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避難所の妊婦に優先して確認することは?

看護師国家試験 第110回 午前 第119問 / 看護の統合と実践 / 状況設定問題

国試問題にチャレンジ

110回 午前 第119問

A市に住むBさん( 40歳、経産婦)は、妊娠20週0日である。夫( 42歳、会社員)、長女のCちゃん( 5歳)の3人暮らし。朝食を終えた午前8時、大規模災害が発生し、夫は倒壊した家屋に両下肢が挟まれ身動きがとれなくなった。一緒にいたBさんとCちゃんは無事だったが、慌てるBさんのそばでCちゃんは泣きながら座りこんでいた。午前10時、夫は救助隊に救出されたが、下肢の感覚はなくなっていた。病院に搬送された夫は、その日のうちに入院となった。 被災当日にBさんはCちゃんとともに避難所に入所した。被災後1日、Bさんは巡回してきた看護師に「今妊娠20週目ですが、おなかが張ることがあります」と話した。 看護師が確認する項目で優先度が高いのはどれか。

  1. 1.下肢の浮腫の程度
  2. 2.食事の摂取状況
  3. 3.性器出血の有無
  4. 4.排泄状況

対話形式の解説

博士 博士

Bさんは妊娠20週で、おなかが張ると訴えておる。

サクラ サクラ

災害後の避難所生活でストレスも強いですね。

博士 博士

この場合、何を最優先で確認するかのう。

サクラ サクラ

妊娠20週の子宮収縮ですから、まず切迫流産を疑います。

博士 博士

そうじゃ。切迫流産の三徴は『下腹部痛』『性器出血』『子宮収縮』じゃ。

サクラ サクラ

そのうち性器出血の有無は、緊急度を判断する大切なサインですね。

博士 博士

出血があれば、流産が進行しているリスクが高まる。

サクラ サクラ

選択肢1の下肢浮腫は、血栓予防の観点で大事ですが緊急性は劣りますね。

博士 博士

避難所では動けず静脈血栓症にもなりやすいが、今はまず出血じゃ。

サクラ サクラ

選択肢2の食事摂取状況は、胎児発育に関わりますね。

博士 博士

ただ今すぐの判断に必要なのは性器出血じゃ。

サクラ サクラ

選択肢4の排泄状況は、便秘が張りを誘発することはありますが、優先度は劣ります。

博士 博士

そういうことじゃ。

サクラ サクラ

22週未満は流産、22週以降は早産と定義が変わりますね。

博士 博士

Bさんは20週じゃから、まだ流産の範囲に入る。出血があれば母体搬送を考慮じゃ。

POINT

妊娠20週でおなかの張りを訴える場合、切迫流産を最も警戒します。三徴のうち性器出血は緊急対応の要否を決定する重要サインで、あれば速やかに母体搬送を検討します。下肢浮腫・食事摂取・排泄状況も観察項目ではありますが、今の場面では優先度が下がります。正解は『性器出血の有無』です。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:A市に住むBさん( 40歳、経産婦)は、妊娠20週0日である。夫( 42歳、会社員)、長女のCちゃん( 5歳)の3人暮らし。朝食を終えた午前8時、大規模災害が発生し、夫は倒壊した家屋に両下肢が挟まれ身動きがとれなくなった。一緒にいたBさんとCちゃんは無事だったが、慌てるBさんのそばでCちゃんは泣きながら座りこんでいた。午前10時、夫は救助隊に救出されたが、下肢の感覚はなくなっていた。病院に搬送された夫は、その日のうちに入院となった。 被災当日にBさんはCちゃんとともに避難所に入所した。被災後1日、Bさんは巡回してきた看護師に「今妊娠20週目ですが、おなかが張ることがあります」と話した。 看護師が確認する項目で優先度が高いのはどれか。

解説:正解は3です。妊娠20週で頻回の子宮収縮(おなかの張り)を訴える場合、切迫流産や切迫早産が最も懸念されます。その鑑別と緊急性の判断において、性器出血の有無は最も重要な観察項目であり、出血を伴う場合は母体搬送を含めた速やかな対応が必要になります。

選択肢考察

  1. × 1.  下肢の浮腫の程度

    下肢浮腫は妊娠後期や避難所生活での血栓予防の観点で重要ですが、切迫流産の緊急性よりは優先度が低い項目です。

  2. × 2.  食事の摂取状況

    栄養状態は胎児発育に関わる大切な項目ですが、今訴えているおなかの張りに対しては緊急性が低いです。

  3. 3.  性器出血の有無

    子宮収縮と性器出血の合併は切迫流産の主要徴候であり、緊急対応の要否を左右する最優先の観察項目です。

  4. × 4.  排泄状況

    便秘は子宮収縮を誘発する要因ではありますが、まず行うべきは切迫流産の徴候の確認です。

切迫流産の三徴は『下腹部痛』『性器出血』『子宮収縮』で、出血があれば流産進行のリスクが高まります。災害時の妊婦は脱水・ストレス・長時間同一姿勢などにより子宮収縮をきたしやすく、福祉避難所や産科医療機関への早期連携が欠かせません。妊娠22週未満は流産、22週以降は早産と定義が変わる点も確認しておきましょう。

妊娠20週の切迫流産を念頭に置き、緊急性の高い観察項目を選べるかを問う問題です。ABCDアプローチと同様、生命・妊娠継続に直結する徴候から確認する姿勢が重要です。