老人福祉計画を策定するのは誰?
看護師国家試験 第110回 午後 第87問 / 健康支援と社会保障制度 / 社会福祉の基本
国試問題にチャレンジ
老人福祉法に基づき老人福祉計画の策定をするのはどれか。2つ選べ。
- 1.国
- 2.市町村
- 3.都道府県
- 4.福祉事務所
- 5.後期高齢者医療広域連合
対話形式の解説
博士
今日は老人福祉法に基づく計画策定主体の問題じゃ。まず老人福祉計画とは何か分かるかの?
サクラ
高齢者向けの福祉サービス供給体制を整備するための計画ですね。
博士
その通り。老人福祉法第20条の8・9で定められておる。
サクラ
策定するのは市町村と都道府県なのですね。
博士
うむ。市町村は地域の高齢者に密着したサービス計画を、都道府県は広域的な体制確保計画を立てる。
サクラ
役割分担がはっきりしていますね。
博士
そうじゃ。市町村老人福祉計画は居宅サービスや施設サービスの具体的な供給量を決める。
サクラ
国は策定しないのですか?
博士
国は基本方針を示すだけで、具体的な計画は自治体が地域の実情に応じて作る。地方分権の考え方じゃ。
サクラ
福祉事務所はどうでしょう?
博士
福祉事務所は相談援助の現場機関で、計画策定の主体ではない。役割を混同しないように。
サクラ
後期高齢者医療広域連合はどうですか?
博士
これは後期高齢者医療制度の運営主体じゃな。医療保険料を集めて医療費を払う機関で、福祉計画は作らん。
サクラ
老人福祉計画と介護保険事業計画の関係は?
博士
一体的に策定するのが原則じゃ。3年を1期として介護保険計画と整合を図る。
サクラ
地域包括ケアの視点で重要ですね。
博士
その通り。高齢者施策は介護・医療・福祉を統合して考える必要があるのじゃ。
サクラ
しっかり覚えます。
POINT
老人福祉法に基づく老人福祉計画の策定主体は市町村と都道府県の2者です。市町村は地域密着型のサービス供給計画を、都道府県は広域的な支援計画を策定します。国は基本方針を示す立場で、福祉事務所や後期高齢者医療広域連合は計画策定主体ではありません。介護保険事業計画と一体的に作成され、地域包括ケア構築の根幹を成します。
解答・解説
正解は 2 ・ 3 です
問題文:老人福祉法に基づき老人福祉計画の策定をするのはどれか。2つ選べ。
解説:正解は 2 の市町村と 3 の都道府県です。老人福祉法により、市町村老人福祉計画および都道府県老人福祉計画の策定が義務づけられています。
選択肢考察
-
× 1. 国
国は老人福祉計画の策定主体ではなく、基本方針を示す立場です。介護保険事業の基本指針なども国が定めますが、計画そのものは自治体が策定します。
-
○ 2. 市町村
市町村は老人居宅生活支援事業や老人福祉施設の供給体制確保に関する『市町村老人福祉計画』を策定する義務があります。
-
○ 3. 都道府県
都道府県は市町村計画を広域的に支援する『都道府県老人福祉計画』を策定します。市町村をまたぐ体制整備を担います。
-
× 4. 福祉事務所
社会福祉法に基づき設置される現場機関で、相談・援護を行いますが、計画の策定主体ではありません。
-
× 5. 後期高齢者医療広域連合
後期高齢者医療制度の保険者で、医療保険の運営を担いますが、老人福祉計画の策定主体ではありません。
老人福祉計画は介護保険事業計画と一体的に策定することが多く、市町村は『市町村介護保険事業計画』、都道府県は『都道府県介護保険事業支援計画』と整合を図ります。計画期間は3年を1期とし、地域の高齢者人口やニーズを踏まえた供給体制を検討します。
老人福祉法における計画策定主体を正確に理解しているかを問う問題です。
「社会福祉の基本」の関連記事
-
難病法を読み解く 医療費助成は誰が認定する?
難病法に基づく特定医療費の支給認定主体と、関連する制度全体を把握しているかを問う問題。市町村ではなく都道府県…
114回
-
判断能力を支える「成年後見制度」のしくみ
成年後見制度における法定後見と任意後見の区別、申立て先(家庭裁判所)、地域生活支援事業との関係を正しく理解し…
114回
-
2021年制定の最新法律はどれだ?医療的ケア児支援法を読み解く
子ども・家庭関連法の制定年を比較し、最も新しいものを選ぶ問題。「医療的ケア児支援法(2021年)」が比較的新しい…
114回
-
「訪問」だらけで紛らわしい!障害者総合支援法のサービスを見抜く
「訪問」と名がつくサービスのうち、介護保険・医療保険のサービス(訪問介護・訪問看護・訪問リハ)と、障害者総合…
114回
-
生活保護の実務を担う機関
生活保護法の実施機関と各福祉関連機関の役割を区別できるかを問う、社会保障の基本問題です。
113回