アルコール依存症入院当日、何が最優先?
看護師国家試験 第103回 午後 第67問 / 精神看護学 / 精神疾患・障害がある者への看護
国試問題にチャレンジ
Aさん(50歳、男性)は、アルコール依存症(alcohol dependence)のために断酒目的で入院した。入院前日の夜まで毎日飲酒をしていたと話している。 入院当日に優先的に行うのはどれか。
- 1.抗酒薬の説明を行う。
- 2.断酒会への参加を促す。
- 3.振戦の有無を確認する。
- 4.ストレス対処行動を分析する。
対話形式の解説
博士
Aさんは前夜まで連日飲酒、入院当日は離脱症状が一番のリスクじゃ。
サクラ
離脱症状ってどれくらいで出るんですか?
博士
飲酒中止から6〜24時間で振戦や発汗、不眠、48〜72時間で振戦せん妄や痙攣じゃ。命に関わるぞ。
サクラ
だから振戦の確認なんですね。
博士
その通り、選択肢3が正解じゃ。早期に捉えてベンゾジアゼピン系を補えば重症化を防げるんじゃよ。
サクラ
1の抗酒薬の説明はだめなんですか?
博士
抗酒薬は治療意欲が固まったリハビリ期に導入する薬じゃ、当日にする話ではない。
サクラ
2の断酒会は?
博士
再発予防に有用な社会資源じゃが、まずは身体を整えてからじゃ、優先度は低い。
サクラ
4のストレス対処の分析はどうでしょう?
博士
心理面の介入は解毒が終わってから、当日には早すぎるんじゃよ。
サクラ
看護観察のポイントは?
博士
CIWA-Arで重症度を見つつ、頻脈、発汗、振戦、見当識、幻視を継続観察、ビタミンB1投与でウェルニッケ脳症も予防じゃ。
サクラ
身体管理が最優先なんですね。
博士
安全に解毒できれば次の心理社会的治療につなげられるんじゃよ。
POINT
連日飲酒していたアルコール依存症患者の入院当日は、離脱症状の早期発見が最優先課題です。振戦の確認とCIWA-Arでの評価、ベンゾジアゼピン補充、ビタミンB1投与で重症化を予防します。抗酒薬や断酒会、心理療法は解毒後のリハビリ期に位置づけられます。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:Aさん(50歳、男性)は、アルコール依存症(alcohol dependence)のために断酒目的で入院した。入院前日の夜まで毎日飲酒をしていたと話している。 入院当日に優先的に行うのはどれか。
解説:正解は 3 です。アルコール依存症の入院治療は導入期・解毒期・リハビリテーション期に分けられ、入院当日は解毒期にあたります。前日まで連日飲酒していたAさんは、断酒6〜24時間以内に発汗、頻脈、振戦、不眠、48〜72時間で振戦せん妄や痙攣を起こす危険があります。生命に直結するため離脱症状の早期発見、特に振戦の有無の確認が最優先です。
選択肢考察
-
× 1. 抗酒薬の説明を行う。
抗酒薬(ジスルフィラム、シアナミド等)は治療意欲が安定したリハビリ期に導入する薬剤で、入院当日に最優先で行うものではありません。
-
× 2. 断酒会への参加を促す。
断酒会は再発予防の社会資源として有用ですが、急性期の身体管理が落ち着いてから動機づけとともに勧めます。
-
○ 3. 振戦の有無を確認する。
離脱症状は断酒数時間〜数日で出現し、放置すると振戦せん妄や痙攣で致命的になります。当日からの観察が必須です。
-
× 4. ストレス対処行動を分析する。
心理社会的アプローチは離脱症状を脱したリハビリ期で行うものであり、入院当日の優先課題ではありません。
アルコール離脱症状は軽症(自律神経亢進、振戦、不眠)と重症(振戦せん妄、痙攣)に分けられ、CIWA-Arなどのスケールで重症度を評価します。ベンゾジアゼピン系(ジアゼパム等)の補充とビタミンB1(ウェルニッケ脳症予防)の投与が標準治療です。
アルコール依存症入院当日の最優先課題が離脱症状の早期発見であることを判断できるかを問う問題です。
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