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死産後のグリーフケア!どんな声かけが適切?

看護師国家試験 第103回 午前 第67問 / 母性看護学 / 状況設定問題

国試問題にチャレンジ

103回 午前 第67問

Aさんは妊娠28週で子宮内胎児死亡のため死児を出産した。翌日、児との面会で、Aさんは「ごめんね」と言い、身動きせずにじっと児を見つめていた。 Aさんへの看護師の対応で最も適切なのはどれか。

  1. 1.「つらいですよね」
  2. 2.「早く忘れましょう」
  3. 3.「元気を出してください」
  4. 4.「次の妊娠について考えましょう」

対話形式の解説

博士 博士

今日は周産期死亡後の母親への看護を考えよう。Aさんは妊娠28週で子宮内胎児死亡、翌日に児と面会している場面だね。

サクラ サクラ

『ごめんね』と言って身動きせずじっと児を見つめている、とても辛い場面です。

博士 博士

Aさんは死産翌日でショック・否認の段階にあり、自責感と現実感の喪失を示している。グリーフケアの基本は何だろう?

サクラ サクラ

悲嘆を肯定し、感情表出を促し、受容過程に寄り添うことだと思います。

博士 博士

その通り。安易な励ましや方向転換は避けるんだ。選択肢を見ていこう。

サクラ サクラ

選択肢1の『つらいですよね』は共感を示す言葉ですね。

博士 博士

そう、悲嘆を肯定し感情表出を促す適切な声かけで、これが正解だよ。

サクラ サクラ

選択肢2の『早く忘れましょう』は悲嘆を否定していますね。

博士 博士

母親の児への愛着や悲しみを抑圧することになり、複雑性悲嘆につながる恐れがある。不適切だ。

サクラ サクラ

選択肢3の『元気を出してください』も安易な励ましですね。

博士 博士

ショック期の母親には『理解してもらえない』という疎外感を生む。これも不適切だ。

サクラ サクラ

選択肢4の『次の妊娠について考えましょう』は?

博士 博士

亡くなった児への愛着を無視する発言で、寄り添う姿勢に欠ける。次の妊娠の話は本人が希望した時期に行うべきだよ。

サクラ サクラ

面会以外にどんな支援がありますか?

博士 博士

抱っこ、写真撮影、命名、手形足形などメモリアル支援が悲嘆作業を助けるんだ。

サクラ サクラ

長期的にはどう支えますか?

博士 博士

複雑性悲嘆や産後うつのリスクに注意して、退院後も継続的な支援体制を整えることが大事だね。

POINT

死産直後のショック期では、共感的傾聴と悲嘆の肯定が最も重要です。安易な励ましや方向転換は感情表出を妨げ、悲嘆プロセスを遅延させます。メモリアル支援や長期的フォローアップを含めたグリーフケア体制を整えましょう。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:Aさんは妊娠28週で子宮内胎児死亡のため死児を出産した。翌日、児との面会で、Aさんは「ごめんね」と言い、身動きせずにじっと児を見つめていた。 Aさんへの看護師の対応で最も適切なのはどれか。

解説:正解は 1 です。Aさんは死産翌日でショック・否認の段階にあり、自責感(『ごめんね』)と現実感の喪失(身動きせず児を見つめる)を示しています。グリーフケアでは喪失の悲嘆を肯定し、受容過程に寄り添うことが基本姿勢です。看護師は安易な励ましや方向転換を避け、感情表出を促し共感的に傾聴することで、悲嘆作業(モーニングワーク)を支援します。

選択肢考察

  1. 1.  「つらいですよね」

    Aさんの悲嘆を肯定し共感を示す言葉です。喪失の感情を表出させ、悲嘆作業を促進する適切な声かけで、グリーフケアの基本に合致します。

  2. × 2.  「早く忘れましょう」

    悲嘆の感情を否定し、母親としての児への愛着や悲しみを抑圧することになります。悲嘆プロセスの遅延・複雑性悲嘆につながるため不適切です。

  3. × 3.  「元気を出してください」

    ショック期にある母親に対する安易な励ましは感情表出を妨げ、『理解してもらえない』という疎外感を強めるため不適切です。

  4. × 4.  「次の妊娠について考えましょう」

    亡くなった児への愛着や悲嘆を無視する発言で、母親の感情に寄り添う姿勢に欠けます。次の妊娠は本人が希望した時期に話題にすべきです。

周産期死亡(流産・死産・新生児死亡)後のグリーフケアでは、児との面会・抱っこ・写真撮影・命名・手形足形などのメモリアル支援が悲嘆作業を助けます。悲嘆プロセスはショック期→喪失期→閉じこもり期→再生期と進み、各段階に応じた寄り添いが必要です。複雑性悲嘆や産後うつのリスクにも注意し、長期的な支援体制を整えます。

周産期死亡後のグリーフケアにおける共感的傾聴の重要性を問う問題です。