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在胎38週帝王切開児のアセスメント、成熟児の見方を押さえよう

看護師国家試験 第107回 午前 第102問 / 母性看護学 / 状況設定問題

国試問題にチャレンジ

107回 午前 第102問

在胎38週4日、骨盤位のため予定帝王切開術で出生した男児。看護師はインファントラジアントウォーマー下で児の全身を観察した。羊水混濁はなかった。 身体所見:身長49.0cm、体重2,900g、頭囲33.0cm、胸囲32.0cm。直腸温37.8℃、呼吸数55/分、心拍数150/分。大泉門は平坦、骨重積なし、産瘤なし、頭血腫なし。胎脂は腋窩にあり。筋緊張は強く、四肢は屈曲位。皮膚は厚い。うぶ毛は背中の1/2にあり。耳介は硬い。精巣は両側ともに完全に下降。外表奇形はなし。 検査所見:Apgar< アプガー >スコアは1分後9点、5分後10点。臍帯動脈血pH7.30。 この児のアセスメントで適切なのはどれか。

  1. 1.新生児仮死
  2. 2.成熟児
  3. 3.高体温
  4. 4.水頭症(hydrocephalus)

対話形式の解説

博士 博士

今日の問題は在胎38週4日、予定帝王切開で生まれた男児の評価じゃ。

アユム アユム

まず在胎週数ですよね。38週なら正期産の範囲ですね。

博士 博士

うむ。正期産は37週0日から41週6日までじゃ。これで未熟児や過期産はまず除外できる。

アユム アユム

次に体格ですが、身長49cm、体重2,900g、頭囲33cm、胸囲32cm、どれも成熟児の標準範囲ですね。

博士 博士

よう覚えておるな。頭囲が胸囲よりやや大きいのも新生児の特徴じゃ。

アユム アユム

筋緊張が強く四肢が屈曲位というのも大事な所見ですか?

博士 博士

大事じゃ。未熟児は筋緊張が弱くて四肢が伸展しがちじゃが、成熟児は屈曲姿勢を保てる。

アユム アユム

皮膚は厚く、胎脂が腋窩にしか残っていない、うぶ毛は背中の半分、耳介が硬い、精巣は完全下降……これ全部、成熟の指標ですよね。

博士 博士

その通りじゃ。ニューバラード法でチェックする項目が軒並み成熟側に振れておる。

アユム アユム

Apgarも1分9点、5分10点で正常ですね。pH 7.30も問題なし。

博士 博士

じゃから新生児仮死は否定できる。仮死はApgar 6点以下、pHは7.0未満が一つの目安じゃ。

アユム アユム

体温が37.8℃と少し高めなのが気になりますが、高体温と言えますか?

博士 博士

ラジアントウォーマー下で測定しておる点を考慮すべきじゃ。新生児の正常は36.5〜37.5℃、異常扱いは通常38℃以上じゃから、生理的範囲内と見て良い。

アユム アユム

水頭症は頭囲と大泉門で除外ですね。頭囲33cmは正常だし、大泉門も平坦。

博士 博士

じゃから残るは成熟児、これが答えじゃ。

アユム アユム

成熟児の評価は個別の所見をバラバラに見るのではなく、全体として統合して判断することが大切なんですね。

POINT

新生児のアセスメントでは、在胎週数・体格・外表所見・神経学的所見・Apgar・pHを総合して成熟度と適応状態を評価します。本児は正期産で体格も基準内、筋緊張・皮膚・うぶ毛・耳介・精巣など成熟徴候が揃い、Apgar・pHも良好であることから成熟児と判断されます。ラジアントウォーマー下の体温は若干高めに出やすい点、頭囲・大泉門で水頭症を除外する視点も重要です。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:在胎38週4日、骨盤位のため予定帝王切開術で出生した男児。看護師はインファントラジアントウォーマー下で児の全身を観察した。羊水混濁はなかった。 身体所見:身長49.0cm、体重2,900g、頭囲33.0cm、胸囲32.0cm。直腸温37.8℃、呼吸数55/分、心拍数150/分。大泉門は平坦、骨重積なし、産瘤なし、頭血腫なし。胎脂は腋窩にあり。筋緊張は強く、四肢は屈曲位。皮膚は厚い。うぶ毛は背中の1/2にあり。耳介は硬い。精巣は両側ともに完全に下降。外表奇形はなし。 検査所見:Apgar< アプガー >スコアは1分後9点、5分後10点。臍帯動脈血pH7.30。 この児のアセスメントで適切なのはどれか。

解説:正解は2です。この児は在胎38週4日で出生しており、正期産(37週0日〜41週6日)の範囲に入ります。身体所見を一つずつ見ていくと、身長・体重・頭囲・胸囲は成熟新生児の基準内で、筋緊張は良好、四肢は屈曲位、皮膚は厚く胎脂が腋窩まで減少、うぶ毛は背中の半分、耳介軟骨はしっかりしており、精巣は完全下降しています。これらはいずれも成熟の指標(デュボヴィッツ法やニューバラード法で評価する項目)に適合します。Apgar 1分9点/5分10点、臍帯動脈血pH 7.30と検査所見も正常であり、総合的に成熟児と判断できます。

選択肢考察

  1. × 1.  新生児仮死

    新生児仮死はApgarスコア6点以下や臍帯動脈血pH 7.0未満などで判定されます。本児は1分9点・5分10点、pH 7.30であり仮死には該当しません。

  2. 2.  成熟児

    正期産で体格・筋緊張・皮膚・うぶ毛・耳介・精巣下降など外表の成熟徴候が揃っており、成熟児と評価できます。

  3. × 3.  高体温

    新生児の正常体温は直腸温でおおむね36.5〜37.5℃、37.8℃はやや高めですが、ラジアントウォーマー下での測定という条件を踏まえれば生理的範囲内で、38℃以上を高体温とみなすのが一般的です。

  4. × 4.  水頭症(hydrocephalus)

    水頭症では頭囲の異常拡大、大泉門膨隆、縫合離開などを呈します。本児は頭囲33cmと正期産の基準内で大泉門も平坦であり、水頭症は否定されます。

成熟度評価ではニューバラード法が代表的で、姿勢・スカーフサイン・皮膚・うぶ毛・足底線・乳房・耳介・外陰の8項目+神経学的所見を点数化します。正期産成熟児の典型像は、屈曲姿勢・厚い皮膚・胎脂の減少・耳介軟骨の硬さ・男児では精巣完全下降です。ラジアントウォーマー下では体温がやや高めに出やすいことも覚えておきましょう。

出生直後の新生児のバイタル・外表所見から成熟度と異常の有無を総合判断できるかを問うています。