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子どもの発達のリズム〜急成長と停滞は交互にやってくる

看護師国家試験 第112回 午後 第55問 / 小児看護学 / 子どもの成長・発達

国試問題にチャレンジ

112回 午後 第55問

子どもの発達で正しいのはどれか。

  1. 1.発達は急速な時期と緩慢な時期がある。
  2. 2.原始反射は生後6〜12か月にみられる。
  3. 3.基本的な運動発達は脚部から上方へ向かう。
  4. 4.新生児期は遺伝よりも環境因子の影響が大きい。

対話形式の解説

博士 博士

今回は子どもの発達の基本原則を復習するぞ。

サクラ サクラ

発達って、一定のペースで進むのかと思っていました。

博士 博士

そこが落とし穴じゃ。発達は不均等で、急速に伸びる時期と緩やかな時期が交互に現れる。これが選択肢1が正解になる理由じゃ。

サクラ サクラ

スキャモンの発育曲線ですね。

博士 博士

うむ、そうじゃ。一般型(身長・体重)、神経型、リンパ型、生殖型の4つで、それぞれ発達速度のピークが違う。神経型は6歳までに成人の90%、一般型は乳児期と思春期に急伸、生殖型は思春期で急増する。

サクラ サクラ

原始反射は生後6〜12か月にみられる、という選択肢はどうですか?

博士 博士

これは誤りじゃ。原始反射は出生直後から出現し、生後4〜6か月頃までに多くが消失する。モロー反射、把握反射、吸啜反射、バビンスキー反射などじゃな。

サクラ サクラ

消失の遅れは病的ですか?

博士 博士

その通り、中枢神経障害を示唆する所見となる。逆に出てこない場合も異常を疑う。

サクラ サクラ

運動発達は脚部から上方、というのは?

博士 博士

逆じゃ。頭尾方向、つまり首すわり→寝返り→お座り→立つ→歩く、の順に頭から下へと発達する。これを『頭尾方向の原則』と呼ぶ。

サクラ サクラ

あとは近位遠位方向ですよね。

博士 博士

その通り。肩の動きが先にできて、次に肘、手首、指と末端に向かって細かな動きが可能になる。

サクラ サクラ

遺伝と環境の話は?

博士 博士

新生児期は遺伝の影響が大きく、以降は環境の影響が徐々に大きくなる。双子研究などでも裏付けられておる。

サクラ サクラ

発達は順序性・方向性・連続性・個人差と臨界期、の4原則で整理できますね。

博士 博士

うむ、看護師は個人差を尊重しつつ、発達のマイルストーンに照らして異常の早期発見につなげることが大切じゃ。

POINT

子どもの発達は『順序性・方向性・連続性・個人差と臨界期』という原則に従い、速度は一定ではなく、急速期と緩徐期が交互に現れます。スキャモンの発育曲線が示すように臓器系ごとにピーク時期が異なり、乳児期と思春期には一般型が急増し、神経系は6歳頃までに成人の約90%に達します。原始反射は出生直後からみられ4〜6か月頃までに消失すること、運動発達は頭尾方向・近位遠位方向に進むこと、新生児期は遺伝の影響が大きく以後は環境の影響が増大することも、看護師国家試験で繰り返し問われる基本事項です。発達の原則を理解することで、発達遅滞や発達障害の早期発見、家族への育児支援など小児看護の現場に活きる実践力が養われます。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:子どもの発達で正しいのはどれか。

解説:正解は 1 です。子どもの発達には一般的な順序性・方向性・連続性が認められますが、発達の速度は一定ではなく、急速に伸びる時期(臨界期・急進期)と比較的緩やかな時期が交互に現れます。たとえば身長は乳児期と思春期に急増し、学童期中期は比較的緩やかです。また脳重量は3歳頃までに成人の約80%に達するほど急速に発達する一方、その後は緩徐化します。このように『発達は急速な時期と緩慢な時期がある』というのが正しい記述です。

選択肢考察

  1. 1.  発達は急速な時期と緩慢な時期がある。

    発達の速度は不均等で、乳児期・思春期など特定の時期に急激に進み、その間の時期は緩やかになる。身長・体重・脳・性腺などの発達曲線を示すスキャモンの発育曲線も、この不均等性を端的に示している。

  2. × 2.  原始反射は生後6〜12か月にみられる。

    原始反射(モロー反射、把握反射、吸啜反射、バビンスキー反射など)は出生直後から認められ、中枢神経の成熟に伴い生後4〜6か月頃までに大半が消失する。残存は中枢神経障害を疑う所見となる。

  3. × 3.  基本的な運動発達は脚部から上方へ向かう。

    運動発達は『頭部から尾部(頭尾方向)』『中枢から末梢(近位遠位方向)』という方向性を持つ。首すわり→寝返り→お座り→つかまり立ち→歩行の順になり、脚部から上方ではない。

  4. × 4.  新生児期は遺伝よりも環境因子の影響が大きい。

    新生児期は遺伝的因子の影響が大きく、出生体重や形態的特徴は遺伝規定の部分が大きい。以降、成長するにつれて栄養・養育環境など環境因子の影響が相対的に増大する。

発達の4原則は『一定の順序性』『方向性(頭尾方向・近位遠位方向)』『連続性(非連続ではない)』『個人差と臨界期』。スキャモンの発育曲線では一般型(身長・体重)、神経型、リンパ型、生殖型の4曲線が示され、臓器系ごとに発達速度が大きく異なることを表す。

小児の発達の原則(順序性・方向性・速度の不均等性・遺伝と環境)を問う基本問題。発達は一様ではなく急速期と緩徐期を交互に経るという点が正答の鍵。