排便の仕組みを徹底解剖―努責で体に何が起きている?
看護師国家試験 第106回 午後 第73問
国試問題にチャレンジ
排便時の努責で正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1.直腸平滑筋は弛緩する。
- 2.呼息位で呼吸が止まる。
- 3.外肛門括約筋は収縮する。
- 4.内肛門括約筋は弛緩する。
- 5.腹腔内圧は安静時より低下する。
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラPOINT
排便時の生理機能(内・外肛門括約筋の作用、呼吸・腹圧)を正しく理解しているかを問う問題。『内=不随意で弛緩』『外=随意で弛緩』『努責=呼息位で息を止め腹圧上昇』をセットで覚える。
解答・解説
正解は2です
問題文:排便時の努責で正しいのはどれか。2つ選べ。
解説:正解は 2 と 4 です。排便は直腸内に便が送られると直腸壁の伸展が骨盤神経を介して仙髄の排便中枢に伝わり、反射性に内肛門括約筋(平滑筋・不随意)が弛緩して起こります。上位中枢の指令により陰部神経を介して外肛門括約筋(横紋筋・随意)も弛緩し、同時に『努責(いきみ)』として声門を閉じ(呼息位で息を止め)、横隔膜と腹筋を収縮させて腹腔内圧を上昇させることで、直腸内の便を肛門から押し出します。したがって『呼息位で呼吸が止まる』と『内肛門括約筋は弛緩する』が正しい記述になります。
選択肢考察
- ×1. 直腸平滑筋は弛緩する。
直腸平滑筋は便を押し出すために収縮する。弛緩したままでは便を肛門側へ送り出せず、排便は成立しない。
- ○2. 呼息位で呼吸が止まる。
努責時は息を吐いた位置で声門を閉じ、横隔膜を下げた状態で呼吸を止める。これにより腹腔内圧を効率よく高められ、排便を助ける。
- ×3. 外肛門括約筋は収縮する。
外肛門括約筋は随意筋で、排便時には意識的に弛緩させる。収縮したままでは便の通過は妨げられる。
- ○4. 内肛門括約筋は弛緩する。
直腸壁の伸展が骨盤神経→仙髄排便中枢を介して反射性に内肛門括約筋を不随意に弛緩させる。これを直腸肛門反射と呼ぶ。
- ×5. 腹腔内圧は安静時より低下する。
努責は横隔膜と腹筋を収縮させて腹腔内圧を上昇させる行為。低下するどころか安静時より大きく上昇する。
内肛門括約筋=平滑筋・自律神経(不随意)、外肛門括約筋=横紋筋・陰部神経(随意)が重要な区別。努責(Valsalva法)は腹腔内圧を上昇させるため、血圧や頭蓋内圧、眼圧を一過性に上げる。循環器疾患患者や脳血管疾患術後患者、緑内障患者では過度の努責を避け、便を柔らかく保つ(水分摂取・食物繊維・緩下剤)ことが看護の要点。排便時に失神する『排便失神』も努責による迷走神経反射が関与する。
排便時の生理機能(内・外肛門括約筋の作用、呼吸・腹圧)を正しく理解しているかを問う問題。『内=不随意で弛緩』『外=随意で弛緩』『努責=呼息位で息を止め腹圧上昇』をセットで覚える。
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