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出生前診断と母体保護法の基本

看護師国家試験 第104回 午前 第62問 / 母性看護学 / 妊娠期の看護

国試問題にチャレンジ

104回 午前 第62問

出生前診断について正しいのはどれか。

  1. 1.遺伝相談は勧めない。
  2. 2.胎児異常を理由に人工妊娠中絶はできない。
  3. 3.治療不可能な疾患に関する診断結果は伝えない。
  4. 4.胎児の超音波検査は出生前診断の方法に含まれない。

対話形式の解説

博士 博士

今日は出生前診断の倫理と法律をみていくぞ。

アユム アユム

胎児の状態を妊娠中に調べる検査ですよね。

博士 博士

超音波・母体血マーカー・NIPT・羊水穿刺など、侵襲度に幅があるのじゃ。

アユム アユム

非侵襲的なのは超音波やNIPTで、確定診断は羊水や絨毛検査ですね。

博士 博士

その通り。さて、胎児の異常がわかったら中絶できるのかな?

アユム アユム

母体保護法では胎児を理由とした中絶は認められていないと習いました。

博士 博士

そう、母体の健康や経済的事由による条項のみで、胎児条項はないのじゃ。

アユム アユム

ということは選択肢2が正解ですね。

博士 博士

遺伝相談を勧めないという1はどうじゃ。

アユム アユム

事前カウンセリングが原則ですから不適切です。

博士 博士

結果を伝えない3も知る権利の侵害になるのじゃ。

アユム アユム

超音波検査は出生前診断の代表的な手段なので4も誤りですね。

博士 博士

看護職としては、決定の重みに寄り添い意思決定支援を行うことが大切じゃ。

アユム アユム

心理的サポートも含めた継続的な関わりが必要なのですね。

POINT

出生前診断は超音波・母体血マーカー・NIPT・羊水検査などを含み、実施前後の遺伝カウンセリングが必須です。母体保護法は胎児条項を持たず、胎児異常を理由とする中絶は法的に認められていません。看護師は知る権利を尊重しながら正確な情報提供と心理的支援を行い、夫婦の意思決定を支える役割を担います。倫理的配慮を欠かさない姿勢が求められます。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:出生前診断について正しいのはどれか。

解説:正解は2の「胎児異常を理由に人工妊娠中絶はできない。」です。母体保護法で人工妊娠中絶が認められるのは、母体の身体的・経済的理由で妊娠継続や分娩が著しく健康を害するおそれがある場合などに限られ、胎児側の異常を直接の理由とする中絶は法律上認められていません。

選択肢考察

  1. × 1.  遺伝相談は勧めない。

    出生前診断を検討する際は遺伝カウンセリングを受け、検査の意義・限界・結果への対応を理解した上で意思決定することが推奨されます。相談を控える対応は不適切です。

  2. 2.  胎児異常を理由に人工妊娠中絶はできない。

    母体保護法に胎児条項は規定されておらず、胎児の異常そのものを根拠とする中絶は法的に認められていません。

  3. × 3.  治療不可能な疾患に関する診断結果は伝えない。

    知る権利の尊重とインフォームド・コンセントの観点から、治療可否にかかわらず結果は正確に説明し、心理的支援とともに今後の選択を共に検討する必要があります。

  4. × 4.  胎児の超音波検査は出生前診断の方法に含まれない。

    超音波検査は非侵襲的な代表的出生前診断法で、形態異常やNT計測などに用いられます。羊水検査・絨毛検査・NIPTなどと並ぶ重要な手段です。

出生前診断には超音波・母体血マーカー・NIPT(無侵襲的出生前遺伝学的検査)などの非確定検査と、羊水検査・絨毛検査などの確定検査があります。実施前後には認定遺伝カウンセラーや臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングが原則です。

母体保護法の中絶要件と、出生前診断における倫理的配慮(カウンセリング・知る権利)を確認する問題です。