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多発性硬化症の特徴をつかもう

看護師国家試験 第104午前85

国試問題にチャレンジ

104午前85

多発性硬化症(multiple sclerosis)で正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 1.脱髄病変が多発する。
  2. 2.髄液中のIgGは低下する。
  3. 3.視力低下は網脈絡膜炎(retinochorioiditis)による。
  4. 4.MRIは病変の検出に有用である。
  5. 5.末梢神経が障害されることが多い。

対話形式の解説

博士博士
今日は多発性硬化症、MSじゃ。どこが障害される疾患か分かるかの?
サクラサクラ
中枢神経の髄鞘ですか?
博士博士
その通りじゃ。脳・脊髄・視神経の髄鞘が壊れる脱髄性疾患じゃ。
サクラサクラ
末梢神経は障害されないんですね。
博士博士
そうじゃ。末梢の脱髄はギラン・バレーやCIDPじゃから区別が大事じゃぞ。
サクラサクラ
診断にはどんな検査が役立ちますか?
博士博士
MRIじゃ。T2強調やFLAIRで白質に高信号の脱髄プラークが見えるんじゃ。
サクラサクラ
造影でも何か特徴がありますか?
博士博士
活動性のある急性期病変はガドリニウム造影で増強されるんじゃ。
サクラサクラ
髄液検査ではどうですか?
博士博士
髄液IgGが上昇し、オリゴクローナルバンドが陽性になることが多い。低下ではないからな。
サクラサクラ
視力低下があるのはどうしてですか?
博士博士
視神経炎による脱髄じゃ。網脈絡膜炎ではないぞ、それはベーチェット病などじゃ。
サクラサクラ
時間的・空間的多発性って何ですか?
博士博士
時間を空けて違う部位に病変が出ることじゃ。McDonald基準にも組み込まれておるんじゃ。
サクラサクラ
治療はどんなものがありますか?
博士博士
急性期はステロイドパルス、再発予防にインターフェロンβや経口の疾患修飾薬を使うのじゃ。

POINT

多発性硬化症の病態(中枢の脱髄)、髄液所見、視力低下の機序、MRIの有用性を整理しているかを問う問題です。

解答・解説

正解は1です

問題文:多発性硬化症(multiple sclerosis)で正しいのはどれか。2つ選べ。

解説:正解は1と4です。多発性硬化症は中枢神経系のミエリン(髄鞘)が自己免疫機序により破壊される脱髄性疾患で、時間的・空間的多発性が特徴です。MRI(特にT2強調画像やFLAIR)で白質の脱髄プラークを高信号として捉えられ、診断に必須の検査となります。

選択肢考察

  1. 1.  脱髄病変が多発する。

    中枢神経系のオリゴデンドロサイト由来の髄鞘が破壊され、脱髄プラークが脳・脊髄・視神経に多発します。再発と寛解を繰り返す再発寛解型が典型です。

  2. ×2.  髄液中のIgGは低下する。

    中枢神経内での免疫応答亢進によって髄液IgGは増加し、IgGインデックス上昇やオリゴクローナルバンド陽性が診断補助となります。低下ではなく上昇です。

  3. ×3.  視力低下は網脈絡膜炎(retinochorioiditis)による。

    MSの視力障害は視神経炎による脱髄に起因します。網脈絡膜炎が主たる視力低下の原因となるのはベーチェット病やトキソプラズマ症などです。

  4. 4.  MRIは病変の検出に有用である。

    MRIのT2・FLAIR画像で白質の高信号病変が描出され、急性期病変はガドリニウム造影で増強されます。McDonald診断基準でもMRIは中心的役割を担います。

  5. ×5.  末梢神経が障害されることが多い。

    MSは中枢神経系に限局した疾患です。末梢神経の脱髄はギラン・バレー症候群や慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)でみられます。

MSは20〜40歳代の女性に多く、視神経炎・複視・感覚障害・運動麻痺・小脳失調などが時間的・空間的に多発します。急性期はステロイドパルス療法、再発予防にインターフェロンβやフィンゴリモド、ナタリズマブなどの疾患修飾薬が用いられます。視神経脊髄炎(NMO)は抗AQP4抗体陽性で、長大な脊髄病変を呈する別疾患として鑑別が必要です。

多発性硬化症の病態(中枢の脱髄)、髄液所見、視力低下の機序、MRIの有用性を整理しているかを問う問題です。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。