頭蓋内出血のCT画像鑑別
看護師国家試験 第105回 午前 第67問
国試問題にチャレンジ
頭部CTを以下に示す。 出血部位について正しいのはどれか。

- 1.皮下組織
- 2.硬膜外腔
- 3.くも膜下腔
- 4.脳実質内
- 5.脳室内
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士POINT
頭蓋骨内板と硬膜の間に凸レンズ状の高吸収域を認めるのは硬膜外血腫の典型所見であり、緊急手術の対象となる。
解答・解説
正解は2です
問題文:頭部CTを以下に示す。 出血部位について正しいのはどれか。
解説:正解は 2 です。CT画像上、頭蓋骨のすぐ内側(硬膜外腔)に凸レンズ状(biconvex, lens-shaped)の高吸収域(白い部分)を認める所見は、硬膜外血腫(epidural hematoma)の典型的な画像所見です。硬膜外血腫は側頭部への強い外力により頭蓋骨骨折(多くは側頭骨鱗部)と中硬膜動脈損傷が生じ、硬膜と頭蓋骨内板の間に動脈性出血が貯留して形成されます。血腫は硬膜と頭蓋骨が縫合線で強く接着しているために縫合線を越えて広がらず、凸レンズ状(レモン型)の形をとるのが特徴です。臨床的には受傷直後に意識清明期(lucid interval)を経て数時間後に急激に意識障害が悪化する経過が典型で、緊急の開頭血腫除去術が必要になります。硬膜下血腫が三日月型(半月型)に広がるのと対照的です。
選択肢考察
- ×1. 皮下組織
誤りです。皮下血腫であれば頭蓋骨の外側(皮膚〜皮下組織)に高吸収域が生じます。本画像では頭蓋骨の内側に出血が限局しており、皮下組織ではありません。
- ○2. 硬膜外腔
正しい選択肢です。頭蓋骨内板と硬膜の間に凸レンズ状(biconvex)の高吸収域を認めるのは硬膜外血腫の典型画像です。中硬膜動脈の動脈性出血が多く、受傷から数時間で急激に意識障害が進行するため緊急手術が必要です。
- ×3. くも膜下腔
誤りです。くも膜下出血では脳底槽やシルビウス裂、大脳縦裂に沿ってヒトデ型(ペンタゴン状)の高吸収域が広がります。本画像のような凸レンズ状限局性所見ではありません。
- ×4. 脳実質内
誤りです。脳実質内出血では大脳基底核や視床など脳組織内に塊状の高吸収域を認めます。本画像は頭蓋骨直下に限局した凸レンズ状所見で、脳実質内ではありません。
- ×5. 脳室内
誤りです。脳室内出血では側脳室や第三脳室・第四脳室内に高吸収域(血液のレベル形成)を認めます。本画像では脳室内に高吸収域を認めません。
頭蓋内出血のCT画像鑑別のキーワードを整理します。硬膜外血腫:凸レンズ状(レモン型)、縫合線を越えない、動脈性、意識清明期あり。急性硬膜下血腫:三日月型(半月型)、縫合線を越える、静脈性(架橋静脈)、高齢者や抗凝固療法中に多い。くも膜下出血:ヒトデ型(ペンタゴン状)、脳底槽・シルビウス裂に沿う、脳動脈瘤破裂が最多原因。脳実質内出血:基底核・視床など脳内の塊状高吸収域、高血圧性が多い。脳室内出血:脳室内の高吸収域とレベル形成、脳実質内出血の穿破が多い。CT画像では急性期出血は高吸収(白)、時間経過とともに吸収値が低下します。
頭蓋骨内板と硬膜の間に凸レンズ状の高吸収域を認めるのは硬膜外血腫の典型所見であり、緊急手術の対象となる。
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