災害サイクルと看護活動のマッチングを攻略するのじゃ
看護師国家試験 第104回 午前 第75問 / 看護の統合と実践 / 災害と看護
国試問題にチャレンジ
災害発生後の時期と災害看護活動の組合せで最も適切なのはどれか。
- 1.災害発生直後〜数時間―食中毒予防
- 2.災害発生後3日〜1週―外傷後ストレス障害〈PTSD〉(post-traumatic stress disorder)への対応
- 3.災害発生後1週〜1か月―廃用症候群の予防(disuse syndrome)
- 4.災害発生後1か月以降―救命処置
対話形式の解説
博士
災害看護では時期ごとに必要な活動が変わるぞ。何期に分かれていたかな?
サクラ
超急性期、急性期、亜急性期、慢性期の4区分でしたね。
博士
その通り。発災直後はとにかく命を救う段階じゃ。
サクラ
選択肢1の発災直後の食中毒予防はどうですか?
博士
誤りじゃ。直後は救命救急処置とトリアージが最優先となる。
サクラ
選択肢2の3日から1週でPTSD対応とありますが…
博士
これも違う。PTSDは症状が1か月以上続く場合に診断される。1か月以内ならASDじゃ。
サクラ
では3日から1週は何が中心ですか?
博士
避難所の衛生管理、感染症や食中毒の予防が大切じゃ。
サクラ
選択肢3の1週から1か月で廃用症候群の予防は?
博士
これが正解じゃ。亜急性期は活動低下で筋力低下や血栓症が増えるからな。
サクラ
エコノミークラス症候群対策ですね。
博士
そうじゃ。水分補給、こまめな歩行、弾性ストッキングが3点セットじゃ。
サクラ
選択肢4の1か月以降の救命処置は明らかに違いますね。
博士
慢性期はこころのケアや生活再建支援が中心となる。
サクラ
時期と活動を結びつけて覚えるとよいのですね。
POINT
災害看護は時期ごとに優先課題が変化します。超急性期は救命処置、急性期は感染症対策、亜急性期は廃用症候群や血栓症予防、慢性期はPTSD対応や生活再建支援が中心です。問題ではこの組み合わせを正確に押さえる必要があります。災害サイクルの全体像を把握して、各時期の典型的活動を結びつけて整理しましょう。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:災害発生後の時期と災害看護活動の組合せで最も適切なのはどれか。
解説:正解は3です。災害発生から1週間〜1か月の慢性期は避難所生活が長期化し、活動性低下による廃用症候群やエコノミークラス症候群のリスクが高まる時期です。
選択肢考察
-
× 1. 災害発生直後〜数時間―食中毒予防
発災直後は救命救急処置とトリアージが最優先で、衛生管理は後の段階で重要となります。
-
× 2. 災害発生後3日〜1週―外傷後ストレス障害〈PTSD〉(post-traumatic stress disorder)への対応
PTSDは強い心的外傷後の症状が1か月以上持続したときに診断され、超急性期の対応ではありません。1か月以内のものは急性ストレス障害(ASD)に分類されます。
-
○ 3. 災害発生後1週〜1か月―廃用症候群の予防(disuse syndrome)
避難所生活が続く亜急性期は身体活動が制限されやすく、廃用症候群や深部静脈血栓症の予防のため運動指導や弾性ストッキング装着支援が重要となります。
-
× 4. 災害発生後1か月以降―救命処置
救命処置は発災直後の超急性期に行うべき活動で、慢性期にはこころのケアや生活再建支援が中心となります。
災害サイクルは超急性期(発災〜72時間)、急性期(〜1週)、亜急性期(〜1か月)、慢性期(1か月以降)に分けられ、それぞれの時期に応じた看護活動があります。亜急性期にはトイレを我慢して水分摂取が減ることで肺塞栓症が増えやすく、こまめな水分補給と歩行が予防の鍵です。
災害サイクルの各時期に応じた優先的な看護活動を結びつけられるかが問われています。
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