高齢者の推定エネルギー必要量を押さえよう
看護師国家試験 第105回 午後 第71問 / 健康支援と社会保障制度 / 生活者の健康増進
国試問題にチャレンジ
日本人の食事摂取基準(2015年版)で、身体活動レベルⅠ、70歳以上の男性の1日の推定エネルギー必要量はどれか。
- 1.1,450kcal
- 2.1,850kcal
- 3.2,000kcal
- 4.2,200kcal
- 5.2,500kcal
対話形式の解説
博士
今日は日本人の食事摂取基準から、高齢者のエネルギー必要量について学ぼう。食事摂取基準とは何か分かるかな
サクラ
健康増進のために摂取すべきエネルギー量や栄養素の基準を定めたものですね
博士
その通り。健康増進法に基づき5年ごとに改定される。問題は2015年版じゃが、構造は新しい版でも共通じゃ
サクラ
身体活動レベルはどう分類されるのですか
博士
3段階に分かれる。Ⅰ(低い、1.50):生活の大部分が座位。Ⅱ(ふつう、1.75):座位中心だが通勤・家事・軽いスポーツを含む。Ⅲ(高い、2.00):移動や立位の多い仕事や活発な運動習慣じゃ
サクラ
推定エネルギー必要量の計算式はありますか
博士
基礎代謝量×身体活動レベル、という式じゃ。基礎代謝量は年齢・性別・体重で決まる
サクラ
今回の問題は身体活動レベルⅠ、70歳以上男性ですね
博士
この条件では1,850kcal/日が標準値じゃ。よって正解は2番じゃ
サクラ
レベルⅡやⅢだとどうなりますか
博士
同じ70歳以上男性でレベルⅡは2,200kcal、レベルⅢは2,500kcalじゃ。活動レベルが上がると約350kcalずつ増える計算になる
サクラ
他の選択肢は何歳の値ですか
博士
1,450kcalは6~7歳女児(レベルⅡ)、2,000kcalは30~49歳女性(レベルⅡ)などに相当する
サクラ
70歳以上女性ではどうですか
博士
70歳以上女性のレベルⅠは1,500kcal、レベルⅡは1,750kcal、レベルⅢは2,000kcalじゃ。男性より約350kcal少ないと覚えておくとよい
サクラ
高齢者の場合、フレイル予防の観点からも栄養は大切ですね
博士
その通りじゃ。高齢者は食欲低下や嚥下機能低下で摂取不足になりやすく、低栄養からサルコペニア・フレイルにつながる。タンパク質は特に意識して摂取することが推奨される
サクラ
2020年版や2025年版では何か変わりましたか
博士
2020年版では高齢者のフレイル予防のためタンパク質推奨量が引き上げられた。50歳以上で男性65g/日、女性50g/日以上が目標じゃ
サクラ
BMIも考慮されるのでしたね
博士
その通り。2015年版から目標BMIの範囲が示され、高齢者(65歳以上)ではフレイル予防の観点からBMI 21.5~24.9が目標とされている
サクラ
看護師はこの基準をどう活用するのですか
博士
患者の栄養指導や食事計画、病院食の献立作成の基準として使う。また退院後の在宅療養者や施設入所者の栄養管理にも活用するんじゃ
サクラ
70歳以上男性レベルⅠ=1,850kcalという数字を覚えておきます
POINT
日本人の食事摂取基準(2015年版)における身体活動レベルⅠ・70歳以上男性の推定エネルギー必要量は1,850kcal/日です。身体活動レベルは3段階(Ⅰ低い・Ⅱふつう・Ⅲ高い)で、同年代男性はⅡが2,200kcal、Ⅲが2,500kcalです。推定エネルギー必要量=基礎代謝量×身体活動レベルで算出され、高齢者のフレイル予防のためにはタンパク質摂取量にも注意が必要です。看護師は栄養指導・食事計画の基礎知識として押さえておきましょう。
解答・解説
正解は 2 です
問題文:日本人の食事摂取基準(2015年版)で、身体活動レベルⅠ、70歳以上の男性の1日の推定エネルギー必要量はどれか。
解説:正解は 2 です。日本人の食事摂取基準(2015年版)において、身体活動レベルⅠ(低い:生活の大部分が座位)、70歳以上男性の推定エネルギー必要量は1,850kcal/日です。同年代男性ではレベルⅡ(ふつう)が2,200kcal、レベルⅢ(高い)が2,500kcalと設定されています。
選択肢考察
-
× 1. 1,450kcal
1,450kcalは6~7歳女児で身体活動レベルⅡ(ふつう)相当のエネルギー量で、70歳以上男性の値ではありません。
-
○ 2. 1,850kcal
身体活動レベルⅠ・70歳以上男性の推定エネルギー必要量は1,850kcal/日です。座位中心の高齢男性の標準値として押さえておきます。
-
× 3. 2,000kcal
2,000kcalは30~49歳女性(レベルⅡ)などに相当するエネルギー量で、本設問の条件には当てはまりません。
-
× 4. 2,200kcal
2,200kcalは70歳以上男性でもレベルⅡ(ふつう)の値であり、設問のレベルⅠではありません。
-
× 5. 2,500kcal
2,500kcalは70歳以上男性のレベルⅢ(高い)に相当し、設問のレベルⅠではありません。
身体活動レベルは3段階:Ⅰ(低い、1.50):生活の大部分が座位。Ⅱ(ふつう、1.75):座位中心だが通勤・家事・軽いスポーツを含む。Ⅲ(高い、2.00):移動や立位の多い仕事、または活発な運動習慣。推定エネルギー必要量=基礎代謝量×身体活動レベルで算出します。日本人の食事摂取基準は5年ごとに改定され、2020年版、2025年版と続いています。
高齢者の推定エネルギー必要量の標準値と、身体活動レベルの区分を問う問題です。
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