在宅緩和ケアと訪問看護の役割
看護師国家試験 第103回 午前 第115問(状況設定問題)
国試問題にチャレンジ
状況設定
Aさん(58歳、男性)は、3年前に直腸癌(rectal cancer)と診断され、手術を受けてストーマを造設した。その後Aさんは直腸癌(rectal cancer)を再発し、治療を行ったが効果がなく、腹部の癌性疼痛を訴えたため、疼痛をコントロールする目的で入院していた。Aさんは「自宅で療養したい。痛みは取り除いてほしいが、延命治療は望まない」と在宅療養を希望した。現在、Aさんはオキシコドン塩酸塩を1日2回内服し、食事は食べたいものを少量ずつ食べているが、摂取量が減少している。Aさんの家族は56歳の妻と他県で仕事をしている長女である。
Aさんは退院後、訪問診療と訪問看護を利用することになった。訪問看護師が、Aさんと家族に説明する内容で適切なのはどれか。
- 1.「お風呂に入るのはやめましょう」
- 2.「自宅ではベッド上で安静にしてください」
- 3.「ストーマのパウチの交換をお手伝いします」
- 4.「ストーマがあるので副作用の便秘は心配ありません」
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士POINT
在宅緩和ケアにおける訪問看護師の支援内容と、ストーマ・オピオイドに関する基本知識を問う問題です。
解答・解説
正解は3です
問題文:Aさんは退院後、訪問診療と訪問看護を利用することになった。訪問看護師が、Aさんと家族に説明する内容で適切なのはどれか。
解説:正解は 3 です。在宅緩和ケアの目標は、患者のQOLを保ちつつ自宅での生活を可能な限り続けられるよう支援することです。Aさんはストーマ造設後3年が経過しており、本来は自己管理が可能なはずですが、再発・癌性疼痛・摂取量低下により全身状態は徐々に低下しています。皮膚トラブルや便性状の変化、装具のフィッティング不良なども生じやすいため、訪問看護師が定期訪問でストーマパウチの交換を支援し、皮膚状態の観察と装具選択の調整を行うことは、患者・家族の負担軽減と合併症予防の両面で適切です。
選択肢考察
- ×1. 「お風呂に入るのはやめましょう」
ストーマを造設していても入浴は可能で、清潔保持と疼痛緩和、リラクセーション効果も得られます。発熱や全身状態著しく不良などの禁忌がない限り入浴禁止の指導は不適切です。
- ×2. 「自宅ではベッド上で安静にしてください」
終末期であっても痛みのコントロールができれば過度な安静は不要です。寝たきりは廃用症候群・褥瘡・気力低下を招き、QOLを低下させるため安静を強いる指導は不適切です。
- ○3. 「ストーマのパウチの交換をお手伝いします」
再発・癌性疼痛・摂取量低下のあるAさんには、訪問看護師がパウチ交換を支援することで皮膚観察や装具調整も可能となり、在宅療養の負担軽減と合併症予防に資する適切な説明です。
- ×4. 「ストーマがあるので副作用の便秘は心配ありません」
オピオイドは消化管の蠕動を抑制し、ストーマがあっても便秘は生じます。むしろストーマでは便の停滞や閉塞のリスクもあり、緩下薬の併用と排便観察が必要です。
在宅緩和ケアの基本姿勢は『できないことを補い、できることは支える』。ストーマ患者は通常入浴可、便秘予防にオピオイド使用時は緩下薬を併用、過度な安静は廃用を招きます。覚え方は『緩和ケアはQOL優先・できる活動は止めない』。
在宅緩和ケアにおける訪問看護師の支援内容と、ストーマ・オピオイドに関する基本知識を問う問題です。
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