自殺対策基本法で都道府県に義務付けられたものは?
看護師国家試験 第108回 午後 第31問 / 健康支援と社会保障制度 / 健康を支える職種に関する法や施策
国試問題にチャレンジ
自殺対策基本法で都道府県に義務付けられているのはどれか。
- 1.自殺総合対策推進センターの設置
- 2.自殺総合対策大綱の策定
- 3.ゲートキーパーの養成
- 4.自殺対策計画の策定
対話形式の解説
博士
今日は自殺対策基本法について学ぼう。平成18年に制定され、平成28年に大きく改正された法律じゃ。
サクラ
博士、正解はどれですか?
博士
正解は4の『自殺対策計画の策定』じゃ。平成28年の改正で都道府県と市町村に計画策定が義務付けられた。
サクラ
なぜ改正されたんですか?
博士
日本の自殺者数は2000年以降3万人を超える時期が続いた。国任せでは限界があり、地域の実情に合わせた対策が必要という認識から、地方自治体レベルでの計画策定が義務化されたんじゃ。
サクラ
選択肢1の自殺総合対策推進センターの設置は?
博士
これは国レベルの組織じゃ。現在は『いのち支える自殺対策推進センター』と呼ばれ、地域自殺対策推進センターへの技術支援などを担う。都道府県に義務はない。
サクラ
選択肢2の自殺総合対策大綱の策定は?
博士
大綱は政府(内閣)が策定する国の指針じゃ。おおむね5年ごとに見直しが行われ、国全体の方向性を示すもので、都道府県の責務ではない。
サクラ
選択肢3のゲートキーパー養成は?
博士
ゲートキーパーは自殺総合対策大綱の重点施策として推進されておるが、自殺対策基本法で都道府県に直接義務付けられてはおらん。大綱由来の施策じゃ。
サクラ
ゲートキーパーとは何ですか?
博士
自殺のサインに気づき、声をかけ、話を聞き、必要な支援につなぎ、見守る役割を担う人材じゃ。教職員・保健師・看護師・ケアマネジャー・民生委員など幅広い職種が対象になる。
サクラ
看護師もゲートキーパーなんですね。
博士
そうじゃ。医療現場で希死念慮を訴える患者や、それを示唆するサインに接する機会は多い。傾聴と適切な多職種連携が大事じゃ。
サクラ
自殺対策計画にはどんな内容が盛り込まれるんですか?
博士
地域の自殺の実態分析、対象別(若者・高齢者・勤労世代)の対策、相談体制、ゲートキーパー養成、遺族支援など、地域特性を踏まえた施策じゃ。
サクラ
最近の大綱の特徴は?
博士
令和4年改定では、コロナ禍での自殺増、特に女性や若者の増加を踏まえた対策強化、孤独・孤立対策との連携が盛り込まれた。
サクラ
国・都道府県・市町村の役割分担を整理すると?
博士
国は大綱策定、都道府県と市町村は計画策定と地域実践、推進センターは技術支援、ゲートキーパーは現場対応、じゃな。
サクラ
役割分担がわかりました。自殺対策基本法=都道府県の義務は『計画策定』、しっかり覚えます。
POINT
自殺対策基本法は平成28年改正により、都道府県および市町村に自殺対策計画の策定を義務付けました。自殺総合対策大綱は政府、推進センターは国、ゲートキーパー養成は大綱由来の施策と、国・都道府県・市町村の役割分担を区別することが重要です。看護師は医療現場でゲートキーパーとしての役割を担い、希死念慮のアセスメントや多職種連携を通じて自殺予防に貢献します。
解答・解説
正解は 4 です
問題文:自殺対策基本法で都道府県に義務付けられているのはどれか。
解説:正解は 4 です。自殺対策基本法(平成18年制定、平成28年改正)は、自殺の防止と遺族等への支援を目的とする法律です。平成28年改正により、第13条で『都道府県は、自殺総合対策大綱及び地域の実情を勘案して、当該都道府県の区域内における自殺対策についての計画を定めるものとする』と規定され、全ての都道府県および市町村に自殺対策計画の策定が義務付けられました。これにより、地域の実情に応じた実践的な自殺対策の推進が図られています。
選択肢考察
-
× 1. 自殺総合対策推進センターの設置
自殺総合対策推進センター(現・いのち支える自殺対策推進センター)は国レベルの組織で、都道府県に設置義務はありません。地域自殺対策推進センターへの技術的支援などを担います。
-
× 2. 自殺総合対策大綱の策定
自殺総合対策大綱は政府(内閣)が策定する国レベルの指針で、おおむね5年ごとに見直されます。都道府県ではなく国の責務です。
-
× 3. ゲートキーパーの養成
ゲートキーパー養成は自殺総合対策大綱の重点施策として推進されていますが、自殺対策基本法で都道府県に直接義務付けられた事項ではありません。
-
○ 4. 自殺対策計画の策定
平成28年改正で第13条に明記され、都道府県および市町村に自殺対策計画の策定が義務付けられました。地域の実情に応じた具体的施策を明記します。
ゲートキーパーとは、自殺の危険を示すサインに気づき、声かけ・傾聴・必要な支援につなげ・見守る役割を担う人材のことで、教職員・保健師・看護師・ケアマネジャー・民生委員などが対象です。自殺総合対策大綱は平成29年・令和4年に改定され、若者や勤務問題、女性、コロナ禍での対策強化が盛り込まれました。看護師は医療現場で希死念慮のアセスメントやゲートキーパー機能を果たすことが期待されます。
自殺対策基本法における都道府県の法的義務(自殺対策計画策定)を問うている。国・都道府県・市町村の役割分担の理解が鍵。
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