StudyNurse

日本のODAを担うJICA〜国際協力機構の役割〜

看護師国家試験 第111回 午前 第76問 / 看護の統合と実践 / 国際化と看護

国試問題にチャレンジ

111回 午前 第76問

日本の政府開発援助〈ODA〉の実施機関はどれか。

  1. 1.世界保健機関〈WHO〉
  2. 2.国際協力機構〈JICA〉
  3. 3.国連開発計画〈UNDP〉
  4. 4.赤十字国際委員会〈ICRC〉

対話形式の解説

博士 博士

今日は国際保健とODAの話じゃ。看護師にも国際的な視点が求められる時代じゃな。

アユム アユム

ODAって何の略ですか?

博士 博士

Official Development Assistance、政府開発援助の略じゃ。先進国の政府が開発途上国の経済社会開発を支援するための資金や技術協力のことを指す。

アユム アユム

問題では日本のODA実施機関を問われています。

博士 博士

選択肢はWHO、JICA、UNDP、ICRCじゃな。どれが正解と思う?

アユム アユム

JICAですか?青年海外協力隊の派遣元として聞いたことがあります。

博士 博士

その通り、正解は2のJICAじゃ。正式名はJapan International Cooperation Agency、国際協力機構じゃ。独立行政法人での、日本のODAを一元的に実施する機関なんじゃ。

アユム アユム

ODAにはどんな種類があるんですか?

博士 博士

3つあっての、技術協力、有償資金協力(円借款)、無償資金協力じゃ。技術協力は専門家派遣や研修員受け入れ、円借款は低利の長期融資、無償資金協力は返済義務のない資金供与じゃな。

アユム アユム

選択肢1のWHO(世界保健機関)は国連の機関ですよね。

博士 博士

そうじゃ。1948年設立、本部はスイスのジュネーブ。「すべての人々の健康を増進し保護するため各国と協力する」のが目的で、感染症対策や国際保健規則(IHR)の策定、健康の定義で有名じゃな。

アユム アユム

選択肢3のUNDP(国連開発計画)はどうですか?

博士 博士

これも国連機関じゃ。開発途上国の貧困削減や持続可能な開発目標(SDGs)達成支援を担う。UNDPは国連システム内の開発ネットワークを調整する役割じゃな。

アユム アユム

選択肢4のICRC(赤十字国際委員会)は?

博士 博士

スイスに本部を置く民間の人道機関じゃ。ジュネーブ条約に基づき、武力紛争の犠牲者保護を中立・独立の立場で行う。政府機関ではないから、ODA実施機関とは異なる。

アユム アユム

JICAは看護師にも関わりがあるんですか?

博士 博士

大いにあるの。青年海外協力隊には看護師や助産師も派遣される。また国際緊急援助隊(JDR)の医療チームとして、海外災害時に派遣されることもあるんじゃ。

アユム アユム

2015年に開発協力大綱ができたと聞きました。

博士 博士

そうじゃ。これは従来のODA大綱を改定したもので、SDGs達成を柱の一つに掲げとる。保健医療分野では母子保健、感染症対策、UHC(ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ)推進などを支援しておる。

アユム アユム

看護師が国際協力で活躍する道もあるんですね。

博士 博士

その通り。世界の健康格差是正に看護の力は大きく貢献できるんじゃ。

POINT

日本の政府開発援助(ODA)は独立行政法人国際協力機構(JICA)が一元的に実施し、技術協力・円借款・無償資金協力の3形態で途上国を支援します。WHO、UNDP、ICRCは国際機関ですが日本のODA実施機関ではありません。青年海外協力隊や国際緊急援助隊には看護師も参加し、母子保健やUHC推進など国際保健分野で活躍しています。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:日本の政府開発援助〈ODA〉の実施機関はどれか。

解説:正解は 2 です。政府開発援助(ODA:Official Development Assistance)は、先進国政府が開発途上国の経済社会開発を支援するために行う資金や技術協力の総称です。日本のODAは、技術協力・有償資金協力(円借款)・無償資金協力の3形態があり、これらを一元的に実施する機関が独立行政法人「国際協力機構(JICA:Japan International Cooperation Agency)」です。JICAは青年海外協力隊の派遣でも広く知られています。

選択肢考察

  1. × 1.  世界保健機関〈WHO〉

    WHOは国連の専門機関で、1948年設立、本部はジュネーブ。全人類の健康水準向上を目的とし、感染症対策や国際保健規則の策定を担いますが、日本のODA実施機関ではありません。

  2. 2.  国際協力機構〈JICA〉

    日本のODAを一元的に実施する独立行政法人です。技術協力、円借款、無償資金協力の3本柱で途上国の開発を支援し、青年海外協力隊派遣も行っています。

  3. × 3.  国連開発計画〈UNDP〉

    UNDPは国連の開発援助を担う機関で、貧困削減や持続可能な開発目標(SDGs)達成支援を行います。国連機関であり、日本のODA実施機関ではありません。

  4. × 4.  赤十字国際委員会〈ICRC〉

    ICRCはスイスに本部を置く民間の人道機関で、武力紛争時の犠牲者保護を目的とします。政府機関ではなく、ODA実施機関ではありません。

ODAは2015年「開発協力大綱」でより包括的な枠組みとなり、SDGs達成が柱の一つとして掲げられました。保健医療分野では母子保健、感染症対策、UHC(ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ)推進などを支援。JICAは国際緊急援助隊(JDR)の医療チーム派遣でも重要な役割を担い、看護師も登録して派遣されます。

日本のODA実施機関としてのJICAと、他の国際機関(WHO、UNDP、ICRC)の役割を区別できるかを問う問題です。