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分娩第一期の疲労ケアと休息の重要性

看護師国家試験 第107回 午前 第117問 / 母性看護学 / 状況設定問題

国試問題にチャレンジ

107回 午前 第117問

Aさん( 31歳、初産婦 )。妊娠40週1日。Aさんは午前5時に、陣痛間欠10分、陣痛発作10秒となり入院した。入院時の内診所見は子宮口1cm開大で、未破水であった。 このとき、Aさんは陣痛のたびに緊張して身体を固くし、痛みがないときは眠そうにしている。昼食は、プリン1個と牛乳1本を摂っている。Aさんは「赤ちゃんは、なかなか生まれないですね」と疲れた表情で看護師に話す。 このときのAさんへの対応として適切なのはどれか。

  1. 1.「陣痛に合わせていきんでみましょう」
  2. 2.「眠いときは眠るようにしましょう」
  3. 3.「階段の昇り降りをしましょう」
  4. 4.「お風呂に入ってみましょう」

対話形式の解説

博士 博士

Aさんは初産婦、子宮口1cmで陣痛のたびに緊張、間欠時は眠そうじゃ。どう声をかける?

サクラ サクラ

「陣痛に合わせていきみましょう」はどうですか?

博士 博士

それは危険じゃ。子宮口全開大前の努責は禁忌じゃぞ。

サクラ サクラ

あ、そうでした。頸管裂傷や浮腫の原因になりますね。

博士 博士

その通り。ではどうする?

サクラ サクラ

疲れているので休ませる方がよいですよね。

博士 博士

そうじゃ。初産婦の分娩所要時間は平均12〜15時間。長丁場になるのじゃ。

サクラ サクラ

疲労が溜まると陣痛も弱まるって聞きました。

博士 博士

うむ。間欠時に眠れるうちに眠るよう促すのが賢明じゃ。

サクラ サクラ

階段昇降はどうでしょう?

博士 博士

微弱陣痛の促進目的ならありじゃが、Aさんは既に疲れておる。体力を奪うのは逆効果じゃ。

サクラ サクラ

入浴は?リラックスできそうですが。

博士 博士

分娩第一期の入浴は転倒や急な進行のリスクがある。本問では適切ではないのじゃ。

サクラ サクラ

水分や軽食は摂ってよいんですね。

博士 博士

うむ。プリンや牛乳のような消化のよい炭水化物は体力維持に役立つのじゃ。

サクラ サクラ

呼吸法やフリースタイル体位もありますね。

博士 博士

リラクセーションの工夫は助かるのう。

サクラ サクラ

家族の付き添いや声かけも支えになりますね。

博士 博士

その通り。産婦の心身を整えるのが看護の腕の見せどころじゃ。

POINT

本問は分娩第一期における疲労ケアを問うものです。子宮口1cmの段階では努責は禁忌で、入浴や階段昇降も疲労しているAさんには適しません。眠れる間欠時に休息を取るよう促すのが正解で、呼吸法、体位の工夫、消化のよい食事摂取と合わせて、長時間の分娩に備える体力温存が基本です。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:Aさん( 31歳、初産婦 )。妊娠40週1日。Aさんは午前5時に、陣痛間欠10分、陣痛発作10秒となり入院した。入院時の内診所見は子宮口1cm開大で、未破水であった。 このとき、Aさんは陣痛のたびに緊張して身体を固くし、痛みがないときは眠そうにしている。昼食は、プリン1個と牛乳1本を摂っている。Aさんは「赤ちゃんは、なかなか生まれないですね」と疲れた表情で看護師に話す。 このときのAさんへの対応として適切なのはどれか。

解説:正解は2です。初産婦の分娩所要時間は平均12〜15時間とされ、分娩第一期は長時間となりがちです。Aさんは陣痛時には緊張し、間欠時は眠そうにしている様子から、相当の疲労が蓄積していると読み取れます。疲労は子宮収縮を弱め、分娩進行を遅延させる要因となります。間欠時に眠れるうちに休息を取り体力を温存することが、今後の分娩進行と産婦の安全の両面で最も重要な支援となります。

選択肢考察

  1. × 1.  「陣痛に合わせていきんでみましょう」

    努責(いきみ)は子宮口が全開大(10cm)になってから始めるもので、子宮口1cmの段階での努責は子宮頸管裂傷、頸管浮腫、早期破水の原因となり禁忌です。

  2. 2.  「眠いときは眠るようにしましょう」

    陣痛間欠時の休息は疲労回復と体力温存に有効で、有効陣痛の維持にもつながります。Aさんの状態に最も適した助言です。

  3. × 3.  「階段の昇り降りをしましょう」

    微弱陣痛の促進のために歩行を勧める場面はありますが、Aさんはすでに疲労している段階であり、さらに身体的負荷をかけると子宮収縮が弱まる恐れがあります。

  4. × 4.  「お風呂に入ってみましょう」

    未破水であれば入浴がリラックス目的で検討される場合もありますが、分娩第一期に入った産婦への入浴は転倒や急な分娩進行のリスクがあり、本事例では適切ではありません。

分娩第一期は子宮口全開大までで、潜伏期と活動期に分けられます。初産婦では潜伏期が長引きやすく、リラクセーション、呼吸法、フリースタイル体位、間欠時の休息、水分・炭水化物の摂取が推奨されます。疲労や脱水は微弱陣痛の原因となるため、飲水や経口の軽食は妨げず、休息を促すのが基本です。

分娩第一期における疲労への看護援助と、努責や入浴などの適応・禁忌を判断する力を問う問題です。