Apgarスコアの正しい採点方法を身につけよう
看護師国家試験 第105回 午後 第78問 / 母性看護学 / 早期新生児期の看護
国試問題にチャレンジ
在胎40週0日、体重3,011gで出生した男児。出生後1分、呼吸数60/分、心拍数140/分であった。四肢を屈曲させ、刺激に対して啼泣している。体幹はピンク色、四肢にはチアノーゼがみられる。 この男児の1分後のApgar〈アプガー〉スコアはどれか。
- 1.1点
- 2.3点
- 3.5点
- 4.7点
- 5.9点
対話形式の解説
博士
今日はApgarスコアの計算問題だよ。新生児の健康状態評価の基本中の基本だ。
アユム
はかせ、Apgarスコアって5項目を各0〜2点で評価するんですよね?
博士
そのとおり。APGARの頭文字になっているんだ。Appearance皮膚色、Pulse心拍、Grimace反射、Activity筋緊張、Respiration呼吸だよ。
アユム
この症例を一緒に見ていきましょう。在胎40週0日、3011gの男児。呼吸60、心拍140、四肢屈曲、刺激で啼泣、体幹ピンク、四肢チアノーゼですね。
博士
一つずつ採点していこう。まず皮膚色はどうかな?
アユム
体幹はピンクだけど四肢にチアノーゼがあるから…1点ですか?
博士
正解!全身ピンクなら2点、体幹ピンクで四肢チアノーゼは1点、全身チアノーゼや蒼白なら0点だ。
アユム
心拍数140/分は?
博士
100以上だから2点だよ。100未満は1点、心拍なしは0点だ。
アユム
反射は刺激に対して啼泣していますから…
博士
泣く・咳嗽・嘔吐反射があれば2点、顔をしかめる程度なら1点、無反応は0点だ。だから2点だね。
アユム
筋緊張は四肢を屈曲させているから、四肢を十分に曲げている状態で2点ですか?
博士
そのとおり。四肢をいくらか曲げるなら1点、完全にぐったりで0点だ。
アユム
呼吸は60/分で啼泣していますね。
博士
呼吸数60は新生児では正常範囲で、強く啼泣しているから2点だよ。弱く泣いて不規則なら1点、呼吸なしは0点だ。
アユム
合計すると1+2+2+2+2=9点です!
博士
正解!9点は正常範囲の典型例だよ。出生直後は肺呼吸への切り替わりで末梢循環が確立するまで時間がかかるから、末梢性チアノーゼで皮膚色1点になり9点が最高値になりやすいんだ。
アユム
10点満点は珍しいんですね。
博士
そうだよ。実際の臨床でも多くの正常児は1分値9点になる。
アユム
判定基準を確認したいです。
博士
8〜10点は正常、4〜7点は軽症仮死、0〜3点は重症仮死で蘇生が必要だ。5分値が7点未満だと神経学的予後の悪化リスクがあるから、継続観察が重要だよ。
アユム
5分後にも採点するんですね。
博士
そう、1分と5分が基本で、必要なら10分、15分も採点する。5分値が低ければ脳性麻痺や発達障害のリスクを考慮して蘇生を継続する。
POINT
Apgarスコアは新生児の健康評価指標で、皮膚色・心拍・反射・筋緊張・呼吸の5項目を各0〜2点で採点します。本症例は皮膚色1点、他4項目すべて2点で合計9点、正常範囲です。出生直後は末梢性チアノーゼが残りやすく、皮膚色で1点減点の9点が多いです。5分値が7点未満なら蘇生継続が必要です。
解答・解説
正解は 5 です
問題文:在胎40週0日、体重3,011gで出生した男児。出生後1分、呼吸数60/分、心拍数140/分であった。四肢を屈曲させ、刺激に対して啼泣している。体幹はピンク色、四肢にはチアノーゼがみられる。 この男児の1分後のApgar〈アプガー〉スコアはどれか。
解説:正解は 5 です。Apgarスコアの5項目(皮膚色・心拍数・反射・筋緊張・呼吸)をこの症例に適用すると、皮膚色は体幹ピンクで四肢チアノーゼ(末梢性チアノーゼ)のため1点、心拍数140/分は100以上で2点、刺激に対し啼泣しているため反射は2点、四肢を屈曲しているため筋緊張は2点、呼吸数60/分で啼泣もあり呼吸は2点、合計で1+2+2+2+2=9点となります。新生児は出生直後に末梢性チアノーゼを呈することが多く、9点は正常範囲です。
選択肢考察
-
× 1. 1点
1点は重症新生児仮死に相当します。本児は啼泣し心拍140/分で活発なため、該当しません。
-
× 2. 3点
3点以下は重症仮死で蘇生が必要な状態ですが、本児は心拍・呼吸・反射・筋緊張すべて良好で該当しません。
-
× 3. 5点
4〜6点は軽症仮死に相当します。本児は皮膚色以外はすべて2点であり、5点にはなりません。
-
× 4. 7点
7点は正常範囲の下限付近ですが、本児は皮膚色のみ1点でそれ以外は2点のため9点であり、7点は不正解です。
-
○ 5. 9点
皮膚色1点(体幹ピンク・四肢チアノーゼ)+心拍数2点(100以上)+反射2点(啼泣)+筋緊張2点(四肢屈曲)+呼吸2点(60/分で啼泣)=9点。新生児の1分値としては正常です。
Apgarスコアは1952年にVirginia Apgarが考案した新生児の健康評価指標で、生後1分と5分に採点します(必要に応じて10分、15分も)。項目はAppearance(皮膚色)・Pulse(心拍)・Grimace(反射)・Activity(筋緊張)・Respiration(呼吸)でAPGARの頭文字になります。各項目0〜2点、合計10点満点で、8〜10点は正常、4〜7点は軽症仮死、0〜3点は重症仮死と判定します。出生直後は肺呼吸への切り替わりで末梢循環が確立するまで時間がかかるため、皮膚色で1点減点の9点が最高値になりやすいのが特徴です。5分値が7点未満なら神経学的予後が悪化するリスクがあるため継続的な蘇生と観察が必要です。
Apgarスコア5項目の配点基準を正確に理解し、症例情報から合計点を計算できるかを問う問題です。
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