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「ばい菌で病気になる」と考えるのは何歳頃?ピアジェ理論で読み解く

看護師国家試験 第114回 午後 第60問 / 小児看護学 / 子どもの成長・発達

国試問題にチャレンジ

114回 午後 第60問

標準的な成長・発達をしている子どもが「ばい菌が体内に入ることで病気になる」 と考えるようになるのは、ピアジェ, J.(Piaget, J.)の認知的発達段階のどれか。

  1. 1.感覚運動期
  2. 2.前操作期
  3. 3.具体的操作期
  4. 4.形式的操作期

対話形式の解説

博士 博士

今日はピアジェの認知発達理論じゃ。子どもの思考の発達を4段階で示した古典理論で、国試頻出じゃよ。

アユム アユム

4段階あるんですよね。

博士 博士

そうじゃ。感覚運動期(0〜2歳)、前操作期(2〜7歳)、具体的操作期(7〜11歳)、形式的操作期(11歳以降)の4つに分けられる。

アユム アユム

それぞれの特徴を教えてください。

博士 博士

感覚運動期は感覚と運動で世界を認識する時期。物の永続性が獲得される。前操作期は言葉や象徴を使えるようになるが、論理的思考はまだ未熟で自己中心性やアニミズムが特徴。

アユム アユム

アニミズムって?

博士 博士

無生物にも命や意思があると考える思考様式じゃ。「お月さまが追いかけてくる」「人形が悲しんでる」など、子どもらしい発想じゃな。

アユム アユム

具体的操作期は?

博士 博士

7〜11歳で、具体的な事象に対しては論理的思考が可能になる。保存の概念、可逆性、分類などができるようになる。

アユム アユム

形式的操作期は?

博士 博士

11歳以降で抽象的・仮説演繹的思考が可能になる。「もし〜だったら」と仮定の話を展開できるようになり、科学的概念も理解できる。

アユム アユム

今回の「ばい菌が入ると病気になる」というのはどの段階ですか?

博士 博士

これは前操作期の典型じゃ。目に見えないものを擬人化・具象化して「ばい菌という悪い奴が体に入ると悪いことが起きる」と単純に捉える。

アユム アユム

具体的操作期だと違うんですか?

博士 博士

具体的操作期になると、ばい菌が体内で増えて炎症を起こすという、もう少し因果関係を含めた理解ができる。形式的操作期では免疫・抗体・感染経路といった抽象概念で説明できるようになる。

アユム アユム

年齢で説明の仕方を変える必要があるんですね。

博士 博士

その通り。前操作期の子に免疫の話をしても理解できんが、「ばい菌をやっつけるためにお薬を飲もうね」なら通じる。プレパレーションでも有効じゃ。

アユム アユム

内在的正義というのも前操作期の特徴と聞いたことがあります。

博士 博士

うむ、「悪いことをしたから病気になった」と罰として捉える思考じゃ。看護師はこのような誤解に気づき、罪悪感を抱かないよう関わる必要がある。

アユム アユム

子どもの認知発達を理解することは、説明や援助の質に直結するんですね。

博士 博士

その通り。ピアジェの4段階は国試頻出じゃから、年齢区分と特徴をセットでしっかり覚えておくとよいぞ。

POINT

ピアジェの認知発達理論は、感覚運動期(0〜2歳)、前操作期(2〜7歳)、具体的操作期(7〜11歳)、形式的操作期(11歳以降)の4段階で子どもの思考発達を示した古典的枠組みです。「ばい菌が入ると病気になる」という素朴な因果理解は、目に見えないものを象徴的・具象的に捉える前操作期の典型で、自己中心性・アニミズム・直観的思考といった特徴と結びつきます。具体的操作期では炎症の因果が論理的に理解でき、形式的操作期では免疫や感染経路など抽象概念で説明できるようになります。看護師は発達段階に応じて言葉や教材を選び、罪悪感を抱かせない説明やプレパレーションを行うことが重要です。各段階の年齢区分と特徴は国家試験頻出のため、特徴的な思考様式とセットで整理しておくと得点に直結します。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:標準的な成長・発達をしている子どもが「ばい菌が体内に入ることで病気になる」 と考えるようになるのは、ピアジェ, J.(Piaget, J.)の認知的発達段階のどれか。

解説:正解は 2 です。ピアジェ(J. Piaget)の認知発達理論では、子どもの思考は感覚運動期(0〜2歳)、前操作期(2〜7歳)、具体的操作期(7〜11歳)、形式的操作期(11歳以降)の4段階を経て発達する。前操作期は言葉や象徴を使って物事を表現できるようになる一方、論理的・抽象的思考はまだ未熟で、「アニミズム(物に命を与える)」「自己中心性」「直観的思考」といった特徴を示す。「ばい菌が体内に入って病気になる」という考えは、目に見えない原因を擬人化・具象化して捉える前操作期の典型的な思考様式であり、本問の正解は前操作期となる。

選択肢考察

  1. × 1.  感覚運動期

    0〜2歳の段階で、感覚と運動を通して世界を理解する時期。物の永続性を獲得する重要な時期だが、ばい菌のような抽象的概念を理解するには言語的・象徴的能力が未発達である。

  2. 2.  前操作期

    2〜7歳の段階。言葉や象徴を用いて物事を表現できるようになり、目に見えない原因を擬人化・具象化して捉える。「ばい菌が入ると病気になる」という単純な因果理解はこの時期の特徴。

  3. × 3.  具体的操作期

    7〜11歳の段階。具体的事象に対し論理的思考が可能となり、保存・分類・可逆性の概念が確立する。病気の原因をより複雑に理解できるようになるが、本問の素朴な理解レベルとは異なる。

  4. × 4.  形式的操作期

    11歳以降の段階。抽象的・仮説演繹的思考が可能となる。免疫機構や感染経路など科学的・抽象的な概念で病気を説明できる時期で、本問の素朴な擬人的理解とは段階が異なる。

ピアジェの発達段階と健康・病気の概念理解は密接に関連する。前操作期の子どもは「ばい菌=悪者」のように具象的・擬人的に理解する一方、罰として病気になると考える「内在的正義」も特徴的である。具体的操作期になると感染という因果関係をより論理的に理解し、形式的操作期では免疫・抗体・感染経路など抽象概念を扱えるようになる。看護師は子どもの認知発達段階を踏まえ、説明の言葉・教材(絵本・人形・図解)を選ぶことで効果的なプレパレーションや健康教育が実施できる。各段階の年齢区分と特徴は国家試験頻出のため、必ず整理しておきたい。

ピアジェの認知発達段階のうち、目に見えない原因を象徴的・具象的に捉える前操作期の特徴を「ばい菌で病気になる」という素朴な因果理解と結びつけて判断する問題。