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性同一性障害特例法の要件を覚えよう

看護師国家試験 第108回 午前 第62問 / 健康支援と社会保障制度 / 健康を支える職種に関する法や施策

国試問題にチャレンジ

108回 午前 第62問

平成16年(2004年)に性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律が施行され、戸籍上の性別を変更することが可能になった。 その変更の条件で正しいのはどれか。

  1. 1.15歳以上であること
  2. 2.うつ症状を呈していること
  3. 3.現に未成年の子がいないこと
  4. 4.両親の同意が得られていること

対話形式の解説

博士 博士

今日は平成16年に施行された「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」について学ぶぞ。戸籍上の性別変更が可能になった重要な法律じゃ。

アユム アユム

博士、性別変更にはどんな条件があるんですか?

博士 博士

この法律の第3条第1項には5つの要件が明記されておる。一つずつ確認していこう。

アユム アユム

はい、お願いします!

博士 博士

まず1つ目は「20歳以上であること」。これは出題当時の要件で、成年年齢引下げに伴い現在は「18歳以上」に変更されているぞ。

アユム アユム

選択肢1の「15歳以上」は間違いですね。

博士 博士

その通りじゃ。2つ目は「現に婚姻をしていないこと」、3つ目が今回の正解である「現に未成年の子がいないこと」じゃ。

アユム アユム

未成年の子がいてはいけない理由は何ですか?

博士 博士

親子関係の混乱を避け、子どもの福祉を守るためじゃ。以前は「子がいないこと」だったが、平成20年改正で「未成年の子がいないこと」に緩和されたんじゃ。

アユム アユム

なるほど、子どもが成人していれば変更できるんですね。

博士 博士

そうじゃ。4つ目は「生殖腺がないか機能を永続的に欠く状態」、5つ目は「他の性別の性器に近似する外観を備えていること」じゃ。

アユム アユム

選択肢2の「うつ症状」は要件に含まれていないんですね。

博士 博士

その通り。うつ症状は要件外じゃ。ただし性別違和で二次的に抑うつを呈することはあるから、看護師としてはメンタルヘルス支援も重要になるぞ。

アユム アユム

選択肢4の「両親の同意」はどうですか?

博士 博士

これも要件ではない。変更は本人が家庭裁判所へ申し立て、審判を受ける手続きじゃ。2名以上の医師の診断が前提になるぞ。

アユム アユム

最近何か変更はあったんですか?

博士 博士

よい質問じゃ。2023年の最高裁判決で「生殖腺不能要件」が違憲と判断され、見直しが進められているんじゃ。看護師としてはLGBTQへの配慮と多様な性のあり方への理解が求められるぞ。

アユム アユム

法律の細かい条文だけでなく、背景にある人権や医療的配慮まで理解することが大切なんですね。

POINT

性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律では、戸籍上の性別変更に5つの要件が定められています。20歳以上(現在は18歳以上)、未婚、未成年の子がいないこと、生殖腺不能、他の性別への外観近似の5要件を家庭裁判所で審判を受けて変更します。うつ症状や両親の同意は要件ではなく、法改正の動向も含めて整理することが重要です。看護師はLGBTQ当事者への人権尊重と心理的支援の視点を持つことが求められます。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:平成16年(2004年)に性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律が施行され、戸籍上の性別を変更することが可能になった。 その変更の条件で正しいのはどれか。

解説:正解は 3 です。性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律(特例法)第3条第1項では、戸籍上の性別変更審判の要件として、20歳以上(出題当時、現在は18歳以上)、現に婚姻をしていないこと、現に未成年の子がいないこと、生殖腺がないか機能を永続的に欠く状態、他の性別の性器に近似する外観を備えていることの5要件が定められています。

選択肢考察

  1. × 1.  15歳以上であること

    法施行時および本問出題当時の要件は「20歳以上」でした。なお成年年齢引下げに伴い現行法では「18歳以上」ですが、15歳ではありません。

  2. × 2.  うつ症状を呈していること

    うつ症状の有無は特例法の要件に含まれていません。性別違和により二次的に抑うつ等を呈することはありますが、これは変更要件ではありません。

  3. 3.  現に未成年の子がいないこと

    第3条第1項第3号に「現に未成年の子がいないこと」と明記されています。親子関係の混乱を避ける趣旨で設けられた要件です。

  4. × 4.  両親の同意が得られていること

    両親の同意は特例法の要件ではありません。変更は本人が家庭裁判所へ申し立てて審判を受ける手続きです。

申立先は家庭裁判所で、2名以上の医師による性同一性障害の診断が前提となります。なお2023年の最高裁判決により「生殖腺不能要件」が違憲と判断され、2024年以降この要件は再検討が進められています。国試対策としては出題時点の5要件を押さえるとともに、LGBTQへの配慮や多様な性のあり方への理解も深めておきましょう。

性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律における、戸籍上の性別変更の法定要件を正確に把握しているかを問う問題です。