診療情報の取り扱い原則
看護師国家試験 第113回 午後 第71問 / 健康支援と社会保障制度 / 健康を支える職種に関する法や施策
国試問題にチャレンジ
診療情報について適切なのはどれか。
- 1.診療情報の開示請求は患者本人に限られる。
- 2.2類感染症の罹患情報は市区町村長に届け出る。
- 3.医療者は患者が「知りたくない」と拒否した場合でも病状を説明する。
- 4.他院へのセカンドオピニオンを希望する患者に診療情報提供書を作成する。
対話形式の解説
博士
博士じゃ。診療情報の扱いは看護師にも深く関わる領域じゃぞ。
サクラ
個人情報の塊ですから慎重さが必要ですね。
博士
うむ。選択肢1の『開示請求は本人に限る』は正しいかのう。
サクラ
法定代理人や本人から委任を受けた家族も請求できるので、本人限定ではありませんね。
博士
その通りじゃ。選択肢2の2類感染症の届出先は?
サクラ
市区町村長ではなく、保健所長を通じて都道府県知事ですね。
博士
正解じゃ。結核やジフテリア、SARSなどが2類に該当するぞ。
サクラ
選択肢3の『知りたくない』と拒否しても説明する、は患者の権利を侵害しますね。
博士
うむ。『知らないでいる権利』も自己決定権の一部じゃ。
サクラ
選択肢4のセカンドオピニオンへの診療情報提供書は、まさに患者の権利保障ですね。
博士
その通り。主治医と違う意見を求める権利を尊重するのじゃ。
サクラ
重複検査も減らせて患者の負担軽減になりますね。
博士
そうじゃ。医療連携の基本ツールでもあるのう。
サクラ
守秘義務と情報共有のバランスが難しいですね。
博士
指針をよう読み込んでおくことじゃ。
POINT
本問は診療情報の扱いに関する基本原則を問う問題です。開示請求者の範囲、感染症の届出先、知る権利と知らない権利、診療情報提供書の位置付けなど、複数の法制度が絡みます。セカンドオピニオン希望者への診療情報提供書作成は、患者の自己決定権を支える重要な医療連携です。厚生労働省の『診療情報の提供等に関する指針』を押さえ、感染症法の届出先、カルテ保存期間など周辺知識も整理しておくと得点源になります。
解答・解説
正解は 4 です
問題文:診療情報について適切なのはどれか。
解説:正解は4「他院へのセカンドオピニオンを希望する患者に診療情報提供書を作成する。」です。患者の診療を他の医師に紹介する際、同意のもとで診療情報提供書を作成することは医療法および厚生労働省『診療情報の提供等に関する指針』で認められた基本的な情報共有です。
選択肢考察
-
× 1. 診療情報の開示請求は患者本人に限られる。
診療情報の開示請求は、患者本人のほか法定代理人、任意後見人、患者が代理権を与えた親族なども行うことができます。本人限定ではありません。
-
× 2. 2類感染症の罹患情報は市区町村長に届け出る。
感染症法では2類感染症は診断後直ちに最寄りの保健所長を通じて都道府県知事に届け出ることになっており、市区町村長ではありません。
-
× 3. 医療者は患者が「知りたくない」と拒否した場合でも病状を説明する。
患者には『知らないでいる権利』があります。拒否の意思を尊重するのが指針の原則であり、本人の心身に著しい不利益となる場合などには提供しない判断も認められています。
-
○ 4. 他院へのセカンドオピニオンを希望する患者に診療情報提供書を作成する。
セカンドオピニオンは患者の自己決定権に基づく権利であり、円滑に実施するため主治医は患者の同意のもとに診療情報提供書(紹介状)を作成します。重複検査の回避や適切な判断につながります。
『診療情報の提供等に関する指針』では、診療情報は原則本人に開示し、家族や代理人への開示条件、開示しない判断要件(第三者への不利益、本人への重大な不利益など)、カルテ保存期間(5年)などが示されています。感染症届出の届出先は感染症類型により異なり、1〜4類・5類の一部は都道府県知事、食中毒などは保健所長経由となります。
診療情報の取り扱いに関する基本原則(開示範囲・感染症届出先・知る/知らない権利・情報提供書)を横断的に問う問題です。
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