集団指導と個別指導の使い分け
看護師国家試験 第107回 午後 第33問 / 健康支援と社会保障制度 / 生活者の健康増進
国試問題にチャレンジ
学習支援として、集団指導よりも個別指導が望ましいのはどれか。
- 1.小学生へのインフルエンザ予防の指導
- 2.塩分摂取量が多い地域住民への食事指導
- 3.ヒト免疫不全ウイルス< HIV >感染者への生活指導
- 4.3~4か月児健康診査に来た保護者への離乳食の指導
対話形式の解説
博士
学習支援には集団指導と個別指導があるが、違いを説明できるかのう?
サクラ
集団指導はまとめて、個別指導は一対一で、というイメージです
博士
その通りじゃ。ではそれぞれの長所は何じゃろう?
サクラ
集団指導は効率よく知識を共有できて、参加者同士が励まし合えることですか
博士
よく理解しておるな。一方で個別指導はどうじゃ?
サクラ
プライバシーが守られて、その人に合わせた細かい指導ができる点ですね
博士
さて問題じゃ。HIV感染者への生活指導はどちらがよいと思う?
サクラ
HIVは社会的な偏見もある病気ですし、性生活や服薬のこともあるので…個別指導ですね
博士
その通り。プライバシー保護の観点からも個別指導が第一選択じゃ
サクラ
逆に小学生へのインフルエンザ予防は?
博士
これは学校全体で手洗いや咳エチケットを広めたいから集団指導が向いておる
サクラ
塩分摂取が多い地域の食事指導や離乳食指導も、共通する内容なので集団指導なんですね
博士
その通りじゃ。テーマと対象の特性で使い分けるのが肝心じゃな
サクラ
正解は3のHIV感染者への生活指導ですね
POINT
集団指導は効率性と共感の促進、個別指導はプライバシー保護と個別性への対応が長所です。HIV感染者への生活指導は心理的・社会的配慮が不可欠なため個別指導が望ましく、一方で一般的な健康知識の普及は集団指導が有効です。看護師は対象者の特性とテーマに応じて両者を適切に選択・併用する力が求められます。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:学習支援として、集団指導よりも個別指導が望ましいのはどれか。
解説:正解は 3 です。HIV感染者への生活指導はプライバシーに強く配慮する必要があり、個々の生活背景やパートナーシップ、服薬状況なども踏まえた細やかな関わりが求められます。集団指導では対応が難しいため、個別指導が望ましいとされます。
選択肢考察
-
× 1. 小学生へのインフルエンザ予防の指導
手洗い・うがい・咳エチケットなど一般的な知識を広く啓発する内容であり、学校単位の集団指導が効率的です。
-
× 2. 塩分摂取量が多い地域住民への食事指導
地域全体の健康課題として共通する内容であり、住民対象の健康教室など集団指導で広く普及させることが適しています。
-
○ 3. ヒト免疫不全ウイルス< HIV >感染者への生活指導
社会的偏見や心理的負担を伴う疾患であり、プライバシー保護と個別の生活に沿った指導が不可欠のため、個別指導が最適です。
-
× 4. 3~4か月児健康診査に来た保護者への離乳食の指導
離乳食の進め方は多くの保護者に共通する内容であり、集団指導で基礎知識を伝え必要時に個別相談を加える方式が効率的です。
集団指導は仲間意識や情報の効率的普及に優れ、個別指導はプライバシー保護・個別性への対応・深い動機づけに優れます。両者はどちらが優れているというものではなく、対象者の特性とテーマに応じて組み合わせるのが原則です。性感染症、精神疾患、虐待、難病など機微な情報を扱うテーマでは個別指導が第一選択となります。
プライバシー配慮と個別性が重視される場面では個別指導、一般的知識の普及では集団指導が適している。
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