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妊娠期間中の推奨体重増加量

看護師国家試験 第110回 午前 第107問 / 母性看護学 / 状況設定問題

国試問題にチャレンジ

110回 午前 第107問

Aさん( 30歳、初妊婦)は、夫( 32歳、会社員)と2人暮らし。身長は160cm、非妊時体重60kgである。妊娠8週の妊婦健康診査を受診し順調な経過と診断された。嘔吐はないが、時々嘔気があると訴え、対処法について質問があった。 妊娠12週の妊婦健康診査の際、「つわりが少し楽になってきて、ついつい食べてしまいます。あまり太らない方がよいですよね」と話す。 Aさんの妊娠期間中の理想体重増加量の範囲について、下限と上限の組合せで正しいのはどれか。

  1. 1.7kg ――― 10kg
  2. 2.7kg ――― 12kg
  3. 3.9kg ――― 10kg
  4. 4.9kg ――― 12kg

対話形式の解説

博士 博士

Aさんの非妊時BMIを計算してみよう。身長160cm、体重60kgじゃ。

サクラ サクラ

60÷(1.6×1.6)で約23.4ですね。

博士 博士

その通り。18.5以上25.0未満なので『ふつう』体格じゃな。

サクラ サクラ

やせ、ふつう、肥満で推奨される体重増加量が違うのですよね。

博士 博士

そうじゃ。やせは9〜12kg、ふつうは7〜12kg、肥満は個別対応が基本じゃ。

サクラ サクラ

では選択肢2の7〜12kgが正解ですね。

博士 博士

うむ、ふつう体格のAさんに当てはまる。

サクラ サクラ

選択肢1の7〜10kgではダメですか?

博士 博士

上限が低すぎて胎児発育不全のリスクが増す可能性がある。

サクラ サクラ

選択肢3と4はやせの範囲ですね。

博士 博士

その通り、BMI18.5未満の妊婦に相当する。

サクラ サクラ

最近厚労省の指針が改定されたと聞きました。

博士 博士

うむ、2021年の改定でふつう体格の目安は10〜13kgとなっておる。ただし国試ではこの旧基準の7〜12kgが正解として扱われることが多いのじゃ。

サクラ サクラ

体重増加が少なすぎるとどうなるのですか?

博士 博士

低出生体重児や早産のリスクが上がる。逆に増えすぎると妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、巨大児、帝王切開のリスクじゃ。

サクラ サクラ

『あまり太らない方がよい』という思い込みは危険ですね。

博士 博士

そうじゃ、必要な増加を過度に制限しないよう指導するのも大事じゃよ。

サクラ サクラ

食事の質と量のバランスですね。

博士 博士

良いぞ、栄養指導と体重管理は両輪じゃ。

POINT

本問は妊婦の推奨体重増加量を問う問題です。AさんはBMI約23.4でふつう体格に該当し、推奨は7〜12kgで正解は2です。やせの下限は9kg、肥満は個別対応と区別して覚えましょう。過少でも過剰でも母児にリスクがあるため、適切な体重管理指導が妊娠期看護の重要な役割となります。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:Aさん( 30歳、初妊婦)は、夫( 32歳、会社員)と2人暮らし。身長は160cm、非妊時体重60kgである。妊娠8週の妊婦健康診査を受診し順調な経過と診断された。嘔吐はないが、時々嘔気があると訴え、対処法について質問があった。 妊娠12週の妊婦健康診査の際、「つわりが少し楽になってきて、ついつい食べてしまいます。あまり太らない方がよいですよね」と話す。 Aさんの妊娠期間中の理想体重増加量の範囲について、下限と上限の組合せで正しいのはどれか。

解説:正解は2です。AさんのBMIは60÷(1.60×1.60)≒23.4で『ふつう』(18.5以上25.0未満)に該当します。日本産科婦人科学会および厚生労働省の妊娠中の体重増加指導の目安(2021年改定)では、ふつう体格の妊婦の推奨体重増加量は10〜13kgですが、本問の選択肢では7〜12kgが最も近く適切な答えとなります。

選択肢考察

  1. × 1.  7kg ――― 10kg

    上限が10kgは『ふつう』体格の推奨範囲として不足しており、胎児発育不全のリスクを高める可能性があります。

  2. 2.  7kg ――― 12kg

    BMI18.5以上25.0未満の『ふつう』体格に対する体重増加量の目安として示される範囲であり、Aさん(BMI約23.4)に合致します。

  3. × 3.  9kg ――― 10kg

    9〜12kgは『やせ』(BMI18.5未満)の推奨範囲に相当し、Aさんの体格には合いません。また上限10kgは狭すぎます。

  4. × 4.  9kg ――― 12kg

    『やせ』体格の推奨範囲であり、ふつう体格のAさんには下限が高すぎます。

妊娠前BMIによる体重増加量の目安は、やせ(BMI<18.5)9〜12kg、ふつう(18.5〜25.0未満)7〜12kg(現行の厚労省指導では10〜13kg)、肥満1度(25.0〜30.0未満)個別対応で概ね5kg程度、肥満2度以上は個別対応です。過度な体重増加は妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病、巨大児のリスクを、増加不足は低出生体重児や早産のリスクを高めます。

妊娠前BMIに基づく妊娠期間中の推奨体重増加量を理解しているかを問う問題です。