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立ち直り反射を支える受容器

看護師国家試験 第105回 午前 第80問 / 人体の構造・機能 / 神経系

国試問題にチャレンジ

105回 午前 第80問

立ち直り反射に関与するのはどれか。2つ選べ。

  1. 1.視細胞
  2. 2.コルチ器
  3. 3.圧受容器
  4. 4.化学受容器
  5. 5.頸筋の筋紡錘

対話形式の解説

博士 博士

立ち直り反射に関与するものを2つ選ぶ問題じゃ。まずは立ち直り反射そのものの定義から入ろうかの。

アユム アユム

体が傾いたときに、元の姿勢に戻そうとする反射ですよね。

博士 博士

その通り。姿勢反射の一種で、頭部や体幹を重力に対して正しい位置に戻す働きをする。立ち直り反射は4種類、視覚性・迷路性・頸部性・体性に分類されるのじゃ。

アユム アユム

正解は1番の視細胞と5番の頸筋の筋紡錘ですか。

博士 博士

うむ、正解じゃ。視細胞は網膜で視覚情報を受容し視覚性立ち直り反射に、頸筋の筋紡錘は頸部と体幹の相対位置を感知し頸部性立ち直り反射に関与する。

アユム アユム

2番のコルチ器は。

博士 博士

これは内耳の蝸牛にある聴覚受容器で、音を電気信号に変える器官じゃ。平衡感覚ではなく聴覚なので立ち直り反射とは関係がない。

アユム アユム

平衡感覚は迷路性立ち直り反射ですよね。

博士 博士

よいところに気づいた。迷路性は内耳の前庭と三半規管が受容器じゃ。選択肢にないが重要な知識じゃな。

アユム アユム

3番の圧受容器は。

博士 博士

頸動脈洞や大動脈弓にあり、血圧変化を感知して循環調節に関与する。姿勢反射とは別系統じゃ。

アユム アユム

4番の化学受容器は。

博士 博士

末梢の頸動脈小体・大動脈小体が酸素分圧を、延髄の中枢化学受容器が二酸化炭素と水素イオンを感知し、呼吸調節に関与する。これも姿勢反射とは無関係じゃ。

アユム アユム

立ち直り反射の中枢はどこなんですか。

博士 博士

中脳の赤核と網様体じゃ。ここで視覚、前庭、頸筋、体性感覚の情報を統合し、頭部と体幹を正しい位置に保つ運動指令を出す。

アユム アユム

乳児の発達でも大事ですよね。

博士 博士

うむ。頸部立ち直り反射は生後3〜4か月、体幹立ち直り反射は6か月、視覚性立ち直り反射は8〜10か月で成熟し、これらが揃うことで座位や立位が可能になる。発達評価のポイントじゃぞ。

アユム アユム

姿勢を保つ仕組みが受容器から中枢までつながって理解できました。

博士 博士

反射は単独ではなく、視覚・前庭・体性感覚・頸筋感覚が連携して初めて機能する。臨床でもめまいや転倒予防を考える際に役立つ知識じゃ。

POINT

立ち直り反射は姿勢を正常な位置に保つ反射で、視覚性・迷路性・頸部性・体性の4種に分類されます。入力は視細胞、前庭・三半規管、頸筋の筋紡錘、体性感覚受容器から行われ、中脳の赤核・網様体で統合されます。乳児期には段階的に成熟し、座位や立位、歩行獲得の基盤となります。本問では視細胞と頸筋の筋紡錘が関与する受容器として選択されます。

解答・解説

正解は 1 5 です

問題文:立ち直り反射に関与するのはどれか。2つ選べ。

解説:正解は 1 と 5 です。立ち直り反射(righting reflex)は体位が傾いたときに頭部や体幹を正常な位置に戻そうとする姿勢反射で、視覚性、迷路性、頸部性、体性に分類されます。視覚性立ち直り反射は網膜の視細胞からの情報、頸部性立ち直り反射は頸筋の筋紡錘からの情報をもとに中脳で統合され、姿勢保持や歩行の基盤となります。

選択肢考察

  1. 1.  視細胞

    網膜の視細胞で受容された視覚情報は視覚性立ち直り反射の入力源となり、視野の水平・垂直関係から頭部位置を補正します。

  2. × 2.  コルチ器

    コルチ器は蝸牛内の聴覚受容器で、音刺激を神経信号に変換する器官です。姿勢制御には関与しません。

  3. × 3.  圧受容器

    圧受容器は頸動脈洞や大動脈弓に存在し、血圧変動を感知して循環調節に関わる器官で、姿勢反射とは別系統です。

  4. × 4.  化学受容器

    化学受容器は末梢性(頸動脈小体・大動脈小体)と中枢性(延髄)があり、呼吸調節に関与するもので姿勢保持には関わりません。

  5. 5.  頸筋の筋紡錘

    頸筋の筋紡錘は頭部と体幹の相対位置の変化を感知し、頸部性立ち直り反射の入力源となって頭部を正常な位置に戻します。

姿勢反射には立ち直り反射のほか、緊張性頸反射、緊張性迷路反射、平衡反応、パラシュート反応などがあります。立ち直り反射は4種類に分類され、視覚性(視細胞)、迷路性(内耳の前庭・三半規管)、頸部性(頸筋の筋紡錘)、体性(体幹皮膚や筋の受容器)が関与します。中枢は中脳の赤核と網様体で、これらの情報を統合して姿勢を保持します。乳児では生後3〜4か月で頸部立ち直り反射、6か月で体幹立ち直り反射、8〜10か月で視覚性立ち直り反射が成熟し、立位保持や歩行獲得の基盤となります。

立ち直り反射の分類(視覚性・迷路性・頸部性・体性)と各反射の受容器を理解しているかを問う基礎問題です。