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超急性期の災害看護を整理しよう

看護師国家試験 第104回 午前 第118問 / 看護の統合と実践 / 状況設定問題

国試問題にチャレンジ

104回 午前 第118問

次の文を読み、問いに答えよ。 山間部の地域で、1時間雨量80mm以上の降雨で土石流が発生し、地域の住民は市民体育館に避難した。避難所には近くの医療機関から医師と看護師とが派遣された。 発災直後の避難所で対応する看護師の行動で最も適切なのはどれか。

  1. 1.ボランティアを手配する。
  2. 2.災害給付金の説明をする。
  3. 3.心のケアに時間をかける。
  4. 4.重症度に応じて診療の優先順位をつける。

対話形式の解説

博士 博士

104回午前118問じゃ。土石流発災直後、避難所に派遣された看護師は何を最優先にすべきかな。

アユム アユム

発災直後ですから時間との勝負ですね。

博士 博士

選択肢を吟味するぞ。1のボランティア手配は?

アユム アユム

ボランティアセンターの開設は被害状況がわかってからで、発災直後の医療職の業務ではないと思います。

博士 博士

ようできた。2の災害給付金の説明は?

アユム アユム

生活再建の話は復旧期に入ってからですよね。今は救命が先です。

博士 博士

ご名答。3の心のケアに時間をかけるのは?

アユム アユム

心のケアも大切ですが、超急性期では最低限のサイコロジカル・ファーストエイドにとどめ、まず命を守る対応をすべきと思います。

博士 博士

さよう。残るは4の重症度に応じた優先順位、トリアージじゃな。

アユム アユム

START法で赤・黄・緑・黒に分け、限られた人と物資を最も効果的に使うのですね。

博士 博士

ご名答。トリアージは1人あたり30秒程度で、呼吸・循環・意識を見ていくぞ。

アユム アユム

時系列でいうと災害サイクルのどこに位置するのでしょうか。

博士 博士

超急性期、おおむね発災から72時間以内じゃ。

アユム アユム

急性期では感染症予防、慢性期では生活再建や心のケアと、フェーズで看護が変わるのですね。

博士 博士

さよう。フェーズに応じて自分の役割を切り替えられる看護師が、災害現場で求められるのじゃ。

POINT

災害発生直後の看護師の最優先業務はトリアージで、本問の正解は4です。限られた医療資源を最も助かる人に配分し、救命率を上げます。ボランティア手配や給付金説明、本格的な心のケアは時期尚早または役割違いで、復旧・復興期の業務です。災害サイクル各期に応じた看護の切り替えを意識しましょう。

解答・解説

正解は 4 です

問題文:次の文を読み、問いに答えよ。 山間部の地域で、1時間雨量80mm以上の降雨で土石流が発生し、地域の住民は市民体育館に避難した。避難所には近くの医療機関から医師と看護師とが派遣された。 発災直後の避難所で対応する看護師の行動で最も適切なのはどれか。

解説:正解は4です。発災直後(超急性期)の避難所では、限られた医療資源で多数の傷病者に対応する必要があるため、トリアージにより重症度に応じた診療の優先順位をつけることが最優先となります。

選択肢考察

  1. × 1.  ボランティアを手配する。

    ボランティアの調整は被害状況やニーズの把握ができてからの活動で、災害ボランティアセンター開設後に行政や社会福祉協議会が中心となって進めるものです。発災直後の医療職にとって優先業務ではありません。

  2. × 2.  災害給付金の説明をする。

    災害給付金や生活再建に関わる手続きは復旧期以降の支援です。発災直後の救命優先の段階で説明しても被災者は受け止めきれず、看護師の役割としても適切ではありません。

  3. × 3.  心のケアに時間をかける。

    災害発生直後は安全確保と身体的救命が優先で、本格的な心理的支援は急性期以降に段階的に行います。発災直後の心のケアはまずサイコロジカル・ファーストエイド程度にとどめ、命を守る対応に時間を割きます。

  4. 4.  重症度に応じて診療の優先順位をつける。

    災害現場では赤・黄・緑・黒の4色のSTART法などを用いたトリアージで治療順位を決定し、限られた医療資源を最も効果的に配分することが救命率の向上に直結します。これは超急性期の医療職の最重要任務です。

災害サイクルは超急性期(発災直後〜72時間)、急性期、亜急性期、慢性期(復興期)、静穏期に分けられ、各期で看護師の役割が変化します。超急性期はトリアージと救命処置、急性期は感染症予防と慢性疾患管理、慢性期は心のケアや生活再建支援が中心となります。

災害サイクルにおける超急性期の看護師の最優先業務がトリアージであることを理解しているかを問う問題です。