DMATの仕事は?災害医療チームの守備範囲を整理
看護師国家試験 第103回 午前 第76問 / 看護の統合と実践 / 災害と看護
国試問題にチャレンジ
災害派遣医療チーム〈DMAT〉の活動で最も適切なのはどれか。
- 1.被災地域内での傷病者の搬送を行う。
- 2.外傷後ストレス障害〈PTSD〉に対応する。
- 3.長期の継続的な医療を行う。
- 4.被災地の復興を手助けする。
対話形式の解説
博士
今日はDMATの活動内容についての問題じゃ。何度も問われる頻出テーマじゃぞ。
アユム
DMATって阪神・淡路大震災がきっかけでしたよね?
博士
その通り。阪神・淡路で初期医療体制の遅れが多くの「防ぎえた災害死」を生んだ反省から、2005年に発足したんじゃ。
アユム
活動時期は急性期だけ、ですか?
博士
概ね発災後48時間以内の急性期じゃ。医師・看護師・業務調整員で構成され、現場・拠点病院・広域搬送拠点で活動する。
アユム
選択肢1の傷病者搬送は中核業務ですか?
博士
その通り。現場から拠点病院、被災地から域外医療機関への広域搬送までDMATの主要任務じゃ。トリアージと応急処置と並ぶ柱じゃな。
アユム
2のPTSD対応はどうですか?
博士
誤りじゃ。PTSDは出来事後数週間〜数か月で発症することが多く、長期的な精神保健支援が必要じゃ。これはDPAT(災害派遣精神医療チーム)の領域じゃ。
アユム
3の長期医療と4の復興支援は?
博士
どちらもDMATの守備範囲外じゃ。亜急性期以降はJMATや日赤救護班などが引き継ぐ。復興支援は更に中長期の活動じゃの。
アユム
じゃあ正解は1ですね。災害時期で役割分担があるんですね。
博士
その通り。「急性期48時間:DMAT」「亜急性期〜慢性期:JMAT・日赤救護班」「精神保健:DPAT」と整理して覚えるとよい。
アユム
DMATの目的は「防ぎえた災害死をゼロに」、ですよね?
博士
ええ覚え方じゃ。トリアージ・応急処置・搬送の三本柱で命を救うのがDMATじゃ。災害医療の問題ではこの守備範囲を意識して選ぶとブレんぞ。
アユム
時期と役割で表にしておきます。
POINT
DMATは阪神・淡路大震災を教訓に発足した災害急性期(48時間以内)の医療チームで、医師・看護師・業務調整員で構成されます。主要業務はトリアージ、応急処置、被災地内外への傷病者搬送、医療情報の収集です。PTSD対応や長期医療、復興支援は守備範囲外で、DPATやJMAT、日赤救護班などが時期に応じて担います。「防ぎえた災害死をゼロに」が活動の根本目的です。
解答・解説
正解は 1 です
問題文:災害派遣医療チーム〈DMAT〉の活動で最も適切なのはどれか。
解説:正解は 1 です。DMAT(Disaster Medical Assistance Team)は、阪神・淡路大震災での初期医療体制の遅れを教訓に2005年に発足した、災害急性期(概ね発災後48時間以内)に活動する機動的な専門医療チームです。医師・看護師・業務調整員で構成され、災害現場・被災地病院・広域搬送拠点で、トリアージ、応急処置、被災地内外への傷病者搬送、医療情報の収集と伝達などを担います。「被災地域内での傷病者の搬送」はDMATの中核的な活動の一つで、現場から拠点病院、拠点病院から被災地外への広域医療搬送までを含みます。長期医療・PTSD対応・復興支援は急性期を超える活動領域でDMATの守備範囲外、と整理して覚えましょう。
選択肢考察
-
○ 1. 被災地域内での傷病者の搬送を行う。
正しい。DMATは被災地内での傷病者搬送(現場→拠点病院、被災地→域外医療機関への広域搬送)を主要な活動として担います。トリアージや応急処置と並ぶ中核業務です。
-
× 2. 外傷後ストレス障害〈PTSD〉に対応する。
誤り。PTSDは出来事後数週間から数か月で発症する精神疾患で、長期的な精神保健支援が必要です。急性期48〜72時間のDMATの活動範囲外で、DPATやこころのケアチームの役割です。
-
× 3. 長期の継続的な医療を行う。
誤り。DMATは災害急性期(発災後48時間以内)の機動的な医療チームで、長期医療は担いません。亜急性期以降はJMAT(日本医師会災害医療チーム)などが引き継ぎます。
-
× 4. 被災地の復興を手助けする。
誤り。復興支援は中長期の活動でDMATの目的ではありません。DMATは命を救う急性期医療に特化したチームです。
災害医療チームは時期で役割分担されています。「急性期48時間:DMAT」「亜急性期〜慢性期:JMAT・日赤救護班」「精神保健:DPAT」と覚えると整理しやすいです。DMATの活動目的は「防ぎえた災害死(preventable death)をゼロにする」ことです。
災害医療におけるDMATの活動範囲(急性期・トリアージ・搬送)と他チームとの役割分担を理解しているかを問う問題です。
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