施設である。
介護医療院は長期療養が必要な要介護高齢者に対し、医学管理下での介護、看取り、リハビリ、生活支援を一体的に提供する。「医療と生活の場の融合」をコンセプトとしている。
-
× 4. 看護職員数は入所者100人当たり3人である。
介護医療院(I型)の看護職員配置基準は入所者6人につき1人(6:1)。入所者100人なら最低17人程度が必要となる。
介護医療院にはI型(医療必要度の高い者向け、介護療養病床相当)とII型(医療必要度がやや低い者向け、老健相当)がある。I型では看護職員配置6:1、医師は入所者48名に1名、II型では看護職員配置6:1、医師は入所者100名に1名が基準。介護療養型医療施設は2024年3月末で完全廃止され、介護医療院や他の施設に転換された。介護保険3施設は(1)介護老人福祉施設(特養、要介護3以上、生活施設)、(2)介護老人保健施設(老健、在宅復帰目的、リハビリ重視)、(3)介護医療院(長期療養+生活)に整理されており、それぞれの目的・対象・人員配置を区別して覚えることが国試対策の要点。
介護医療院の根拠法(介護保険法)、対象(要介護1〜5)、機能(長期療養+生活)、人員基準を正しく理解しているかを問う問題。介護保険3施設の違いを整理することが重要。
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