新生児の殿部にある青いアザの正体
看護師国家試験 第108回 午前 第81問 / 小児看護学 / 健康増進のための小児看護
国試問題にチャレンジ
新生児の殿部の写真を別に示す。 考えられるのはどれか。
- 1.ポートワイン母斑(portwine stain)
- 2.サーモンパッチ(salmon patch)
- 3.ウンナ母斑(Unna nevus)
- 4.太田母斑(nevus of Ota)
- 5.蒙古斑(mongolian spot)
対話形式の解説
博士
写真を見てごらん。新生児の殿部に青灰色の斑があるね。これは何かな?
サクラ
青っぽい色で殿部…もしかして蒙古斑ですか?
博士
その通り!蒙古斑は日本人を含むアジア系の乳児にほぼ全例でみられる生理的な色素斑だよ。
サクラ
どうして青く見えるんですか?
博士
真皮の深い層にメラノサイトが残って停滞しているためで、表皮越しに光が反射すると青〜青灰色に見えるんだ。チンダル現象と呼ばれているよ。
サクラ
他の選択肢との違いを整理したいです。
博士
ポートワイン母斑は顔や頸部に出る平坦な赤紫色斑で毛細血管奇形が原因、サーモンパッチは前額や眼瞼の淡紅色、ウンナ母斑は項部の赤い斑だね。
サクラ
太田母斑は?
博士
顔面の片側に出る青褐色のメラノサイト性母斑で、三叉神経第1・2枝領域に好発する。自然消退しないのがポイントだよ。
サクラ
蒙古斑は治療が必要ですか?
博士
通常は10歳前後までに自然消退するので治療不要。ただし殿部以外に出る異所性蒙古斑は消えにくくレーザー適応になることもある。
サクラ
看護で気をつけることはありますか?
博士
広範囲の青いあざは虐待と誤認されることがあるから、出生時の記録に部位と大きさをきちんと残しておくことが大事だよ。
サクラ
色と部位を組み合わせて覚えれば識別できそうです。
POINT
新生児の殿部・腰仙部にみられる青灰色斑は蒙古斑で、真皮メラノサイトに由来する生理的色素斑です。多くは10歳頃までに自然消退します。ポートワイン母斑・サーモンパッチ・ウンナ母斑・太田母斑はそれぞれ好発部位と色調が異なり、部位と色で鑑別します。殿部の広範囲なあざは虐待との鑑別のため記録を残すことが大切です。
解答・解説
正解は 5 です
問題文:新生児の殿部の写真を別に示す。 考えられるのはどれか。
解説:正解は 5 です。蒙古斑は新生児・乳児期の殿部や腰仙部にみられる青灰色の色素斑で、真皮の深層に停滞したメラノサイトが原因となります。日本人を含むアジア人にはほぼ全員に出現する生理的現象であり、通常は就学前後までに自然消退します。
選択肢考察
-
× 1. ポートワイン母斑(portwine stain)
真皮の毛細血管奇形による平坦で境界明瞭な暗赤紫色の斑で、顔面や頸部に好発します。年齢とともに濃くなり自然消退しません。殿部の青い色調は説明できません。
-
× 2. サーモンパッチ(salmon patch)
前額正中・上眼瞼・鼻背などにみられる淡紅色の毛細血管拡張性母斑で、多くは1〜3歳頃までに消退します。殿部には出現しません。
-
× 3. ウンナ母斑(Unna nevus)
項部(うなじ)に好発する淡紅色斑で、サーモンパッチの後頸部バリエーションです。殿部の青色斑には該当しません。
-
× 4. 太田母斑(nevus of Ota)
顔面の三叉神経第1・2枝領域(前額・眼周囲・頬)に片側性に生じる青褐色のメラノサイト性母斑で、自然消退しません。部位が異なります。
-
○ 5. 蒙古斑(mongolian spot)
腰仙部から殿部にかけて生じる青灰色斑で、真皮メラノサイトによる生理的色素斑です。写真の殿部の所見と一致し、多くは10歳頃までに自然消退します。
蒙古斑のうち殿部以外(背部・四肢など)に出るものを異所性蒙古斑と呼び、消退が遅い傾向があります。通常の蒙古斑は治療不要ですが、濃い異所性蒙古斑はレーザー治療の対象となることがあります。また、殿部の広範囲の青あざはまれに虐待と誤解されるため、診察記録に部位・大きさを残すことが重要です。
新生児・乳児にみられる代表的な母斑の部位と色調の違いを識別できるかを問う問題です。殿部=蒙古斑という基本パターンを押さえましょう。
「健康増進のための小児看護」の関連記事
-
新生児マススクリーニングの基礎
新生児マススクリーニングの実施時期・方法・目的の要点を押さえているかを問う問題です。
113回
-
定期予防接種を総ざらい ― HPVは筋注、ロタは生ワクチン
定期予防接種のワクチン分類(生/不活化)、接種経路、接種回数、ツベルクリン反応省略などの最新運用を正しく把握し…
112回
-
BCG接種後のコッホ現象と対応
BCG接種後の正常経過とコッホ現象を鑑別し、結核感染の可能性を考慮した対応ができるかを問う問題です。
111回
-
学童期の肥満
学童期肥満の評価指標、原因、食事指導の原則、将来のリスクを統合的に理解しているかを問う問題です。
111回
-
小児の年齢別死因を覚えよう
年齢階級別の小児死因の分布、特に5〜9歳で悪性新生物が第1位となる点を問う問題です。
110回