育児時間と育児休業の違い
看護師国家試験 第113回 午前 第59問 / 母性看護学 / 母性看護の対象と社会・環境
国試問題にチャレンジ
法律で定められている育児時間に関する説明で正しいのはどれか。
- 1.育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(育児・介護休業法)に規定されている。
- 2.請求できるのは子が1歳6か月に達するまでである。
- 3.父親と母親の両方が取得できる。
- 4.1日に2回請求できる。
対話形式の解説
博士
今日は育児時間に関する法律を整理するのじゃ。
サクラ
育児時間は育児・介護休業法に定められているんですか?
博士
違うのじゃ。育児時間は労働基準法第67条に規定されておる。
サクラ
混乱しやすいですね。育児休業とは別ものなんですね。
博士
そうじゃ。育児休業は育児・介護休業法、育児時間は労基法じゃ。
サクラ
育児時間は1日何回取れるんですか?
博士
1日2回、それぞれ少なくとも30分じゃ。休憩時間とは別枠じゃぞ。
サクラ
父親も取れるんですか?
博士
労基法67条は女性労働者への母性保護規定じゃから、原則として父親は対象外じゃ。
サクラ
育児休業は男女ともに取れますよね。
博士
うむ、ここが制度の違いじゃな。
サクラ
育児時間を請求できるのはいつまでですか?
博士
生後満1歳に達しない生児を育てる間じゃ。1歳6か月は育児休業の延長期間と混同しやすいぞ。
サクラ
使用者は拒めるんですか?
博士
拒めないのじゃ。法的に保障された権利じゃ。
サクラ
授乳や保育園の送迎にも使えて便利ですね。
POINT
育児時間は労働基準法第67条に基づく母性保護規定で、生後1歳未満の児を育てる女性労働者が1日2回、各少なくとも30分取得できます。育児休業は育児・介護休業法に基づき、男女ともに原則1歳まで(延長で最長2歳)取得可能な別制度です。両者は根拠法・対象・期間が異なるため、看護師国試では混同しやすいポイントとして整理しておきましょう。
解答・解説
正解は 4 です
問題文:法律で定められている育児時間に関する説明で正しいのはどれか。
解説:正解は4です。育児時間は労働基準法第67条に規定され、生後満1歳に達しない生児を育てる女性労働者は、休憩時間とは別に1日2回、各々少なくとも30分の育児時間を請求できます。
選択肢考察
-
× 1. 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(育児・介護休業法)に規定されている。
育児時間は労働基準法第67条の母性保護規定に基づきます。育児・介護休業法は育児休業・介護休業・子の看護休暇などを定めた別法で、育児時間の根拠条文はそちらには置かれていません。
-
× 2. 請求できるのは子が1歳6か月に達するまでである。
育児時間を請求できる期間は「生後満1歳に達しない生児」を育てる間と明確に規定されており、1歳6か月までではありません。1歳6か月は育児休業の延長可能期間として混同しやすい数字です。
-
× 3. 父親と母親の両方が取得できる。
労働基準法第67条は「女性労働者」に対する母性保護規定であり、原則として父親は対象外です。授乳等を主な目的としているため、母親の権利として位置づけられています。
-
○ 4. 1日に2回請求できる。
労働基準法第67条により、女性労働者は1日2回、各少なくとも30分の育児時間を請求でき、使用者はこれを拒むことができません。通常の休憩時間とは別枠で取得可能です。
育児時間は授乳や保育園の送迎などの実情に合わせて活用されます。午前と午後に分けてもよく、まとめて取得することも労使合意で可能です。一方、育児休業(育児・介護休業法)は原則1歳まで(延長で最長2歳まで)、男女ともに取得可能です。両制度の根拠法・対象・期間を混同しないよう整理しておきましょう。
育児時間と育児休業の根拠法・対象・回数の違いを正確に区別できるかを問う問題です。
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