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思春期を動かすホルモン、女子はエストロゲンが主役

看護師国家試験 第112回 午後 第83問 / 小児看護学 / 子どもの成長・発達

国試問題にチャレンジ

112回 午後 第83問

女子の第二次性徴に最も関与するホルモンはどれか。

  1. 1.エストロゲン
  2. 2.オキシトシン
  3. 3.成長ホルモン
  4. 4.甲状腺ホルモン
  5. 5.テストステロン

対話形式の解説

博士 博士

今日は第二次性徴の主役ホルモンを学ぶぞ。女子の身体変化、いくつ挙げられるかの?

サクラ サクラ

乳房が大きくなる、月経が始まる、体つきが丸くなる…くらいでしょうか。

博士 博士

十分じゃ。それらを一手に担うのがエストロゲンで、卵巣の顆粒膜細胞から分泌される卵胞ホルモンじゃ。

サクラ サクラ

どうして思春期になると急に増えるんですか?

博士 博士

視床下部からのGnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)分泌が夜間から増え始め、下垂体前葉のFSH・LHが上がり、卵巣が反応してエストロゲンを作り始めるのじゃ。視床下部-下垂体-性腺軸、通称HPG軸と呼ばれておる。

サクラ サクラ

男子のテストステロンと同じような仕組みなんですね。

博士 博士

その通り。男子は精巣のライディッヒ細胞がLH刺激でテストステロンを産生する。違いは産生臓器と主たるホルモンだけで、調節軸は共通じゃ。

サクラ サクラ

エストロゲンは乳房や子宮以外にも影響しますか?

博士 博士

骨に対しても重要じゃ。骨の成長を促す一方で骨端線を閉じる働きがある。だから初経後に身長の伸びが急に鈍るのじゃ。

サクラ サクラ

骨粗鬆症が閉経後に増えるのも、エストロゲンが減るからですよね。

博士 博士

鋭いの。エストロゲンは破骨細胞の働きを抑えておるから、閉経で急減すると骨吸収が進む。女性の骨粗鬆症リスクと直結するのじゃ。

サクラ サクラ

思春期の進み方には順番があると聞きました。

博士 博士

女子では乳房発育 → 陰毛 → 身長スパート → 初経の順じゃ。Tanner分類という評価法で段階分けする。日本の初経平均は約12歳じゃ。

サクラ サクラ

早すぎたり遅すぎたりすると問題があるんですか?

博士 博士

8歳未満の乳房発育は思春期早発症、13歳を過ぎても乳房発育が始まらなければ遅発思春期として精査対象になる。成長曲線と第二次性徴の発現を合わせて評価することが重要じゃ。

サクラ サクラ

看護師としては、思春期のプライバシーや心理的配慮も必要ですね。

博士 博士

その通り。身体の急な変化は不安や恥ずかしさを伴うから、信頼関係を築き、本人のペースで情報提供することが大切じゃ。

POINT

女子の第二次性徴の主役は卵巣から分泌されるエストロゲン(卵胞ホルモン)で、視床下部-下垂体-性腺軸の活性化により分泌が増加します。乳房発育、子宮・腟の発達、皮下脂肪分布の女性化、骨成長促進と骨端線閉鎖、初経の誘導など、思春期の身体変化を包括的に引き起こします。男子ではテストステロンが同じ役割を果たすと対比して覚えると整理しやすいでしょう。看護師は第二次性徴の発現時期・順序を成長曲線とあわせて評価し、早発・遅発思春期のスクリーニングや、思春期の子どもの心理面への配慮を含めた支援を行う必要があります。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:女子の第二次性徴に最も関与するホルモンはどれか。

解説:正解は 1 です。女子の第二次性徴は、視床下部からのGnRH分泌増加により下垂体前葉からFSH・LHが放出され、卵巣でのエストロゲン(卵胞ホルモン)産生が高まることで発現します。エストロゲンは乳房発育、子宮・卵管・腟の発達、皮下脂肪沈着による女性らしい体型、骨成長促進と骨端線閉鎖、初経の誘導など、女性特有の身体変化を包括的に引き起こします。

選択肢考察

  1. 1.  エストロゲン

    卵巣の顆粒膜細胞で産生される卵胞ホルモン。乳房発達、子宮内膜増殖、骨成長、脂肪分布の女性化など第二次性徴の中心的役割を担う。

  2. × 2.  オキシトシン

    下垂体後葉から分泌され、分娩時の子宮収縮と授乳時の射乳反射に関与する。第二次性徴には直接関与しない。

  3. × 3.  成長ホルモン

    下垂体前葉から分泌され全身の成長を促す。思春期のスパートに寄与するが、性徴そのものは誘発しない。

  4. × 4.  甲状腺ホルモン

    代謝と発育全般に作用する。欠乏すると成長障害をきたすが、性徴を直接誘発する役割はない。

  5. × 5.  テストステロン

    精巣から分泌される男性ホルモンで、男子の第二次性徴(声変わり、体毛、筋肉発達)を担う。女子では副腎由来の少量があるのみ。

女子の思春期進行は、乳房発育(thelarche)→ 陰毛発生(pubarche)→ 身長スパート → 初経(menarche)という順序をとり、Tanner分類で段階評価される。初経の平均年齢は日本では約12歳。早発思春期(女子で8歳未満の乳房発育)や遅発思春期(13歳以降も乳房発育なし)は内分泌学的評価が必要。男子ではテストステロン、女子ではエストロゲンが主体、という性差をセットで覚えると整理しやすい。

女性の第二次性徴を担う主要ホルモン(エストロゲン)を問う基本問題。産生部位(卵巣)と作用範囲を一体で理解する。