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排便反射の反射弓を構成する神経

看護師国家試験 第108回 午前 第82問 / 人体の構造・機能 / 神経系

国試問題にチャレンジ

108回 午前 第82問

排便反射の反射弓を構成するのはどれか。2つ選べ。

  1. 1.下腸間膜神経節
  2. 2.腹腔神経節
  3. 3.骨盤神経
  4. 4.腰髄
  5. 5.仙髄

対話形式の解説

博士 博士

今日は排便反射の仕組みを整理しよう。便が直腸に溜まると、どこに刺激が伝わる?

アユム アユム

直腸壁が伸展して…骨盤神経から脊髄に伝わるんですよね。

博士 博士

その通り!骨盤神経は仙髄S2〜S4から出る副交感神経で、求心路と遠心路の両方を担当しているんだ。

アユム アユム

中枢はどこになるんですか?

博士 博士

仙髄だよ。だから正解は3の骨盤神経と5の仙髄だね。

アユム アユム

下腸間膜神経節や腹腔神経節はなぜ違うんですか?

博士 博士

それらは交感神経の中継節で、交感神経は排便を抑制する働きがある。反射弓そのものではないんだ。

アユム アユム

腰髄はどうですか?

博士 博士

腰髄には下腹神経の起始があるけれど、これも交感神経系で、排便中枢は仙髄。腰髄は排便反射弓を構成しないよ。

アユム アユム

直腸内圧はどのくらいで便意を感じるんでしたっけ?

博士 博士

おおよそ40〜50mmHg。この刺激が骨盤神経を経て仙髄に届き、さらに視床下部や大脳皮質に伝わって便意となるんだ。

アユム アユム

排便中枢から先はどうなりますか?

博士 博士

仙髄から骨盤神経を通って直腸を収縮させ、内肛門括約筋を弛緩させる。内肛門括約筋は平滑筋で不随意だよ。

アユム アユム

外肛門括約筋は?

博士 博士

こちらは骨格筋で随意筋、陰部神経支配だ。大脳からの随意制御で排便のタイミングを調整できる。

アユム アユム

脊髄損傷の患者さんで排便に問題が出るのはなぜですか?

博士 博士

仙髄より上位が損傷されると反射性排便は残るが随意コントロールが失われるため、便意の自覚や括約筋操作ができず失禁しやすいんだ。

アユム アユム

反射弓と随意制御を分けて考えるとわかりやすいですね。

POINT

排便反射は直腸壁伸展を骨盤神経が感知し、仙髄S2〜S4の排便中枢に伝える脊髄反射です。遠心路も骨盤神経で、直腸収縮と内肛門括約筋弛緩を引き起こします。外肛門括約筋は陰部神経支配の随意筋で大脳制御を受けます。下腸間膜神経節や腹腔神経節は交感神経中継節で反射弓ではなく、腰髄は排便中枢ではありません。

解答・解説

正解は 3 5 です

問題文:排便反射の反射弓を構成するのはどれか。2つ選べ。

解説:正解は 3 と 5 です。排便反射は、直腸壁の伸展刺激が骨盤神経(副交感神経)を介して仙髄(S2〜S4)の排便中枢に伝わり、同じ経路で直腸収縮と内肛門括約筋弛緩を引き起こす脊髄反射です。

選択肢考察

  1. × 1.  下腸間膜神経節

    下腸間膜神経節は交感神経系の節で、下行結腸・S状結腸・直腸への交感神経支配を中継します。交感神経は排便を抑制するため、排便反射の反射弓そのものを構成しません。

  2. × 2.  腹腔神経節

    腹腔神経節は上腹部臓器(胃・肝・膵・小腸など)の交感神経中継点で、排便反射に関与しません。

  3. 3.  骨盤神経

    骨盤神経は仙髄から出る副交感神経で、直腸壁伸展の求心路であり、同時に直腸収縮と内肛門括約筋弛緩を促す遠心路でもあります。排便反射弓の主要構成要素です。

  4. × 4.  腰髄

    腰髄には下腹神経(交感神経)の中枢はありますが、排便反射の中枢は仙髄にあります。腰髄は反射弓を構成しません。

  5. 5.  仙髄

    仙髄S2〜S4に排便中枢があり、骨盤神経からの入力を受けて直腸収縮・内肛門括約筋弛緩の信号を発します。反射弓の中枢として必須です。

外肛門括約筋は随意筋で、仙髄S2〜S4の陰部神経(体性神経)に支配されます。便意を感じたら大脳皮質から随意的に外肛門括約筋を弛緩させて排便が成立します。脊髄損傷で仙髄より上位が損傷されると反射性排便は残るものの随意コントロールが失われる点が臨床的に重要です。

排便反射の中枢と求心・遠心路を構成する神経経路を問う問題です。仙髄+骨盤神経=副交感系という基本を押さえましょう。