予防接種はどの要素に作用するのか
看護師国家試験 第107回 午後 第34問 / 健康支援と社会保障制度 / 感染症と生活環境への対策
国試問題にチャレンジ
感染症の成立過程において、予防接種が影響を与える要素はどれか。
- 1.病原体
- 2.感染源
- 3.感染経路
- 4.宿主の感受性
対話形式の解説
博士
感染症が成立するには三つの要素が必要じゃ。覚えておるかのう?
アユム
えっと、感染源、感染経路、そして感受性のある宿主ですね
博士
完璧じゃ。この三つがそろって初めて感染が成立するんじゃよ
アユム
なるほど、どれか一つでも断ち切れば感染を防げるわけですね
博士
その通り。では予防接種はどの要素に働きかけておるかのう?
アユム
うーん、病原体を弱めて体に入れるから…病原体ですか?
博士
惜しいのう。確かに弱毒化した病原体を使うが、対象はそれを受け取る人の体じゃ
アユム
あ、体の中で免疫ができるから、宿主の感受性を下げるんですね
博士
その通りじゃ。免疫ができれば同じ病原体が入っても発症しにくくなる
アユム
感染源への対策は患者さんの隔離や消毒ですよね
博士
そうじゃ。そして感染経路への対策は手洗いやマスク、標準予防策じゃな
アユム
三要素にはそれぞれ対策があるんですね
博士
予防接種は感受性宿主対策の代表例じゃ。正解は4じゃ
アユム
定期接種と任意接種の区別も国試に出そうですね
POINT
感染症は感染源・感染経路・感受性宿主の三要素がそろって成立し、対策はこの連鎖を断ち切ることが原則です。予防接種は抗原を体内に取り込ませて免疫を獲得させ、宿主の感受性を低下させる介入です。三要素への対策の対応関係を整理して覚えることで、類題にも確実に対応できるようになります。
解答・解説
正解は 4 です
問題文:感染症の成立過程において、予防接種が影響を与える要素はどれか。
解説:正解は 4 です。感染症は「感染源」「感染経路」「感受性宿主」の三要素がそろって成立します。予防接種は弱毒化あるいは不活化した抗原を体内に取り込み、特異的な免疫を獲得させることで、宿主の感受性を下げる(免疫を付与する)働きを持ちます。
選択肢考察
-
× 1. 病原体
病原体そのものを消滅させるのは滅菌や消毒であり、予防接種が標的とする要素ではありません。
-
× 2. 感染源
感染源の除去は患者隔離や食品の加熱、手指衛生などで対応するものです。
-
× 3. 感染経路
感染経路の遮断はマスク着用、手洗い、標準予防策など経路別予防策によって行われます。
-
○ 4. 宿主の感受性
予防接種は免疫を獲得させ、病原体に曝露しても発症しにくい状態、つまり感受性を低下させる介入です。
感染成立の三要素への対策は、感染源対策(患者の隔離、消毒など)、感染経路対策(標準予防策、経路別予防策)、感受性宿主対策(予防接種、栄養・休養、易感染者の保護)に整理できます。定期接種(四種混合、BCG、麻疹風疹など)と任意接種(インフルエンザ、おたふくかぜなど)の区別も国試頻出です。
予防接種は感受性宿主に免疫を付与して発症を防ぐ介入であり、三要素のうち「宿主の感受性」に作用する。
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