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新生児の熱喪失4経路を区別する

看護師国家試験 第113回 午前 第109問 / 母性看護学 / 状況設定問題

国試問題にチャレンジ

113回 午前 第109問

次の文を読み、問いに答えよ。 Aさん(32歳、初産婦)は妊娠39週4日で男児を正常分娩した。出生体重3,000g、身長48.0cm。出生直後、児に付着していた羊水を拭き取り、インファントラジアントウォーマーの下で観察を行った。その後、温めておいた衣服を着せてコットに寝かせ、コットを空調の風が当たらない場所に配置した。 看護師の行為で対流による児の熱喪失を予防したのはどれか。

  1. 1.羊水を拭き取った。
  2. 2.インファントラジアントウォーマーの下で観察を行った。
  3. 3.温めておいた衣服を着せた。
  4. 4.コットを空調の風が当たらない場所に配置した。

対話形式の解説

博士 博士

博士じゃ。今回は新生児の体温管理の問題じゃぞ。

サクラ サクラ

熱喪失の経路は4つありましたよね。

博士 博士

そうじゃ、蒸散、輻射、伝導、対流の4つじゃ。整理してみよう。

サクラ サクラ

まず蒸散は水分が蒸発するときの気化熱ですよね。

博士 博士

そう。羊水を拭き取るのが蒸散予防じゃ。選択肢1はこれに当たるのじゃ。

サクラ サクラ

インファントラジアントウォーマーは上から熱を当てているので輻射ですよね。

博士 博士

その通り。輻射は離れた物体との赤外線による熱移動じゃ。選択肢2は輻射予防じゃ。

サクラ サクラ

温めた衣服を着せるのは何になりますか。

博士 博士

冷たい衣服に触れると接触面から熱が逃げる、これが伝導じゃ。

サクラ サクラ

つまり選択肢3は伝導予防ですね。

博士 博士

よし、では残る対流はどれじゃ。

サクラ サクラ

空気の流れによる熱喪失なので、空調の風が当たらないようにするコット配置ですね。

博士 博士

正解じゃ。対流は気流が体表を通り過ぎるときに熱を奪う現象じゃ。

サクラ サクラ

4つすべての対応がこの問題に詰まっているんですね。

博士 博士

そうじゃ、新生児は体表面積比が大きく皮下脂肪も少ないから、すべての経路を意識しないといかんのじゃ。

サクラ サクラ

分娩室は26℃前後に保つのが基本でしたね。

POINT

新生児の熱喪失は蒸散・輻射・伝導・対流の4経路があり、それぞれに対応する看護行為が異なります。羊水拭き取りは蒸散、ラジアントウォーマーは輻射、温めた衣服は伝導、風を避ける配置は対流の予防に対応します。対流は気流による熱移動であることから、コットを空調の風が当たらない場所に置くことが直接の対策になります。新生児は低体温になりやすいため4経路すべてへの配慮が必要です。

解答・解説

正解は 4 です

問題文:次の文を読み、問いに答えよ。 Aさん(32歳、初産婦)は妊娠39週4日で男児を正常分娩した。出生体重3,000g、身長48.0cm。出生直後、児に付着していた羊水を拭き取り、インファントラジアントウォーマーの下で観察を行った。その後、温めておいた衣服を着せてコットに寝かせ、コットを空調の風が当たらない場所に配置した。 看護師の行為で対流による児の熱喪失を予防したのはどれか。

解説:正解は4です。新生児の熱喪失経路は蒸散・輻射(放射)・伝導・対流の4つに分類されます。このうち対流は、皮膚に接する空気が流れることで体表から熱が奪われる現象で、空調の風や人の動きで生じた気流が原因となります。コットを空調の風が当たらない場所に配置することは、この対流による熱喪失を直接防ぐ看護行為に該当します。

選択肢考察

  1. × 1.  羊水を拭き取った。

    皮膚表面の水分が蒸発する際に気化熱で体温が奪われる「蒸散」を予防する行為です。出生直後の新生児は大量の羊水で濡れており、すばやく拭き取ることが基本ケアとなります。

  2. × 2.  インファントラジアントウォーマーの下で観察を行った。

    上方からの輻射熱により児を温めるとともに、周囲の冷たい物体への「輻射(放射)」による熱喪失を防ぐ行為です。対流を直接防ぐものではありません。

  3. × 3.  温めておいた衣服を着せた。

    冷たい衣服に皮膚が触れると接触部分から熱が奪われる「伝導」が起こります。あらかじめ衣服を温めておくことでこの伝導による熱喪失を予防する行為です。

  4. 4.  コットを空調の風が当たらない場所に配置した。

    空気の流れが体表に当たると熱が奪われる現象が「対流」で、風が直接当たらない場所に児を置くことが対流による熱喪失予防の具体的な看護行為です。

新生児の熱喪失4経路は、蒸散(皮膚や呼吸からの水分蒸発)、輻射(離れた低温物体へ赤外線で放熱)、伝導(接触面からの熱移動)、対流(空気の流れによる熱移動)。新生児は体表面積が大きく、皮下脂肪が少なく、褐色脂肪細胞による非ふるえ熱産生に依存するため低体温になりやすい特徴があります。分娩室の温度は26℃前後に保つこと、保温環境(ニュートラル・サーマル・ゾーン)の維持が重要です。

新生児の4つの熱喪失経路と、それぞれに対する具体的な看護行為の対応関係を問う問題です。