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アセチルコリンで収縮する筋はどれ

看護師国家試験 第108回 午前 第83問 / 人体の構造・機能 / 神経系

国試問題にチャレンジ

108回 午前 第83問

アセチルコリンで収縮するのはどれか。2つ選べ。

  1. 1.心筋
  2. 2.排尿筋
  3. 3.腓腹筋
  4. 4.立毛筋
  5. 5.瞳孔散大筋

対話形式の解説

博士 博士

アセチルコリンは副交感神経と運動神経で使われる伝達物質だね。どんな筋を収縮させるか整理しよう。

サクラ サクラ

副交感が優位だとリラックス…でも膀胱は収縮するんですよね?

博士 博士

そう、排尿筋はM3受容体で収縮、内尿道括約筋は弛緩して排尿する。正解の1つは2の排尿筋だよ。

サクラ サクラ

もう1つは骨格筋ですか?

博士 博士

正解!運動神経終末からアセチルコリンが放出され、神経筋接合部のニコチン性NM受容体に結合して骨格筋が収縮するんだ。腓腹筋は骨格筋だから3も正解。

サクラ サクラ

心筋はどうですか?

博士 博士

心筋ではM2受容体が働き、洞房結節の自動能を抑制して心拍数低下、収縮力も低下する。収縮ではなく抑制だね。

サクラ サクラ

立毛筋は?

博士 博士

立毛筋は平滑筋だけど例外的に交感神経支配で、ノルアドレナリンのα1受容体刺激で収縮する。アセチルコリンは関与しないよ。

サクラ サクラ

瞳孔散大筋はどうでしょう。

博士 博士

散大筋は交感神経支配でα1刺激により散瞳。副交感神経のアセチルコリンは瞳孔括約筋を収縮させて縮瞳させる側だね。

サクラ サクラ

受容体の整理がポイントなんですね。

博士 博士

その通り。M受容体は副交感神経節後→効果器、N受容体は自律神経節と神経筋接合部で使われる。覚えておこう。

サクラ サクラ

汗腺はどうでしたっけ?

博士 博士

よく気づいたね。汗腺は交感神経支配だけど例外的にアセチルコリンを使う。試験でも狙われるポイントだよ。

サクラ サクラ

抗コリン薬の副作用は?

博士 博士

尿閉・便秘・散瞳・口渇が四徴だ。排尿筋のM3が阻害されるから尿閉が起こるのが理解しやすいね。

サクラ サクラ

受容体と効果器のマップを作って覚えます。

POINT

アセチルコリンは副交感神経節後線維と運動神経から放出される伝達物質です。膀胱排尿筋はM3受容体で収縮、骨格筋(腓腹筋)はニコチン性NM受容体で収縮します。心筋はM2で抑制、立毛筋・瞳孔散大筋は交感神経のノルアドレナリンで収縮するため該当しません。受容体と効果器の関係を整理することが重要です。

解答・解説

正解は 2 3 です

問題文:アセチルコリンで収縮するのはどれか。2つ選べ。

解説:正解は 2 と 3 です。アセチルコリンは副交感神経節後線維の神経伝達物質として膀胱排尿筋を収縮させ、また運動神経終末から骨格筋の神経筋接合部に放出されて骨格筋(腓腹筋など)を収縮させます。

選択肢考察

  1. × 1.  心筋

    心筋ではアセチルコリンはM2受容体に作用し、洞房結節の自動能を抑制して心拍数を低下させ、心収縮力も低下させます。収縮させるのではなく抑制します。

  2. 2.  排尿筋

    膀胱の排尿筋(平滑筋)は副交感神経(骨盤神経)のアセチルコリンがM3受容体に作用して収縮し、排尿を促進します。

  3. 3.  腓腹筋

    腓腹筋は骨格筋で、運動神経終末から放出されるアセチルコリンがニコチン性受容体(NM)に結合して収縮します。

  4. × 4.  立毛筋

    立毛筋は平滑筋で、交感神経節後線維から放出されるノルアドレナリンがα1受容体に作用して収縮します。アセチルコリンでは収縮しません。

  5. × 5.  瞳孔散大筋

    瞳孔散大筋は交感神経支配でノルアドレナリンのα1受容体刺激により収縮(散瞳)します。アセチルコリンは瞳孔括約筋を収縮させて縮瞳を起こす側です。

アセチルコリン受容体にはムスカリン性(M1〜M5)とニコチン性(NM、NN)があります。副交感神経節後線維→効果器はM受容体、自律神経節(交感・副交感ともに)と神経筋接合部はN受容体を介します。汗腺は交感神経支配ですが例外的にアセチルコリンを伝達物質として用います。抗コリン薬による尿閉・便秘・散瞳・口渇(抗コリン作用の四徴)は臨床的に重要です。

アセチルコリンが収縮させる筋と受容体を整理する問題です。排尿筋はM3、骨格筋はNMで収縮、立毛筋・瞳孔散大筋・心筋は該当しないことを押さえましょう。