脳卒中後の食事介助、家族に何を教える?片麻痺の5原則
看護師国家試験 第106回 午後 第38問
国試問題にチャレンジ
脳出血( cerebral hemorrhage )の後遺症で左片麻痺と嚥下障害のある患者の家族に、食事介助の指導を行うときの説明で適切なのはどれか。
- 1.「食材にこんにゃくを入れると良いですよ」
- 2.「体を起こしたら、左の脇の下をクッションで支えましょう」
- 3.「口の左側に食べ物を入れるようにしましょう」
- 4.「飲み込むときに咳が出なければ誤嚥の心配はありません」
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士POINT
脳卒中後の片麻痺+嚥下障害患者の食事介助で、姿勢・食形態・口腔内への食物の入れ方・誤嚥判断の原則を問う問題。
解答・解説
正解は2です
問題文:脳出血( cerebral hemorrhage )の後遺症で左片麻痺と嚥下障害のある患者の家族に、食事介助の指導を行うときの説明で適切なのはどれか。
解説:正解は2です。脳出血後の左片麻痺では、座位で体幹が麻痺側(左)に傾きやすく、姿勢の崩れは嚥下時の誤嚥リスクを増大させます。体を起こしたら、左(麻痺側)の脇の下にクッションやタオルを当てて体幹を安定させることで、頭頸部の正中位が保たれ、安全な嚥下姿勢を作ることができます。さらに頸部を軽く前屈させ『顎引き嚥下』を促すと、咽頭と気管の角度が深くなり誤嚥防止に有効です。
選択肢考察
- ×1. 「食材にこんにゃくを入れると良いですよ」
こんにゃくは弾力が強くかみ切りにくく、咀嚼・食塊形成・嚥下のいずれも困難で、高齢者の窒息原因にもなりやすい食材。嚥下障害のある患者には不適切。ゼリー、プリン、ヨーグルト、とろみをつけた煮物などが推奨される。
- ○2. 「体を起こしたら、左の脇の下をクッションで支えましょう」
左片麻痺では麻痺側に体幹が傾くため、クッションで支えて正中位を保つ。姿勢の安定は嚥下の安全性に直結する。
- ×3. 「口の左側に食べ物を入れるようにしましょう」
左麻痺側に食べ物を入れると、舌や頬の感覚・運動が低下しているため食塊形成が困難になり、食物残渣も左側に溜まりやすい。健側である右側に入れ、右の奥歯で咀嚼してもらうのが正しい。
- ×4. 「飲み込むときに咳が出なければ誤嚥の心配はありません」
咳反射が低下している場合、食物や唾液が気管に入っても咳が出ない『不顕性誤嚥(silent aspiration)』が起こりうる。特に高齢者や脳血管障害後の患者では多く、誤嚥性肺炎の主要原因。咳の有無だけで安心せず、嚥下時の頸部聴診・声の変化・発熱の有無など多角的観察が必要。
嚥下障害患者の食事介助の基本は『姿勢・食形態・一口量・ペーシング・口腔ケア』の5点セット。姿勢は30〜60度のギャッジアップで頸部軽度前屈、健側を上にする側臥位も有効。食形態は嚥下調整食分類2021(学会分類)が広く使われる。一口量はティースプーン1杯程度、次の嚥下を待ってから次の一口、食後30分は座位または半座位を維持して逆流性誤嚥を防ぐ。食後の口腔ケアは誤嚥性肺炎予防の要。左片麻痺では左側空間無視の合併にも注意し、トレイは健側寄りに配置する配慮も必要。
脳卒中後の片麻痺+嚥下障害患者の食事介助で、姿勢・食形態・口腔内への食物の入れ方・誤嚥判断の原則を問う問題。
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