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後追いは愛着のサイン!分離不安を発達心理学から理解する

看護師国家試験 第114回 午前 第63問 / 小児看護学 / 子どもの成長・発達

国試問題にチャレンジ

114回 午前 第63問

生後6〜8か月ころの乳児で、親などの特定の人が自分の傍から離れたときに泣いたり後追いをしたりするのはどれか。

  1. 1.分離不安
  2. 2.アニミズム
  3. 3.自我の芽生え
  4. 4.アンビバレント

対話形式の解説

博士 博士

今回は生後6〜8か月の乳児が養育者と離れるときに泣く現象についてじゃ。何という言葉で呼ぶか分かるか?

サクラ サクラ

えっと…後追いとは聞きますが、教科書的にはなんでしたっけ。

博士 博士

それは「分離不安」じゃ。愛着が形成された証拠でもあるぞ。

サクラ サクラ

愛着というのは具体的にどういう状態ですか?

博士 博士

養育者を「自分にとって特別な人」と認識し、安心の基地として頼れる関係性のことじゃ。ボウルビィが提唱した概念じゃな。

サクラ サクラ

いつ頃から愛着は形成されるんですか?

博士 博士

生後3か月頃に社会的微笑、6〜7か月頃に人見知り、6〜8か月頃に分離不安と後追いが順に現れるのじゃ。

サクラ サクラ

分離不安はずっと続くんですか?

博士 博士

1歳前後がピークで、1歳半頃に「対象の永続性」を獲得すると徐々に和らぐ。見えなくても存在し続けると分かるからじゃ。

サクラ サクラ

他の選択肢のアニミズムとは何が違うんですか?

博士 博士

アニミズムはピアジェの前操作期、2〜7歳ごろの特徴で、ぬいぐるみや雲にも心があると考える思考じゃ。乳児期ではない。

サクラ サクラ

自我の芽生えは?

博士 博士

1歳半〜3歳のイヤイヤ期、第一次反抗期と対応する。「自分でやりたい」が始まる時期じゃな。

サクラ サクラ

アンビバレントというのも気になります。

博士 博士

エインスワースの愛着分類で、養育者が一貫しない反応をするとアンビバレント型愛着が形成される。再会時に求めながら拒絶する両価的な行動を示す。

サクラ サクラ

月齢的に必発するものではないんですね。

博士 博士

その通り。アンビバレント型は愛着のタイプの名称で、年齢で誰でも示すものではない。

サクラ サクラ

発達理論はたくさんあって混乱しそうです。

博士 博士

エリクソン・ピアジェ・フロイト・ハヴィガースト・スキャモン、それぞれが何を扱うかを表に整理して覚えるのじゃ。看護師として子どもと家族を支えるとき、発達段階の理解は土台になるぞ。

サクラ サクラ

愛着があるからこそ離れるとき泣く、というのは温かい話ですね。

POINT

分離不安は生後6〜8か月頃に現れ、養育者との愛着形成が進んだことを示す発達的に正常な反応です。1歳前後でピークとなり、1歳半頃に対象の永続性が獲得されると徐々に軽減します。アニミズムは前操作期の認知特徴、自我の芽生えは1歳半以降の自己主張、アンビバレントは愛着のタイプ名であり、いずれも本問の月齢にはあてはまりません。看護師は乳児の社会性発達の指標として人見知り・後追いを評価し、養育者には正常発達であると伝えて安心感を提供する役割があります。発達心理学の主要理論と組み合わせて学ぶことで、月齢ごとの援助のポイントが体系的に整理できます。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:生後6〜8か月ころの乳児で、親などの特定の人が自分の傍から離れたときに泣いたり後追いをしたりするのはどれか。

解説:正解は 1 です。生後6〜8か月頃には、乳児が養育者を「自分にとって特別な存在」として認識する愛着(アタッチメント)が形成されます。この時期に養育者と離れたときに泣く、後追いをするなどの反応を「分離不安」と呼び、ボウルビィの愛着理論やマーラーの分離・個体化理論において発達上の正常な現象とされます。1歳前後にピークを迎え、対象の永続性(見えなくても存在し続けるという認識)が確立する1歳半頃から徐々に軽減します。

選択肢考察

  1. 1.  分離不安

    養育者と離れることに強い不安を示す発達的反応。生後6〜8か月で出現し1歳前後で最強となり、人見知りと並んで愛着形成が進んでいる証拠と捉えられる。

  2. × 2.  アニミズム

    ピアジェの認知発達理論で前操作期(2〜7歳頃)の特徴とされ、無生物にも命や心があると考える思考様式。乳児期の現象ではない。

  3. × 3.  自我の芽生え

    1歳半〜3歳頃にみられる「自分でやりたい」という自己主張の発達で、第一次反抗期(イヤイヤ期)に対応する。乳児期前半の現象ではない。

  4. × 4.  アンビバレント

    「アンビバレント型愛着」は、養育者の応答に一貫性がない場合に形成される愛着スタイルで、再会時に求めながらも拒絶する両価的な行動を示す。月齢で必発する正常発達の用語ではない。

乳児期の社会性発達では、生後3か月頃に社会的微笑、6〜7か月頃に人見知り、6〜8か月頃に分離不安と後追いが出現する。これらは特定の養育者との愛着形成が進んだサインであり、安心の基地(secure base)として養育者を認識できるようになった結果である。エインスワースのストレンジ・シチュエーション法では、安定型・回避型・アンビバレント型・無秩序型の4種類の愛着パターンが分類される。発達理論はエリクソン(心理社会的発達)、ピアジェ(認知発達)、フロイト(心理性的発達)、ハヴィガースト(発達課題)、スキャモン(臓器発育曲線)と合わせて整理しておくとよい。

乳児が養育者から離れるときに泣く・後追いする現象の名称を問う問題。愛着形成と「分離不安」の関係を理解できているかが問われる。