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福祉避難所への移送は誰と連携する?

看護師国家試験 第110回 午前 第120問 / 看護の統合と実践 / 状況設定問題

国試問題にチャレンジ

110回 午前 第120問

A市に住むBさん( 40歳、経産婦)は、妊娠20週0日である。夫( 42歳、会社員)、長女のCちゃん( 5歳)の3人暮らし。朝食を終えた午前8時、大規模災害が発生し、夫は倒壊した家屋に両下肢が挟まれ身動きがとれなくなった。一緒にいたBさんとCちゃんは無事だったが、慌てるBさんのそばでCちゃんは泣きながら座りこんでいた。午前10時、夫は救助隊に救出されたが、下肢の感覚はなくなっていた。病院に搬送された夫は、その日のうちに入院となった。 Bさんに異常は認められなかったが、Cちゃんも不安な表情でBさんの傍にいる姿をみて、看護師はBさんとCちゃんは福祉避難所への移動が必要ではないかと考えた。 福祉避難所への移動のために看護師が連携する者で適切なのはどれか。

  1. 1.精神科医
  2. 2.民生委員
  3. 3.A市の保健師
  4. 4.ボランティアの保育士

対話形式の解説

博士 博士

被災したBさんとCちゃんを福祉避難所へ移す相談役を考えるのじゃ。

アユム アユム

まず福祉避難所について整理したいです。

博士 博士

福祉避難所は、災害対策基本法に基づき市町村が指定する二次避難所じゃ。

アユム アユム

対象は高齢者、障害者、妊産婦、乳幼児、難病患者など要配慮者ですね。

博士 博士

Bさんは妊婦、Cちゃんは乳幼児じゃから要配慮者に該当する。

アユム アユム

設置・運営は市町村が担うので、連携の中心は行政機関ですね。

博士 博士

そうじゃ。避難所を巡回しているのは誰かのう。

アユム アユム

市町村の保健師が巡回して健康チェックをしていますね。

博士 博士

そうじゃ、保健師は医療と行政の橋渡し役で、要配慮者の情報を集約しておる。

アユム アユム

選択肢1の精神科医は、精神症状がないBさんには優先されませんね。

博士 博士

必要な場面が限られる。

アユム アユム

選択肢2の民生委員は地域相談役ですが、移送の権限はありません。

博士 博士

行政的調整は担当しておらんのう。

アユム アユム

選択肢4のボランティア保育士はCちゃんの支援には役立ちますが、福祉避難所への移送調整は別ですね。

博士 博士

その役割は保健師に集約される。

アユム アユム

したがって連携先はA市の保健師が最適です。

博士 博士

正解じゃ。平時から福祉部門との協定を把握しておく保健師の力が発揮される場面じゃな。

POINT

福祉避難所は市町村が指定・運営する二次避難所で、要配慮者が対象となります。移送の判断や調整は行政が担い、現場で情報を集約する保健師が多職種連携の中心を担います。精神科医や民生委員、ボランティア保育士も支援の一翼を担いますが、福祉避難所への移動調整の主たる連携先ではありません。したがって正解はA市の保健師です。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:A市に住むBさん( 40歳、経産婦)は、妊娠20週0日である。夫( 42歳、会社員)、長女のCちゃん( 5歳)の3人暮らし。朝食を終えた午前8時、大規模災害が発生し、夫は倒壊した家屋に両下肢が挟まれ身動きがとれなくなった。一緒にいたBさんとCちゃんは無事だったが、慌てるBさんのそばでCちゃんは泣きながら座りこんでいた。午前10時、夫は救助隊に救出されたが、下肢の感覚はなくなっていた。病院に搬送された夫は、その日のうちに入院となった。 Bさんに異常は認められなかったが、Cちゃんも不安な表情でBさんの傍にいる姿をみて、看護師はBさんとCちゃんは福祉避難所への移動が必要ではないかと考えた。 福祉避難所への移動のために看護師が連携する者で適切なのはどれか。

解説:正解は3です。福祉避難所の設置・運営は市町村が担い、要配慮者の受け入れ調整も自治体が行います。避難所を巡回する市町村の保健師は、医学的視点と行政的調整の両方を担える職種で、妊婦や乳幼児などの要配慮者を福祉避難所へつなぐ窓口として最も適切な連携先です。

選択肢考察

  1. × 1.  精神科医

    精神疾患を疑う場合には連携が必要ですが、Bさんには現時点で精神症状はなく、移動調整の主たる相手ではありません。

  2. × 2.  民生委員

    民生委員は地域住民の相談役ですが、福祉避難所の運営調整は市町村の保健福祉部門が担当します。

  3. 3.  A市の保健師

    市町村の保健師は避難所を巡回し、要配慮者の把握と福祉避難所への移送調整を行うため、最適な連携先です。

  4. × 4.  ボランティアの保育士

    避難所での子どもの支援には有用ですが、福祉避難所への移動調整には行政的権限が必要で、保健師との連携が優先されます。

福祉避難所は、高齢者、障害者、妊産婦、乳幼児、難病患者など一般の避難所では生活に支障を来す要配慮者を受け入れる二次避難所で、災害対策基本法に基づき市町村が指定します。運用は平時の福祉施設との協定が前提で、開設時には保健師やケースワーカーがアセスメントを行い、必要性が高い人から順に移送します。Bさんは妊婦、Cちゃんは乳幼児で、いずれも要配慮者に該当します。

福祉避難所の制度概要と、要配慮者の移送に関わる多職種連携の中心が市町村保健師であることを理解しているかを問う問題です。